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作成日時:2019.02.14
更新日時:2019.02.14

Fリーグ選抜の主将・三笠貴史が振り返った特別な1年間。「ここで結果が出せなかったら辞めた方がいいと思っていた」

PHOTO BY軍記ひろし

本当に、いろいろなことがあったシーズンだっただろう──。

“寄せ集めのチーム”だった彼らは開幕戦ではシュライカー大阪に2-6で大敗するとそこから3連敗を喫した。しかし、第4節でアグレミーナ浜松に5-0で快勝すると第6節のペスカドーラ町田に3-0で完封勝利。大金星を挙げてみせた。

そして第8節で名古屋オーシャンズの連勝を止め、第13節ではロベルト・カルロスと共演。チームとして調子の上がらない時期もあったが立川・府中アスレティックFCやエスポラーダ北海道に逆転勝利を収める強さも見せつけた。

最終節では町田に4-0で完勝し、出来過ぎといってもいいほどの有終の美を飾った。そんなチームのキャプテン・三笠貴史に、町田戦の直後にどんな心境なのかを聞いた。

「環境」じゃなくて「立場」が人を成長させる

──今シーズンを振り返っていかがですか。

全部振り返ると長いし、まとめるとなんとも言いようがない感じになりますけど、一番は寄せ集めのメンバーで集まったにもかかわらず1年間一緒に過ごすことによって日本のトップリーグの舞台でも十分戦える集団の1人になれたということが自分の中の誇りというか、この人生ですごく糧になる経験だったなと思います。

──こういう終わり方になると想像していたか。

してないですね(笑)。日程が発表されて最初と最後の試合を見て「大阪と町田か……」と。「これは最初、大阪にボコボコにされて最後にプレーオフの懸かった町田にボコボコにされるのかな」と思っていましたけど。

──一番、なにを残せたでしょうか。

フットサル界全体に対して若い選手たちは「経験がないから」と切り捨てられるところがあって、それに対して若手は「経験は技術で越えられる」ということを定義づけられたんじゃないかと思います。それは恵まれた環境があってこそでしたけど。これを言ったら偉そうですけど、自分と同世代の選手が「経験」という言葉に対してどういうマインドで取り組むかによって多分、日本代表のレベルも変わるしフットサルのレベルもすごく大きく変わるんじゃないかなと思いますね。

最初は「環境」が成長のために大事だと思っていましたけど、途中から「環境」じゃなくて「立場」が人を成長させるんじゃないかなという思いに変わったので。僕はFリーグ選抜のキャプテンという立ち位置でしたけど、これが1つのクラブで「自分が点を取らないとチームが勝てない」という選手と「若手」という立場だと同じ1カ月でも伸びるスピードが全然違うなと思い始めて、やはりクラブって大きなものだなと徐々に思い始めました。僕もクラブに戻った時に“若手”ではなくて“チームを背負う存在”というチームを勝たせる選手にならないといけないです。

──最後の試合が始まる前のロッカールームの様子は。

若干静かでしたけど、特に。ロッカールームを出る時まではいつも通りで、最後、監督が喋って「行くぞ!」という時にはみんな気持ちも昂っていましたし、昨日が引き分けでちょっとどんよりだったのでそこに対して各々が思う部分があったのだと思います。

──試合にはどんな気持ちで臨みましたか?

最後なんですけど、目の前の試合に勝つという気持ちで。こみ上げるものとか、過るものは出ないように優勝候補に勝つ気持ちで臨めたと思っています。

──優勝候補との試合の前日は残留が懸かったチームとの対戦で、めったにない機会でした。

確かにそうですね。相手はすごく気持ちが入っていて、それに対して少し受け身になってしまっていました。僕らも今まで主力ではなかったため“リーグがあと2試合で終わる”という経験をしていないのでそこでも難しいところがありました。気持ちの部分で「もう終わってしまうんだ」というネガティブな気持ちと「あと2つやってやるぞ」というポジティブな気持ちが各々混ざり合って力が入ったり試合にうまく入れなかったりした部分があったと思います。

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