更新日時:2018.12.19
【フットサル選手のSNS事情】脱初心者・皆本晃の場合は?「やりたくないけど、そんなこと言っている時代じゃないからやりますよ!」
PHOTO BY本田好伸
「本田圭佑です。ツイッター始めます。正直SNSは苦手なんですが、自分の今後の人生で色々と思うところもあって。ここでは自分なりの価値観や哲学などを日本語でも共有していきたいと思ってます。宜しくです」
2017年5月25日から本田圭佑はTwitterを開始した。今はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)全盛期。Facebook、Twitter、Instagramに代表されるSNSはスポーツ界でも重要な双方向コミュニケーションツールとして認識・活用されている。クラブだけでなく、選手自身がそれを使ってファンを獲得して距離を縮めると同時に、自分の言葉で各々の思考を発信することで、選手の価値を高めているのだ。
SNSを使うか使わないかはこの先、選手生命に関わってくるかもしれない。それが、フットサルなどメジャーではないスポーツであればなおさらだろう。だからこそ今一度、その重要性を考える必要がある。
そこで、フットサル選手は何を考え、どのようにSNSを活用しているかを紐解くことで、多くのスポーツ選手に通じる「SNS力」のノウハウを探っていく。今回は「SNSが大嫌い」を自負する皆本晃の事例を紹介しよう。
【ステップ1:きっかけはニシノコンサル】
今日から毎日つぶやきます!
よろしくお願いします!— 皆本 晃 (@minamoto_akira) 2018年10月4日
──皆本晃選手は、11月にAbemaTVの西野亮廣さんの番組「株式会社ニシノコンサル」に出演した際に「毎日つぶやきます」と宣言してから(番組の収録時にツイート)、TwitterとInstagramを毎日更新するようになりました。改めて、フットサル選手もSNSを活用していく重要性を感じているのではないでしょうか。
大事です。でも正直、僕はSNSが好きではないですし、得意でもない。キャラでもないし。それでも、スポーツ選手とSNSは切っても切り離せないものになっていて、嫌な時代になってしまったなと思っています(苦笑)。面倒くさいですから。でも、やりたくないと言っている場合ではなくて、スポーツ選手の大前提として、やるのが当たり前の時代になったと思うので、受け入れてやるべきなんだなと。
──好きじゃないんですね。
大嫌いです。でも、仮に有名選手であれば、そのままメディアにもなります。よくある話ですけど、メディアに(自分の意図からは)曲がって書かれるくらいであれば、自分で発信した方が影響力があるでしょと。もちろん、人気のないスポーツを知ってもらうためにも必要なことです。とは言え、これはわかっていたこととはいえやりたくはないですよね……。自分がスポーツ選手でなければ絶対にやっていないです。だけど番組に出演して、踏み出さないといけないなと思いました。やると宣言してしまったのでやることにしました。
──ひと昔前のアスリートであれば、やらないことが当たり前の時代でしたよね。
例えばカズさん(三浦知良)やイチロー選手であれば、みんなが憧れる選手ですし、やる必要もないと思います。「俺はピッチで見せるんだ」という方がカッコイイとされていました。今でもそういう選手はカッコイイですけど、でも仮に自分がクラブの経営者であれば今はSNS能力も査定に入れると思います。選手としてはそれほどうまくはなかったとしても、SNSを上手に活用している選手とそうではない選手がいたら、そっちを残留させる。この先の10年でどんな時代になるかはわからないですが、そういう選手の方が今は給料を払う価値があるじゃないですか。個人的にはその考え方は大嫌いですけど、でも時代が許してくれません。
【ステップ2:とにかく毎日やること】
──やりたくないけどやらないといけないと感じている選手は多いと思いますが、実際に何からしていくべきなのでしょうか?
西野さんは「俺も正直、書くことないもん」って言っていたんです。それがすごく腑に落ちました。そうだよねって。西野さんもSNSが大好きでやっているわけではないんですよねって。西野さんも書くことがないけど、書き続けている。でもそうすると「それっぽいこと」が出てくるんだと。毎日書くということだけ決めて、何を書くのかも決めないまま書き始めてしまうんです。そうするとアンテナが立ち始めます。
──アンテナ?
生活していても何かに気がつくようになるんです。あれを書こうとか。「書けるときにやろう」では書くことがないから絶対に続けないから、とにかく毎日やることが大事だなと。僕は番組で約束した「毎日更新」を自分自身でも約束しました。これだけは守ろうと。最悪「あ」だけでもいいし「今日は書くことはないわ」でもいい。発信していくことで、何かしら動きがありますからね。
──毎日更新するって、それだけも初心者を抜け出していると思います。
いやいや、まだ1カ月程度ですよ。でも確かに、それがアスリートと一般の人との違いではあります。アスリートが優れているのは、地味なことでもコツコツと続けられること。社会人としてのスキルはなくても、努力の仕方を知っているということだけは上回っていると思っています。
──更新する際に意識していることはありますか?
とにかく写真を撮るようになりましたね。これはインスタ用ですけど。でも始めるのはまずTwitterがいいと思います。写真でも文章でもいいので。インスタは(写真がマストなので)毎日やるのはかなりキツイです。でも、試合の写真を貯めておいて、書くことがなければ試合の告知にしています。
本日はタスマニアデビル出没せず
— 皆本 晃 (@minamoto_akira) 2018年11月10日
──Twitterで意識していることは?
頭の中で起きていること、考えたことを発信してしまおうと。この前「タスマニアデビル出没せず」とつぶやいたんです。誰も引っかからないなと思いながら何件かの「いいね」がつきました。でも俺のフォロワーは知らないんだなって思いました。我が家では毎日「おかあさんといっしょ」を見ているのですが、そこでタスマニアデビルの歌があって、頭から離れない。毎朝、起きると流れてくるんですよ。で、その日は土曜日だったから出なかったと(笑)。番組を見ている人は気づくかと思って。でもそういう感じでも、アンテナが立っているから、書いてよかったとは思わないけどこれでも全然いいんだと思っています。
【ステップ3:フォロワー5000人を目指す】
──この先はSNSを使ってどうなりたいですか?
最終的には、俺が何かをやるってなったときに反応してくれる人数と状況を作ることですね。フォロワー数と社会的な評価って、一緒じゃないですか。ピッチではうまくなかったとしても、SNSを頑張っていると外の人にとっては認知度があると思います。もちろん、フットサル界の人はプレーも知っていると思いますが、大多数は試合を見ていないわけですから、外の世界ではSNSを活用している人の評価が高いわけです。
──社会的には、選手を並べたときにフォロワー数で見られる。
そうです。
──選手としても、影響力は重要ですよね。
そうなんです。だから、リツイートを増やすとかも大事だと思います。例えばですけど、Jリーグの選手よりも多くのフォロワーを獲得して「入れてください」って売り込めるかもしれない。仮にフォロワーが1万人になったとして、サッカークラブが自分を獲得したら、その瞬間、それまでそのクラブを知らなかったフットサル界の人が1万人も知ることになりますから。(今はTwitterのフォロワーが3000人なので)引退するまでにせめて5000人くらいまでは伸ばしたいですね。
──皆本選手のサッカー挑戦も興味深いですね。
いや、自分の体が動くかどうか……。その前に2020年のフットサルワールドカップにも出ないといけないですし、選手としてはそこを目指してやっていくことがまずは大事ですけどね。
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皆本選手の話からわかるアスリートのSNS力のキモは「きっかけを作ること」「毎日更新すること」「影響力を意識すること」だった。キンコン西野さんの“コンサル”をきっかけに、確実にSNS力を伸ばしている。
「選手にとってSNSは大事」とは、わかっていてもなかなか一歩目を踏み出せないことかもしれないが、ある意味で「SNS嫌いの皆本でもできているんだから」と、SNSを毎日やっていくきっかけにしてもらえたら、新しい自分を創造していけるかもしれない。
それにしても「アスリートは努力の仕方を知っている」ってものすごい価値だ……。
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