更新日時:2023.10.07
【日本代表】石田健太郎の出来が、木暮ジャパンの未来を左右する「チームの軸としてやっていく覚悟が必要」
PHOTO BY本田好伸
日本代表は9月28日、AFCアジアカップ予選に向けた活動をスタートした。10月1日まで高円宮記念JFA夢フィールドでトレーニングを行い、その後、大会が行われる台湾へと移動し、7日に初戦を迎える。
石田健太郎は、現代表チームの舵取り役だ。木暮ジャパンは、これまでピヴォを起点とする「3-1システム」を軸に戦ってきたが、2023年4月以降、徐々に戦術変更を推し進めてきた。「4-0システム」あるいは「クアトロ」と呼ばれる、FPの4人が連動するパスワークをベースに、強国相手に“守備の時間を減らすために長い時間ボールを持つ”というコンセプトを掲げ、その浸透に取り組んできた。
このプレーモデルにおいてはモビリティ、いわゆる機動力の高さと同時に、戦術理解度や瞬時の判断力、正確に体現できる技術を持つ石田がキーマンとなってくる。吉川智貴やオリベイラ・アルトゥールといった“絶対に欠かせない選手”と同様、石田も明確に“中核”の役割を求められる。
チームのレベルを高めながら、新しい世代へとバトンをつなげていく代表チームにおいて、石田の出来は、言い過ぎではなく、日本の未来を左右する。初日の練習後、石田に今の心境をたずねた。
自分の良さを出しつつ、引っ張る存在になっていく
──前回、2022年のアジアカップからも立場が変わってきたと思います。最近の起用を見ていても、一段と背負っている重みが増しているようにも感じます。大会に向かう気持ちはどうでしょうか。
昨年のアジアカップとは意味合いも違ってきますし、負けたらワールドカップに出られないという、本当に大事な試合になります。自分の立場の前にまず、チームが勝つことが一番ですし、絶対に勝たなきゃいけない。ただ、今回は練習期間も長いので、チーム力という部分では、緊張感がありながらも雰囲気良くやっていけたらと思っています。
──石田選手は今、木暮ジャパンの戦い方において完全に軸となる選手ですね。
監督とは多くのコミュニケーションを取っています。木暮監督の前の、ブルーノ・ガルシア監督にも呼ばれていましたが定着はできず、その後、昨年のアジアカップも戦いましたが、どこかまだ若手の気分が残っていました。次は26歳ですし、全然若くない。このチームでも中堅またそれ以上になってくると思うので、気持ちの面も大事だな、と。プレーでは自分の良さを出しつつ、そうした責任感だったり、引っ張る存在になっていったり。最近の代表の活動を踏まえても、そこの部分を今回は今まで以上に意識していきたいと思っています。
──木暮監督から明確にそういう話をされることも?
話自体はプレーのことのほうが多いですね。ただ、(吉川)智貴さんや(オリベイラ・)アルトゥールといったベテランもいますけど、僕ら(清水)和也や(内田)隼太の世代がもっと引っ張らなきゃいけないというのはあります。
──具体的に行動を変えたことなどもあるんですか?
一番はピッチですけど、結果を出すことはもちろんやらなきゃいけないな、と。それと、ピッチ外でコミュニケーションを取ること。若い選手がいるなか、強度を出すためにもまずは僕たちがやっていくべきだと思っています。
自分のプレーによってチームを生かしていける
──最近の代表は4-0システムを軸にしています。ピヴォを起点とする3-1から明確に変化しました。
もちろん、4枚だけではなく、和也やマサ(平田ネトアントニオマサノリ)はいいピヴォなので、前にボールが入った時の強さがあります。ただし、ボールを長く持つ時間を増やす狙いもあるので、速い選手を生かしながら。そこでは、僕や智貴さん、アルトゥールがいいパスを出して、より速い選手を生かしていけるだろう、と。それに、ブラジルや強豪国を相手にピヴォ当てができなくなった時も、ピヴォの選手が降りて4枚でボールを回せることによって、これからもっと良くなると思います。
──ブラジル遠征でも、そのコンセプトを体現していましたね。
そうですね。ボールを持つ時間も長くできたので、次の課題は、そこからどうやってゴールを奪っていくか。それは今回の準備期間でやっていけたらと思います。4枚でボールを回しながら持つ時間を増やすには、やはり自分のプレーによってチームを生かしていけると思っています。なので、そこは特に意識してやっています。
──ブラジル遠征でも石田選手が鍵を握っているようでしたし、求められるものがさらに高くなったな、と。
選手としては、求められているものが高いほうが絶対にいいと思います。本当にチームの軸としてやっていく覚悟が必要だと思いますし、4枚でやっている時も3-1でやっている時も、常にまずは前を見ながらプレーしたい。最近、浦安でも4枚から3-1になる部分が多かった。そういった部分では4-0と3-1の両方に適応できている実感があります。今、こうして日本代表でやっていることも、やはりFリーグを含めた日々の積み重ねがあるからこそだなと思います。
──たしかに、今の浦安はピヴォを明確に使うシーンが増えましたね。
以前は4枚が軸だったので。(星)翔太さんが抜けたあたりからは、ずっと4枚でやる時期もありました。そのなかで、ガリンシャが来て、タケ(本石猛裕)が来て、柴山(圭吾)もいて、本当にそういうピヴォの選手がもたらしてくれたものが、僕のなかでもすごく大きい。自分自身も、幅を広げていけているのかなとは思っています。
──ちなみに、今回の合宿は誰と同部屋ですか?
今は一人部屋です。台湾に行ってからはまだわからないです。ただ、ブラジルの時は智貴さんと一緒だったので、ずっとコミュニケーションを取りながら。試合も一緒に出る回数が多かったですね。
──これまでの代表もそうでしたが、“部屋割り”は監督の明確なメッセージがあるようにも思います。
そうなんですかね。ただ、ブラジル戦後もずっとしゃべっていましたし、本当にいろんな話を聞けました。
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