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2022.12.27

【U-23日本代表】「2023年にどれだけフル代表に食い込めるか」。23歳以下の選手たちを指揮し、木暮賢一郎監督が伝えたいメッセージ

PHOTO BY高橋学

26日から29日にかけ、高円宮記念JFA夢フィールドで行われているU-23フットサル日本代表候補のトレーニングキャンプ。

彼らの世代は新型コロナウイルスの影響によりAFC U-20フットサル選手権が中止となってしまい、国際経験を積めなかった世代でもある。来年1月にはフランス遠征が控えており、このトレーニングキャンプはそこへ向けた活動にもなる。

すべてはフル代表に入り、W杯メンバーに食い込むことを目的としている中、23歳以下の選手たちを召集し、木暮賢一郎監督はどんな狙いを持ってこの活動に取り組み、選手たちに何を期待しているのか。

練習初日を終えた木暮監督にこの活動の意義を伺った。


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彼らの年代はフル代表に入っていてもおかしくない

──このU-23代表の活動は、来年のインドアゲームズに向けたものになるのでしょうか?

インドアゲームズはまだどういうメンバーで行くか決めてないので、一番は(来年1月に控える)フランス遠征ですね。経歴を見てもらえば分かるように、ほとんどの選手が育成年代の代表で自分と仕事をしている選手です。なかなか表には見えないですけど、代表チームとして町クラブを含め、育成に長い年月をかけてきた成果を継続的に達成でき、素晴らしいなと感じます。もう一つは、選手たちが2023年にどれだけフル代表に食い込めるか。幸い自分が監督を兼務しているので、大きなアピールをするチャンスだと思います。「(ベテラン選手と比較して)同等のレベルであれば、若い選手を連れていく」と明言しているので、そういう意味では初日ながらも野心を持って選手たちは取り組んでくれましたし、その姿勢は嬉しく思います。

──彼らはAFC U-20フットサル選手権が中止になってしまった影響で、国際経験が少ない世代です。フランス遠征などを経て、国際経験を積ませたいという考えがあるのでしょうか?

2つあって、1つはおっしゃる通り、本来は国際経験を積めたはずが、大会の中止によってその機会を失ってしまいました。それは日本のフットサル界にとって非常に大きなダメージだと思っています。そういった選手たちがどうやったら国際経験を積むことができるかずっと探っていたところ、非常にいいお話をいただけました。リーグ期間中ではありますけど、オファーあっての話で、クラブとも丁寧に話を進めていますし、国際経験を積めなかった選手たちにとって、長い目で見た時に有益になるのかなと感じています。

もう一つは、彼らは決して若くないという感覚を持ってほしいということ。同時に、各クラブの指導者の方に対してもその感覚を持ってほしい。今回のサッカーのW杯でもそうですが、彼らの年代は本来ならフル代表に入っていてもおかしくありません。フットサルのW杯は2024年にありますが、今22歳でも2年後には24歳になるので、まったく若くありません。24歳でW杯に出るためには、今フル代表にいなければいけない。今回のメンバーにはまだ18歳の選手もいますけど、全体的には決して若くありません。いいか悪いかは別として、他のスポーツでは若年齢化が進んでいる中、日本フットサルの世代交代は、進みとしては早い方ではありません。そういった感覚が育成の方やクラブの方に対して、メッセージとして伝わればいいかなと思っています。

──今日は小宮山友祐監督や狩野新監督も見学に来ていました。そういったメッセージを発信するために、練習を公開しているという意図もあるのでしょうか?

僕は常にフルオープンにしていますし、指導者講習会などで最新のものをシェアしています。関係者の方にとって考えるきっかけになればと思いますし、クラブなくして代表はないと思っています。トップカテゴリーだけでなくリーグや町クラブの指導者を含め、彼らに今の日本フットサルの置かれている世界との差やトップレベルを見てもらって、どんな選手が必要になるのか、どういう強度が必要なのか、どこか足りないかだとかを感じてほしいですし、逆に僕らもコミュニケーションを取ることで理解を深めることもあると思います。国内でできる時は、多くの指導者に来てもらえますと嬉しく思いますし、(日本フットサルが発展していくためにも)必要なことだと思っています。

──招集メンバーを見ると、ほとんどの選手がF1でのプレー経験がある中で、松本悠佑選手だけがF2を主戦場としています。彼の召集にはどんなメッセージがこめられているのでしょうか?

2つのメッセージがありまして、一つはF1にいて試合に出ていない選手とF2にいて毎試合出ている選手を我々がどう見ているか理解してほしいということです。その2人を比べて、どちらの成長曲線があるかというのは、大きなメッセージとして受け取ってほしいです。あとは、ポテンシャルですね。今後必要になるポジションのポテンシャルある選手を同時に探しているというのもあります。

スペインリーグでは、選手自身が試合に出られる環境に身を置くのは当たり前です。トップカテゴリーで1年間出られない選手と、2部リーグのクラブにレンタル移籍をして主力でプレーして、1年後に自クラブに戻る。それはサッカーの世界でも当たり前なので、そういったことをFリーグを含めて選手、指導者、クラブが様々な視点でどういう道が選手にとって一番か。トップレベルにたどり着くには、どの年代でどういうことが必要か。試合に出ることが必要なのか、置いておくことが必要なのか。例えば、若い選手をどんどん獲得してF1に供給していくようなF2のクラブがあっても面白いですし、いろいろな形があるはずです。クラブとしてもどういうふうに選手を伸ばしていくべきか考えるきっかけになればと思います。それと当然、彼の左利きであることやポテンシャルも含めて選考しています。

──この活動を通してフル代表に入ることが目的でありながらも、アジアカップを優勝したことで、監督の中でそのメンバーを入れ替えづらい気持ちはありませんか?

僕はいろいろな監督のうまくいったこと、うまくいかなかったこと、マンネリ化を含めて選手の時から見ています。代表チームでは「自分は安住の地にいる」という安心感を与えるつもりはありません。かと言って、見てもらえないというものはないので、公正な競争を続けながら、我々の目的であるW杯やW杯予選のタイミングでベストな選手を選考したいと思っています。今までの日本代表がやってきたような中核の選手を軸にするのではなく、その時、ベストに近いメンバーを選びたいです。

──フランス遠征後はどんな活動をしていくのでしょうか?

フランス遠征以外に3回の海外遠征があるので、そこもすべて同じメンバーではなく、その時ベストな選手や今まで連れていけなかった選手、いろいろな基準を軸に、いろいろな側面から試合を通して選手を見ながらベストなチームにしていきたいです。9月以降はW杯予選(AFCアジアカップ一次予選)が始まるので、最終的にはどんどんフィルタリングをすることになります。上半期の活動はさらなる強化を重ねて、ベストに向かっていろいろな選手を実際に連れていって、Fリーグではなく海外の相手に何ができるかを見たいです。様々な国際試合でいいパフォーマンスを発揮できるかできないか、何が課題なのか、我々にとって必要な選手は誰かを見ていきたいと思います。

──インドアゲームズを戦うための活動ではなく、フル代表を見据えた活動になっていく。

23歳以下の選手たちですけど、この中から1年間でゲームに入るに値するものをどれだけ見せてくれるか。ここで見たものがフランス遠征につながりますし、フランス遠征がその後のフル代表につながっていくと思ってもらえたらと思います。

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