17日、日本女子フットサルリーグ2023-2024（女子Ｆリーグ）が開幕し、さいたまサイコロvsアルコ神戸の一戦が行われ、5-0でさいたまが敗れた。

試合を終え、小倉一幸監督とキャプテンの中太美樹選手が記者会見に出席した。

女子Ｆリーグ2023-2024シーズン日程

最初の段階でプランが崩れた

さいたまサイコロ｜小倉一幸監督

──試合を振り返って。

シーズンインしてから約3か月ほど準備をしてきました。リリースは出ていないんですが、怪我をして今日のベンチに入れない選手もいて直前にいろいろあったなかで、今、自分たちができる戦いを120%で選手たちはやってくれました。

ただ、40分間のプランやストーリーを描いていたなかで、最初の段階で考えていたことと全く違ったことが起こって、崩れてしまいました。1失点だったらまだ良かったんですが、連続失点してしまったことが、かなり影響してしまったと思います。失点は起こり得ることなのですが、1点だけに抑えていればもうちょっと違った戦いができたんじゃないかなと。また来週試合がありますので、次に向けていいゲームができるようにしっかりとチームとして反省していきたいです。

──ハーフタイムの修正は、どのような話を伝えたのでしょうか。

まずはメンタル的な部分ですね。うまくいかなかったことや失敗してしまったことを引きずってもしょうがないので、次になにができるかを考えようと。それと、アルコさんの攻撃に対してサイドで1対1の局面で、ボールにアタックできる選手がもっと積極的にプレーできるように、カバーリングのタイミングや距離感を少し修正しました。

──特に13番の小田友香選手は、新加入で女子Ｆリーグ初出場だったにも関わらず躍動して果敢にゴールに挑むシーンが多く見られました。彼女に今後期待したいことは？

地域リーグでプレーしている選手は、彼女のことを昔から知ってる人も多いのですが、ようやくサイコロの選手としてトップリーグに挑戦してきてくれました。クラブとしても期待している選手の一人なので、今日メディアの方から注目していただけたことは、非常にうれしいです。

すごく頭が良く、現状チームにそういう頭脳派な選手があまりいないので、彼女のような選手を育てるためにも、見本となるようなプレーに期待しています。課題としては、体が小さいことはもちろん理解していますが、もう少しＦリーグの強度に合わせて高めてもらえたらなと思います。その点は今日、アルコさんと対戦して本人も感じられたはずなので、個人としても意識して取り組んでほしいです。

──今日の試合を見ているとGKからのロングスローなどが多く、定位置攻撃の場面が少なかった印象を受けました。最初からプランとしてあったものなのか、試合のなかでつなぐことが怖くなって、投げる機会が多くなったのか。

相手の強みと自分たちの弱さを見た時に、まずはアルコさんの強さを消すために、なるべく相手陣内にボールを運ぶことを優先していました。シンプルにどう運ぶかを考えた時に、GKの菊池香那は前に投げられるし、蹴ることもできるので、その強みを生かすことが一番シンプルなんじゃないかと考えていました。相手のラインを下げて、自分たちが慣れてきたら足元につけて攻撃を始めようとしていましたが、失点が重なり、実現が難しくなってしまいました。定位置攻撃も時間をかけて練習していて、いい選手もいるので、そこはもう少しチャレンジしてほしかったかなと思っていますし、僕としても反省点の一つです。

──GKの菊池香那選手は東京都2部からトップリーグにチャレンジし、いいパフォーマンスを見せていました。今回の起用の意図を教えてください。

その前の質問と重なりますが、彼女の持ち味である、投げて蹴れることが一番のポイントです。選手が勇気を持ってチームに入ってきてくれた以上は、自分たちが勇気をもって彼女を起用しないことには始まりません。私がまず決断して、彼女はそれに応えようとしてくれた結果、今日のいいパフォーマンスにつながったのではないかと思います。

強度の部分で差を感じた

さいたまサイコロ｜中太美樹

──試合を振り返って。

まずはシーズンを無事に開幕することができ、尽力してくださったみなさまに感謝したいです。また、ファン・サポーターからの声出し応援も再開し、去年とは違った試合の雰囲気を味わうことができて、私自身初めてだったのでとてもうれしかったです。

ゲームの内容については監督の言葉にあったとおり、立ち上がりで少し失敗してしまいました。ハーフタイムは修正をして、まずまずの戦いができていたんじゃないかなと思います。新加入選手も多く、女子Ｆリーグの舞台が初めての選手に少し話を聞いたところ、「まだまだやれる」という前向きなコメントもあったので、来週に向けて改善をしながら、練習に取り組んでいきたいです。

──キャプテンとして責任感の強い中太選手に聞くのも恐縮なのですが、正直、神戸との差を感じるような試合になったのかなとも思いますがいかがでしょうか。

そうですね。自分たちもできる限りの準備をしてきたつもりでしたが、やっぱり一人ひとりの身体能力や体力といった基本的な部分で差を感じました。ボールを持ったプレーでの不安はないので、足りないのはとにかく強度の部分かなと。覚悟はしていましたが、改めて感じた点でした。