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作成日時:2019.03.04
更新日時:2019.03.05

“家族”との別れを笑顔で迎えられるか。「フウガドールすみだのボラ」は、エンジのユニフォームで最後の戦いに挑む。

PHOTO BY軍記ひろし

1月28日、フウガドールすみだの公式サイトでボラの今シーズン限りでの退団がリリースされた。

Fリーグ初年度に名古屋オーシャンズでプレーして、湘南ベルマーレ、ペスカドーラ町田でプレーした後、3年前の2016シーズンにすみだに加入。多くのフットサルファンを魅了し、愛されてきた37歳のブラジル人は、このクラブでも年齢を感じさせないハイパフォーマンスを発揮してきた。

ボラは、すみだで過ごした日々に何を感じていたのだろうか。そして、エンジのユニフォームに袖を通して戦う最後の公式戦にどのような気持ちで臨んでいるのか。

チームに貢献して最後は優勝して終わりたい

「すみだはみんな家族みたいな感じ。仲が良くて、試合中でもみんな最後まで信じている。例えば(シュートを)外しても『ナイス、ナイス!』って言ってくれる。それはいいことだし心強いよ。それに、みんなふざけていることが多いね。練習でも試合でもすごく明るい。こんなチームはなかなかないよ(笑)」

外から見ても感じるほど、すみだは選手全員が明るく、仲が良い。それこそがクラブカラーでもある。陽気なブラジル人にとって、このクラブは何よりも居心地のいい場所だったのだろう。

もちろん、すみだは「ふざける」と「真剣に戦う」を両立させるクラブ。ボラの力は真剣勝負で際立った。いくつもの厳しい戦いを仲間と一緒に経験したなかで、ボラにとっての全日本選手権には特別な感情がある。

「2点差でベルマーレに負けていたけど最後の1秒にパワープレーで決めたのはすごかった。あれは思い出。本当は(コートに入っては)ダメだけど(笑)、スタッフも選手もみんなコートに入ってきてすごく喜んでいたね」

2018年の前回大会・準々決勝の湘南ベルマーレ戦は一番思い出に残っている試合だという。残り1分を切って2-4と2点を追い掛けていたが、残り32秒でボラが決めて1点差とすると、残り1秒でまたしてもボラが決めて4-4に。ボラの2ゴールによる劇的な同点劇で延長戦に持ち込んだのだ。結果的に延長戦で敗れたものの、フットサルの醍醐味が詰まった“32秒の同点劇”は数々のキャリアを重ねてきたボラの心を震わせた。

一方で、前身時代を含めて3回目、すみだがFリーグに上がってから初めて決勝に進んだ2017年大会は、苦い思い出となった。シュライカー大阪にボラのミスから失点。勢いを相手に渡してしまい逆転負けの引き金となってしまったのだ。いいときも悪いときもあった。ボラにとっての選手権は、彼の生き様そのものだ。

ボラは、すみだの選手としては最後となるその思い出深い大会にどんな気持ちで向かっていくのか。

「最後までみんなと頑張りたい。『勝ちたい』、『ゴールを決めたい』という気持ちはいつも変わらない。チームに貢献して優勝して終わりたいね」

選手権は今大会から負ければ即敗退のトーナメント方式になったが、すみだは無事に1回戦、2回戦を突破してベスト8に進出。8日から10日まで東京都・駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場で行われる“3連戦”に生き残ってきた。彼らがまだ地域時代の2009年大会で日本一となり、2013年大会で再び決勝で名古屋オーシャンズに挑んだ、クラブとしても名勝負を演じてきた大会。

ボラは最後に“家族”との別れを笑顔で迎えることができるのか──。

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