更新日時:2019.06.28
【コラム】昨日の友は今日の敵。堀内迪弥とマルロンが見せた熱き友情の戦い
PHOTO BY軍記ひろし
6月22日にFリーグ史上初めてのダービーマッチである“かまぼこダービー”が行われた。『鈴廣かまぼこ』がスポンサーにつく湘南ベルマーレと『阿部かま』がスポンサーにつくヴォスクオーレ仙台の一戦は、SNS上でも盛り上がりを見せ、試合も点の奪い合いになるなど、Fリーグを代表する新たなダービーの誕生となった。
白熱した一戦の中、個人的にはもう1つの見所は仙台の堀内迪弥と湘南のマルロンによるマッチアップ。元チームメートの対戦自体はどこにでもあることだが、この2人だからこその面白さがそこにはあった。
友情、努力、勝利
メラオ(=マルロンの愛称)、ミチヤと呼び合う仲の2人。マルロンが言葉も文化もわからない日本にやってきた3シーズン前から2人は家族のように生活を共にしてきた。
堀内は当時を振り返り「マルロンとは家が本当に隣で、いつも一緒にいましたよ」と語る。実際に練習後などは一緒に過ごす時間が多く、夕食を一緒に食べる機会が多かった。マルロンによれば「お互いの家を行き来して、どちらかがご飯を作るとかではなくて、ドミノピザを頼んでたくさん話をしていた」ようだ。
堀内もマルロンとの楽しい時間を振り返る。
「ワインを飲んで語り明かしたこともありましたね。メラオとは本当に仲が良くて、プライベートで一緒にいる時間も多く、フットサルの話をたくさんしました。お互いに言葉はちゃんと通じないかもしれませんが、カタコトの英語でコミュニケーションを取っていましたね」
それほど仲が良い2人だからこそ、プレー面でも阿吽の呼吸を見せる。「目で合図してコンタクトを取っていましたし、メラオがいることで気持ちよくプレーできていました。真面目で日本人のようなタイプですし、Fリーグにいる外国籍選手の中でもハイクオリティの選手です」と堀内が言えば、マルロンも「ボールが収まり、そこから反転シュートもできる。何よりも試合に向けた準備を怠らない素晴らしい選手。きっと代表にも定着できる。人としても彼のことは大好きなんだ」と堀内を称える。そんな2人の関係性は仙台の武器の1つだった。
しかし昨シーズン限りでマルロンが仙台を退団。堀内は「正直に寂しかったですね。直接メッセージしましたよ。メラオの家の近くにカルロス・バルボーザがあるんですが、『留学しにいくね』なんて言ってたくらいです」と、退団を惜しんだ。それだけに、マルロンが日本に戻ってくることがわかった時には「本当に嬉しかった」。
ただ、それは仲が良かった2人が今度は相手として戦うことを意味する。初対戦となったかまぼこダービー前に堀内は「多少の挨拶はしましたよ。でも今日はマッチアップするって思っていましたから。そんなにニコニコはできません」。マルロンも「試合前に裏で並んでいる時にちょっと話したくらいだよ」とどちらも本気モード。
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