SAL

フットサル全力応援メディア

MENU

アジア王者を目指すキミたちへ
SALペディア
2019.05.16

フウガドールすみだレディースが“最後の真剣勝負の場”を提供! 東京・埼玉の部活を引退する高校女子3年生のための大会を初開催!

PHOTO BYフウガドールすみだ

5月6日(月・祝)、すみだフットサルアリーナ。

墨田区をホームタウンとし、Fリーグに所属するフウガドールすみだのトップチームや下部組織、そしてレディースチームが日々のトレーニングを行っているこのピッチに、100名近くの女子高生たちが集まった。

見た目は普通の女子高生。それでも、ユニフォームに着替え、ウォーミングアップを行っていくと、徐々に目は真剣そのものに。最初は微笑ましくその様子を見学していたフウガドールすみだの選手たちも、第1試合がキックオフされると目を疑った。

そこには、目をギラギラさせてボールを追いかけ、同学年に負けたくないと果敢に体を張り、そして声が枯れそうになるほど選手を応援する姿があった。

高校最後の思い出に全力プレー

「え、すごい(雰囲気が)熱くない?すごい!」

こんなにもアグレッシブにプレーをする姿を、予想していなかったのだろう。目の前で、懸命にボールを追いかけている選手の大半が、高校生からボールを蹴り始めた初心者であることを知っていたからだ。

結果は後述することにして、まずは本大会の背景から触れていきたい。

きっかけは、フウガドールすみだレディースでプレーしている勝俣理穗選手が、普及活動の一貫として、高校女子フットサル部に声がけして、筑波大学附属高校女子フットサル部へクリニックを行ったのがきっかけだった。

クリニック後、顧問である速水高志先生から「今年で卒業する高校3年生のために、大会を開催してあげたい」とクラブスタッフに相談があった。理由を聞くと、今年度から全日本女子フットサル選手権都予選には、東京都フットサル連盟のリーグに参加しているチームしかエントリーできないことになったのだそうだ。

毎年5月頃に実施されるこの都予選を、3年生にとって最後の公式戦として練習に励んでいた筑波大学附属高校の生徒たち。なんとかできないかと、速水さんが交流のある各高校の先生へすぐさま連絡を取り、大会開催に向けて奔走。勝俣選手は協力できることがあればと、コートを確保し、すみだフットサルアリーナを是非利用してほしいと速水先生に伝えた。

こうして、主催である筑波大学附属高校の他に都立文京高校、都立久留米西高校、⽇本⼥⼦体育⼤学附属⼆階堂⾼校、錦城高校、そして埼玉から武南高校の6校により、「第1回⾼校⽣⼥⼦フットサルチャンピオンシップ」が実現したのだった。


[写真:筑波大学附属高校]

「はい、高校3年生なので、今日の大会で部活を卒業します。でもこの大会を実施してもらって、本当に楽しかった。高校生同士で試合するのは、本当に楽しい。人生の中でも、こういった機会って今日くらいしか無いと思うので」

速⽔⾼志先生が優しく見つめる中、同部キャプテンを務める生徒はとても目を輝かせていた。またこの大会で3年生が引退する高校は、筑波⼤学附属⾼等学校以外では、都立文京高校の女子サッカー部。


[写真:都立文京高校]

顧問を務める品川瑞奈先生は、「全日本フットサル選手権にエントリーできなかったのは残念でした。また、3年生もそろそろ模試なども始まるので、5月以降に何かの大会に出場することが難しかった。だから、ゴールデンウィークが終わるまでに練習試合相手をなんとか探して、それを引退試合にしようかと考えていました。速水先生からお話をいただけたのは、大変助かりました」と感謝を述べた。

また6月頃に開催される大会を3年生の引退大会として予定している高校の先生たちも、このような大会の重要性を口にした。「すごく良い機会だなと。募集要項が、3年生中心で、ガチンコでやりたいと(笑)。なかなか女子高生同士で真剣勝負できる機会が、実はあまりなくて。こういう全力が出せる大会は、有り難いなと思っています」(錦城高校 松橋遼先生)


[写真:都立錦城高校]

「普段、コートが1面しか使えず、雨が降ると全然トレーニングが出来ない環境です。なので、このような大会があると、他の高校と情報交換出来るし、選手にとっても切磋琢磨できます。嬉しい機会です」(都立久留米西高校 手嶋憲彦先生)


[写真:都立久留米西高校]

また生徒たちも同様に、このような大会を求めていたそうだ。

「今年頭の大会でとっても悔しい思いをしていたので、リベンジではないですけど、このような大会があるのは嬉しい。大会が少なくて、3年間、試合に飢えていました(笑)」(錦城高校キャプテン)

「高校生だけの大会、素直に楽しいです。社会人チームと試合をすると、どうしても練習や経験の差が出てしまって、楽しむというより、がむしゃらに“挑戦”する意図が近いです。高校生だけの大会があれば、対等な身体能力の中で、どうやってボールを動かしてゲームを組み立てれば良いのかという視点で試合が出来るので、本当に楽しいですね」(武南高校キャプテン)


[写真:武南高校]

そして、大会だけではなく、フットサルに関する知識を学ぶ機会を求めている高校もあった。

「今回ご協力いただいたフウガドールすみだレディースのような、競技系チームの監督や選手によるチームクリニックなどがあると、大変有り難い。知らなかったことも知れる。顧問にとっても勉強になる。」(武南高校 中村柾斗先生)

「どうしてもサッカーの知識を優先にして指導してしまい、フットサルの戦術に関しては試行錯誤しながら。色々とネットで調べても、うまく伝えることが難しい。」(⽇本⼥⼦体育⼤学附属⼆階堂⾼校 羽生田真一先生)


[写真:日本女子体育大学附属二階堂高校]

また、女子フットサル部が、競技系ではなく「愛好会」と思われてしまう現状もあると先生方から聞いた。冒頭で触れたように、今回参加した高校のうち、中学までサッカーやフットサルをしなかった、運動部に所属していなかったという生徒が実際には大半だった。

それでも、どれだけミスをしても仲間が励まし、ゴールを決めると仲間が自分のことのように喜ぶ姿は、競技系のフットサルチームで見かける光景と大差はなかったように思う。

「中学はクラブでサッカーやっていました。決して強くはないけど、部の雰囲気が良いなと思って。この部活に入りたいと思って、この高校の受験を決めました!」とコメントした都立文京高校キャプテンも、部活体験をした中学3年の夏、そのように感じたのかもしれない。上手い下手が、部活の全てではないと。

「日本一」や「アジア制覇」という高い目標を掲げるチームや選手たちへ、様々な面でのサポート、環境を整えることは、女子フットサル界の発展を上へ上へと伸ばすためには重要なことではある。

その一方で、「何個か悔しい大会もあったけど、楽しいメンバーだったので本当に楽しかった!高校3年間の“楽しさと悔しさの比率”ですか? 100:0、いや、120%楽しかったですよ!」(東久留米西高校キャプテン)

「中学までは吹奏楽部だった私の一番の思い出は、みんなで頑張って昨年に全国大会に出場したこと。とっても楽しかった思い出です。」(二階堂高校キャプテン)と満面の笑みを浮かべる生徒たちの、仲間たちと一緒にフットサルをやりたいという気持ち、高校3年間を楽しくボールを蹴りたい気持ちに応えてあげる環境の整備も、女子フットサル界では必要なことかもしれない。

終始、白熱したプレーの連続だった第1回目となる今大会は、埼玉の武南高校が優勝。MVPには武南高校の11番・奥村さん、MIPには錦城高校の4番・金さんが受賞した。


優勝チーム:武南高校


準優勝チーム:錦城高校


3位チーム:日本女子体育大学附属二階堂高校


左:MIPの金さん(錦城)/右:MVPの奥村さん(武南)

「この大会で次こそは優勝したい!と思えるような大会に、今後もしていきたい。高校生って、高3が一番楽しいし、一番楽しくないとつまらない。ゆくゆくは東京都で活動する約20の女子フットサル部だけではなく、周りの県の女子フットサル部とも連携したい。生徒たちが楽しいと思える、そういう大会になれば嬉しい」と速⽔先生が締めくくり、無事に大会が終了した。

取材・文:坂間太樹

▼ 関連記事 ▼

Bitnami