【アジア王者を目指すキミたちへ】“清水世代”のエースが贈るメッセージ。「悔いを残さないように1試合を全力で」(清水和也)
PHOTO BY川嶋正隆
今しかできない代表活動を全力で
──優勝を目指して臨んだ大会で挫折を味わいましたが、それでもあの大会で多くのものを得たのではないですか?
大会の後、キャプテンとして一人一人に話をしました。みんなもそうですが、期待に応えられなかった責任や悔しい気持ちは強かったです。「初代チャンピオンになりたい」とこの大会に掛けていた分、その気持ちは大きかったです。でも「(負けた)僕らにできることは、ここからA代表を目指して、その借りを返すしかない」と話しました。
この負けからリスタートして、上の代表に絡み、自チームで結果を残すためにまた頑張ろうと。そうやってやることが大切だと話しました。
──実際に今のFリーグではあの大会を戦ったメンバーがチームの主力になりつつありますね。
あの大会があったからこそ、何かが変わった選手は多いでしょうし、個人的にもベスト8で終わってしまった責任、悔しさは今でも残っています。だから、なおさらですが今大会のメンバーには頑張ってもらいたいなと思います。
──そうやって自チームで結果を残して、最終的にはあのU-20代表のメンバーがA代表でともに戦うようになっていきたいですね。
(伊藤)圭汰だけでなく、リストに入っているメンバーには晃都や(内田)隼太などもいます。ただ、もっと絡んできてほしいですね。もっともっと突き抜ける存在にならなければいけないなと思います。
彼らとプレーしたいですし、逆にやらなければいけないです。あの悔しい気持ちをどこで晴らすかといえばトップの舞台しかないです。世界各国を見ても、U-20からA代表に入っている選手はいます。欧州のチームも若い力が出てきているので、どこを目指すかといえばそこ(A代表)です。僕ももっと突き抜けられるようにやりたいと思っています。
──そうした仲間たちとずっと一緒に過ごしたU-20の活動は素晴らしい経験になったのではないですか?
何もわからない、相手がどんな選手がいるかわからない。そして僕らも経験がない分、最悪の状況を想定できない状態でした。みんなでそれを乗り越えるしかないよねっていうマインドであの大会に臨めたことは良かった。あの年代は今のフットサル界に取っても大事なポジションだと思います。そういった彼らと一緒に戦えたことは財産になっていますね。
──ところで、チームメートからみる“清水和也”はどうだったのでしょうか?
変に立てられるわけじゃなく、いじられるというか(笑)。自分の中でもみんな同世代ですし、(U-20の活動期間中は)A代表とは違った一面が出ていたと思います。ピッチ内に入れば上下関係なくやっていましたが、ピッチ外ではそういう感じでしたね。
──いじられてたんですね(笑)。ちなみに誰にいじられてましたか?
坂(桂輔)や新田(駿)、松原(友博)ですかね(笑)。新田と松原はバックアップに回ってしまいましたが、ずっと一緒にやってきました。あとは晃都もいじってきましたね。基本的にみんな物静かな選手が多かったですね隼太、仁井(貴仁)とか。そういう意味では、(自分が)一番つついても何もなさそうな人間だったからですかね(笑)。
──清水選手たちの世代のムードメーカーといえばやはり……。
坂でしたね。あいつは本当に色々ありました(笑)。もちろん代表なので、それらしく振舞わなければいけないのですが、彼は怒られることもしばしばありましたね(笑)。寝坊事件の時も「目覚ましが鳴らなかった」って言い訳していましたから。(ムードメーカーが)いるからこその良さもありますが、あいつにはもっと頑張ってもらいたいですね。
──今でもそういったメンバーとは仲が良いのですか?
あの大会のメンバーとは今でも繋がっています。入れなかったメンバーとも連絡は取り合っていますね。今でも家族みたいな存在です。あの大会から各自のチームに戻ってポジションを勝ち取って、フットサル界の底上げになれば良いなって思います。
──大会期間中は常に一生に仲間たちと行動をしていたわけですが、何かエピソードなんかもあるんじゃないですか?
夕食が終わった後に、選手だけで集まるミーティングの時間を作っていました。そこで色々な話をしましたね。大会に臨む直前にバックアップメンバーは外れる時にも話をしました。軽いパーティーのような感じで、「お疲れ様」や「頑張ってくるね」のような。すごく仲間意識は高く「こいつらのために頑張ろう」っていう思いが強かったですね。全員が集まって色々やっていました。
──ピッチ外でもそういった素晴らしい経験をされてきたんですね。今戦っている世代もピッチ内外で色々な経験をしてきてもらいたいですね。
僕は何度か合宿に足を運んで練習を見させてもらいました。選手たちとも話をしましたが、その中で僕ができることは僕らの世代と彼らとの比較です。僕らは個々のスキルに任せている部分がありました。でも彼らはよりみんなでプレーをしようとする意識が強いと思います。
合宿の頻度もそんなにない中で、完成度は高いです。(鈴木)隆二さんとも話しましたが第一回大会があったからこそ、第二回大会によりよい準備ができているようです。その中で僕らが成し遂げられなかったことを成し遂げてもらいたい気持ちもありますが、今しかできない代表活動なので悔いを残さないように1試合を全力で戦ってもらいたいなと思っています。
──合宿を訪れて選手たちとコミュニケーションは取りましたか?
隆二さんが時間を作ってくれて、一室に選手を集めて僕たちだけの時間を作ってもらったので、僕の経験などの話をさせてもらいました。めちゃくちゃ食いついてくれましたね。僕らができなかったことを彼らはできると思います。完成度は本当に高いのでね。
──清水選手たちの時よりも多くの合宿期間を設けていますからね。
それは(自分たちの世代にとって)言い訳にはなりません。限られた時間の中で結果を残すのが代表活動です。そこで結果を出せるか出せないか。その中で、彼らは優勝できる可能性を持っています。
──今の世代には、清水選手たちと一緒に戦った山田慈英選手もいます。
彼が引っ張るタイプじゃないことは、皆さんもわかっていると思います。そこで慈英らしく頑張ってもらいたいですね。彼だけでなく、一人一人が良い子で、チームのためにと思ってプレーできる選手が揃っています。その良さを失わずに、ピッチで全員で立ち向かってもらいたいと思います。
──ちなみに初戦は見ましたか?
見ましたよ。結果は気になりますから。やっぱり優勝してほしいですよ。目標は優勝で、ただ、悔いを残さないでやりきってもらいたいと強く思います。
Interview by Masataka KAWASHIMA
【Contents】
【U-20日本代表全力応援企画】アジア王者を目指すキミたちへ
MESSAGE 1 前回大会の主軸2人が託す想い。「楽しみながら、僕らの分まで」(伊藤圭汰&中村充)
MESSAGE 2 U-20からA代表へ駆け上がった先輩から。「思い切りやれば、間違いなく次につながる」(内田隼太)
MESSAGE 3 “清水世代”のエースが贈るメッセージ。「悔いを残さないように1試合を全力で」(清水和也)
MESSAGE 4 悔しさに涙した“イラク戦”のその先へ。「幸せを噛み締めながら、頂点を目指してほしい」(植松晃都)
MESSAGE 5 最後まで“一緒に”戦ったバックアップメンバー。「アジアを獲れるメンバーがそろっていると思います」(新田駿)
MESSAGE 6 大学フットサルとFリーグの“掛け持ち”を経て。「思い切り楽しんで、一瞬一瞬のプレーを大事に」(石田健太郎)
MESSAGE 7 準々決勝敗退の悔しさが、今の活力に。「悔いのないプレーをして日本にタイトルを持ち帰ってほしい」(鬼塚祥慶)
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