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作成日時:2023.01.28
更新日時:2023.01.28

【試合後コメント/立川 vs 長野】北信越地域で唯一のF1のチームとして奇跡の残留を信じる米村尚也「愛情、応援に応えるため、必ず残留します」

PHOTO BY高橋学

1月27日(金)、Fリーグ2022-2023 ディビジョン1第21節、立川アスレティックFC vs ボアルース長野の試合が行われた。

第1ピリオド中盤、立川がお手本のような「L(エル)」の形から、右サイドに流れた酒井遼太郎がゴール前へラストパス。ファーで皆本晃が詰めて先制に成功した。逆転残留に向け勝点が欲しい長野は、第1ピリオド残り8分以上を残してパワープレーを開始する。ボール支配率を高めつつシュートを増やし、立川が押し気味だった流れは一旦沈静化。1-0のままハーフタイムを迎えた。

迎えた第2ピリオド、長野は残り16分となったところでパワープレーを再開。徐々に攻勢を強めると残り2分16秒、米村尚也のミドルシュートの跳ね返りを田口友也が左足ボレーで沈め、1対1の同点に追い付く。しかし終了間際の残り5秒、立川がパワープレーで長野ディフェンスを押し込み、マークのズレが生まれた一瞬の隙を突いて新井裕生が左足一閃。劇的な勝ち越し弾を決め勝負あり。勝点3を獲得し、プレーオフ出場に向け大きく前進した。一方の長野は勝点9で12位のまま。11位・バサジィ大分の結果を待ちつつ、最終節の対ペスカドーラ町田戦にすべてを懸けることとなった。

試合後、柄沢健監督と米村尚也が記者会見に出席した。

■この試合のハイライトはこちら(ABEMAビデオ)

負けはしたが選手一人ひとりが成長した姿を見せてくれた

柄沢健監督(ボアルース長野)

──試合を振り返って。

今日もありがとうございました。結果的に負けましたけども、前節の大阪戦で不甲斐ない試合をしてしまったなかで、選手一人ひとりが成長した姿を見せてくれたことが私にとっては非常に嬉しかったです。

明日のバサジィ大分さんの結果次第では私たちが入替戦という舞台に立たなければいけない状況ですが、それでも今日、彼らが一人の人間として、そして一人の選手としてこのプレッシャーのなかで戦い切ったということ。これは現場にいる私にしかわからないものだと思っているので、今回のこの成長を次に繋げたいと思います。

そのなかで改めて、なぜ負けてしまったのか。そこをもう一度一週間突き詰めて、最終節、ことぶきアリーナ千曲に来てくれるサポーターや多くの方々に対して良い試合をお見せできるよう、決して下を向かずにハードワークしていきたいと思います。

──1点ビハインドとなって、第1ピリオドの早い時間帯からパワープレーを行いました。改めてその狙いを教えてください。

前節の大阪戦を終えてから、改めて「どうやって点を取るか」という点に関して非常に悩み、コーチ陣とも議論しました。あらゆる手を講じてもなかなか上手くいかなかったので。とにかく我々は勝つしかない状況なので、多少リスクを冒してでもやはりパワープレーで点を取りにいくしかないと。パワープレーでパスを回して仕留めるということに関しては自信を持っていますので、それを軸にしようと。ただそれだけです。

目の前の相手に1対1でしっかり勝つというところから試合に入って、1点でも取られたらもうパワープレーに行くぞと。それでやり切るんだと。難しいことは抜きに、シンプルにシュートを打つ形を1本でも多く作るためにその選択をしました。

終盤、1-1の同点に追い付いてからは同じパワープレーでもパスを回す時間帯だったと思いますが、最後の最後で勝ち越されてしまったのは、もしかしたら「あともうひとつ頑張れよ」って言われているのかなとも思います。立川さん相手にあそこまで行けたことを成長と捉えていきたいです。

──パワープレー以外にはロングボールを相手ゴール前に入れていくシーン、素早いトランジションでカウンターを狙うシーンも多く見られました。あれも狙ったかたちだったのでしょうか。

何回も大阪戦の話になってしまって申し訳ないのですが、前節はやはり我々らしくない試合をしてしまったなかで、もう一度全員で、集団で群れになって泥臭くプレーしようと立ち返った結果表れたプレーだったように思います。かと言って雑になってはいけないですし、綺麗にやろうとし過ぎてもいけないというなかで、シンプルに味方のピヴォに入れる、もしくはサイドの裏のスペースに入れてそれを狙う。あるいはそこで失ったとしてももう一度奪い返しにいく。

そこがやはり私たちの本質というか、そのスタイルがパワープレーやベンチワークも含めて熱に変わってくるのではないかなと思っています。見方によっては雑かもしれないし、情けないかもしれないけど、原点に立ち返って、今できることをやっていきたいと思います。

──ボアルース長野は北信越地域で唯一のF1のチームです。何とかトップカテゴリーに残って欲しいと願う地元ファンの方も多いと思いますが、そういう方々への思いを聞かせてください。

そう思ってくださる人たちの気持ちを熱にして、必ず残留したいと思います。私たちは長野で仕事も一生懸命にやって、地元に貢献して、地域の人たちに応援してもらっている。ボアルース長野というクラブは、そこだけは他のクラブに負けていないと思っていますし、ここにいるキャプテンの米村も当たり前のようにスポンサー企業で働いて、地域の人たちにお世話になっています。

その背景があるからこそ、私たちはどんなことがあっても下を向かないし、絶対に前を向いて戦っていきます。仮に入替戦に行ったとしても、必ず勝ち切って、来年もこの選手たちとF1の舞台で戦いたいと思います。

フットサルで長野を盛り上げるために足りないものは結果だけ

米村尚也(ボアルース長野)

──試合を振り返って。

今日もありがとうございました。本当にやるせない……気持ちです。この一週間、立川さんとの試合に照準を合わせて、ゲームプランも含めて全員で準備してきました。今シーズン幾度となくこのような展開になりながら勝ち切れていないなか、今日は勝点を取るのがマストだっただけに、アウェイの北海道戦(残り17秒で逆転負け)同様ラスト数秒で勝ち越しを許してしまい、非常に悔しく思います。

他のチームに比べて経験の浅い選手や若い選手も多いなかで、やはり自分のような年齢・立場の選手がそこを引っ張り上げるためにももっとピッチの中で率先して表現していかないといけないと。僕ら世代の選手がやっていかないといけない部分だと常々感じています。

最終節に向けて積み上げられる時間は限られていますが、ポジティブなことを挙げるならば、最後にホームの観客の皆さんの前で戦えるということ。そこ関しては自分たちにアドバンテージがあると思うので、大分さんの結果次第の部分もありますが、とにかく前を向いて最後までやっていきたいと思います。

──ボアルース長野は北信越地域で唯一のF1のチームです。何とかトップカテゴリーに残って欲しいと願う地元ファンの方も多いと思いますが、そういう方々への思いを聞かせてください。

色んなチームを渡り歩いてきた身として、ボアルース長野というチームはクラブを取り巻く環境を考えても、非常にポテンシャルのあるクラブだと感じています。自分がF2時代のボルクバレット北九州に在籍していたとき、アウェイ・長野で試合をした際の観客の皆様の雰囲気やアウェイチームに対するもてなしに感銘を受けましたし、昨シーズン開幕前にこのクラブにお世話になると決めた一番の理由もそこでした。

長野に本拠地を置いている他の競技のチームと比べても、メディアへの露出も含め非常に恵まれていると思います。街を歩いていて声を掛けていただくこともありますし、それだけ長野県内におけるボアルース長野というクラブの認知度は高いものだと感じています。

ただ、自分たちがここからさらに長野県で認知してもらう、もっとフットサルで地元を盛り上げていくということを考えると、足りないのはもう結果。自分たちがもっと試合で勝てれば会場に足を運んでくださるファン・サポーターの方も増えるでしょうし、より長野の人たちに愛されるクラブになれるのかなと思います。決して勝利だけがすべてではないですが、やはり勝敗がつくものである以上、来シーズンどの舞台で戦うのかということはクラブの今後を非常に大きく左右するはずです。

長野県内の各スポーツチームを見ても、現在国内のトップカテゴリーに所属しているのはバスケットボールの信州ブレイブウォーリアーズと自分たちだけです。長野県のスポーツを盛り上げていくためには、自分たちが残留して、来季もF1で戦っている姿を長野の皆さんに見ていただくのが必須だと思います。

自分もまだ長野に来て2年目ですが、長野の皆さんのボアルースに対する愛情、応援には本当に胸を打たれるものがありますし、それに応えるためにも、僕らは必ずF1に残留します。そのために、残りの試合も全力で戦っていきたいと思います。

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