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作成日時:2019.03.09
更新日時:2019.03.10

【全日本選手権準決勝/立川・府中×仙台】準決勝敗退も、大舞台でワクワクを提供した“ダンスドリブラー”。「僕の原点にはブラジルのストリートがあります」(仙台 アランギタヒ)

PHOTO BY軍記ひろし

3月9日、JFA 第24回全日本フットサル選手権大会準決勝が駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場で行われ、ヴォスクオーレ仙台は立川・府中アスレティックFCに4-5で敗れベスト4で敗退となった。

仙台は開始2分で先制を許すと、9分にも失点して0-2と、前日の準々決勝に続いてビハインドを追う展開。しかし直後の10分、左サイドで縦の堀内迪弥にあずけたアランギタヒがそのまま中央へ走り込むと、堀内の反転シュートに反応して押し込んで追撃を開始した。13分、右サイドのキックインを受けた中央の荒牧太郎が低弾道のシュートを放つと、ゴール前で藤山翔太がコースを変えて同点に。さらに15分、高い位置で相手ボールを奪ったマルロンがそのままミドルシュートを突き刺して逆転に成功して試合を折り返した。

しかし22分、相手エースのジョーにハットトリックとなるゴールを奪われると、31分に勝ち越しを許し、さらに36分にもカウンターから決められ3-5に。後がなくなった仙台はマルロンをゴレイロと交代してパワープレーを始めたもののなかなかゴールに迫れない。それでも残り51秒でマルロンのシュートのこぼれを内野脩麻が押し込んで1点差に。最後の最後まで1点を狙った仙台だったが惜しくも届かず4-5でフィニッシュ。クラブとして初めての決勝進出には届かなかった。

目的を持ったドリブルだからゴールにつながる

アランギタヒ(ヴォスクオーレ仙台)

──すごくワクワクするプレーを見せてもらいました。準決勝の舞台はどうでしたか?

個人としての思いもありますが、チームが一つになってみんなが頑張ったことでここまで来れました。

──アランギタヒ選手は、リーグ戦以上にこの大舞台で楽しそうにプレーする姿が印象的でした。

それは僕の性格もあるかもしれませんね。ピッチ外でもピッチ内でも楽しくやりたいという。もちろん、負けて悔しい思いもありますが、いつもこういう感じで楽しくやっています。もちろんチームメートも自分をサポートしてくれます。スペースを作ってくれたりするので、こうやって楽しくプレーができていますね。

──多くの観客が見ている方がパフォーマンスが上がっているようにも感じます。

ブラジル人はそういうのが好きですからね。いろんな人が見てくれて、自分もワクワクして楽しくフットサルできます。チームとしては目標の決勝までいくことができませんでしたが、そう言ってもらえて嬉しいです。

──まるで踊るようなリズミカルな間合いの取り方やドリブルをしていて、そうしたプレーを見ていると、音楽やダンスがすごく好きそうに思うのですが。

そうですね、すごく好きで、僕の趣味はダンスなんです。なのでピッチのなかでもリズムを意識してやっています。音楽やダンスが、プレーの喜びの部分にも影響しているのかなと思います。

──0-2で1点を返した場面ですが、左サイドから堀内迪弥選手に当てて、そのまま中央まで走り込みました。堀内選手が反転すると信じて走れていましたし、連係面も向上しているのでは?

そうですね。練習からそういうプレーもできています。ミチヤに入ったときにはすぐにサポートにいきますし、絶対に来ると信じることでゴールにつながっています。あのシーンの自分の得点はフィフティーフィフティーです。半分は自分のゴールで、半分はミチヤのゴールだったと思っています。

──ドリブルやテクニックはどうやって身につけてきたんですか?

もっともっと成長しないといけないですが、これまでいろんなコーチの指示を受けて、できるだけそれを行動に移そうという気持ちでやってきました。ただ抜くだけのドリブルではなく、目的を持ったドリブルをする。ゴールを目指したドリブル、パスを狙ったドリブルなどですね。それがあるからゴールにつながると思います。

──いかにもブラジルのストリートサッカーをしていたような印象があります。何歳からボールを蹴っていたんですか?

だいたい5歳くらいから、サッカーとフットサルを両方していました。ストリートサッカーも毎日のように楽しんでやっていました。その後フットサルをしていても、ストリートでやっていた頃の気持ちで楽しくプレーしていました。あの頃が自分の原点ですね。フットサルはすぐに好きになりました。みんなクラブに入るのは9歳、10歳くらいなのですが、僕は5歳から「フットサルをやりたい!」、「サッカーをやりたい!」、「ボールを蹴りたい!」という気持ちで地元のクラブに入りました。そこから成長していって、9歳くらいからはリーグ戦などを戦っていました。

──プロになったのは18歳くらいですか?

17歳くらいですね。

──これまではずっとブラジルでプレーされていたんですよね。

そうですね。5年くらいやっていました。それで日本に来る機会があってきました。

──初めての海外移籍ですか?

そうですね。

──地球の裏側からやってくる不安はなかったんですか?

もちろん最初は不安もありました。ただ100パーセント、ここからフットサル選手としてやっていきたいという気持ちがあったので、このチャンスを逃さないように。苦しいときもありますが、もっと選手として成長したいという思いでやってきました。

──来日して半年が経ちますが、Fリーグや日本フットサルの印象はどうですか?

スペインやブラジルのリーグと同じように、すごく成長しているリーグだと思います。Fリーグの選手のレベルはすごく高いので、そのなかでプレーすることで自分も成長できていると思います。いい経験になっていますね。

──ただ、最近はアランギタヒ選手のような独特なリズムを持つドリブラーが少ない印象もあります。お金を払ってでも見たいとい感じるような選手だなと。

本当に嬉しいです。ありがとうございます。毎試合毎試合、みんなにいいパフォーマンスを見せたいですね。もちろん、チームプレーを忘れないようにしながら自分のよさを出していきたいです。

──ここまでコンディションを含めて何パーセントくらいのパフォーマンスを出せていましたか?

まだまだ成長しないといけないですが、今は70パーセントくらいですね。成長もできたと思います。ただ100まで少しずつ上げていきたいと思います。

──では、来シーズンはその「100」を見せてもらえそうですか?

まずは一度ブラジルに帰って、家族に会って少し休んでから、来シーズンまた100パーセントを出せるように準備していきたいと思います。まだ半年なので、文化などに慣れるまで少し時間が掛かると思いますが、もっと頑張っていきたいと思います。

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