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作成日時:2021.01.23
更新日時:2021.01.23

名古屋オーシャンズの優勝条件は? Fリーグのクライマックスを楽しみ尽くす4つの見どころ!

PHOTO BY高橋学

コロナ禍でスタートした14年目のFリーグは、いよいよ大詰めを迎えている。

今シーズンは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、リーグカップ戦の中止に始まり、開幕時期のスライド、陽性者が出たことによる活動休止や試合の延期など、様々な想定外の事態に直面。当初の3カ月遅れで開幕したリーグ戦は2回戦総当たりで行い、なおかつプレーオフを実施しないレギュレーションが採用された。

日本代表のアジア選手権およびW杯の延期、名古屋オーシャンズが出場するはずだったアジアクラブ選手権の中止など、国内リーグに限らず、世界中で同じように、スポーツ界全体が、不測の事態を嘆く状況が続いている。

もはや仕方ないことではある。しかし、世界中が陥る危機的状況下であっても、日本フットサル界は決して悲観してばかりではなく、前を向いて今できることを続けてきた。各チームの選手・スタッフは、想像もできないような苦難を乗り越えながらピッチに立ち、あるいは送り出し、ファン・サポーターは、開幕から2カ月してようやく有観客試合となった会場に訪れ、“声なき声援”を送り、リモートマッチ期間中も、エールを送り続けてきた。

我々は、フットサルを、Fリーグを楽しみながら今、2021年を迎えた。

いよいよ、Fリーグはクライマックスだ。

さあみなさん、最後までフットサルを楽しみましょう!

Fリーグ2020-2021 ディビジョン1|試合日程・結果|1月|ABEMA|放送予定

<目次>
・今シーズンの優勝争いは?
・名古屋が優勝を決める条件は?
・残りは全部が消化試合に?
・今週末の注目カードは?

優勝争いは名古屋の4連覇で99%当確!

1月20日終了時点で優勝の可能性を残しているのは、名古屋以下、町田、大分、立川・府中、湘南の5チーム。ただし、今シーズンは節ごとの開催ではないため、チームによって試合の消化数にバラツキがあり、常に暫定順位で推移してきた。現時点で、名古屋と湘南が残り6試合、大分と立川・府中が残り5試合、町田が4試合。この先、名古屋が5連敗でもしない限り彼らの優勝は揺るがない。

名古屋にとっては、開幕から一度も暫定首位を譲らずにリーグ制覇。しかし今シーズン、上位陣にチャンスがなかったわけではない。むしろ、大きな可能性を示すチームはたしかに存在していた。

好不調の波が少なく、何より、名古屋をしのぐ攻撃力で18試合・69得点をマークしている町田。開幕2連勝からの3連敗で失速しながらも、そこからクラブ記録の8連勝を含む10試合負けなしで浮上した大分。開幕4戦未勝利と出遅れながら、その後は9試合負けなしで復調した立川・府中。そして名古屋の連勝を止め、白星を挙げた湘南。

今シーズン、Fリーグ史上初となる全試合を完全生中継するABEMAでも、クライマックスに向けたプロモーションビデオにおいて、ここから「名古屋包囲網」と強調した。可能性は、十分にあったと言える。

迎え打った名古屋は、クラブ選手権出場を踏まえた過密日程や、試合間隔の空きによるコンディション調整の難しさ、星龍太や吉川智貴など負傷離脱する主軸選手、スパウットやペネジオといった外国人選手の合流の遅れなど、他チームが付け入る隙があったように感じながら、実際には磐石な試合運びが際立った。

昨シーズンのMVP・ぺピータを筆頭に、攻撃陣とつなぎ役、守備陣が統率され、隙を見せなかった。

名古屋の最短優勝は、4試合を残しての30日の町田戦!

以下の表は、上位5チームが、残り試合で獲得できる最大勝ち点数をまとめたものだ。これを紐解くと、すでに名古屋には「マジック2」が点灯中。24日の浦安戦、30日の町田戦で連勝した場合、2位以下のどのチームも勝ち点で届かなくなるため、名古屋の優勝が確定する。プレーオフがないため、4試合を残しての4連覇達成だ。

念のため補足すると、現状、最も名古屋に肉薄できる可能性があるのは大分だが、24日の町田戦を含め、すべて連勝しても、最大勝ち点は50まで。現在勝ち点45の名古屋が2勝した時点で1位になる可能性は消滅する。ただし、24日時点ではまだ、大分vs町田の結果がいずれかの勝利、ないしは引き分けた場合でも、優勝は確定しない。

加えて、大分vs町田で、大分が敗戦もしくは引き分け、なおかつ30日の横浜戦も敗戦もしくは引き分けた場合、その時間の後に行われる名古屋vs町田のキックオフを待たずに、第14代目の王者が決定することになる。

優勝が決まった後のシーズンも、フットサルを楽しめる!

通常のシーズンであれば、プレーオフ出場圏外・降格圏外のチームにとっては、この時期の試合は“消化試合”となる。もちろん、各々の目的を掲げ、来シーズンへ向けたチャレンジや、一つでも上の順位を目指すための戦いなど、手を抜ける試合は一つもないとはいえ、それこそ“決勝戦のような”熱戦はなかなか見られなくなる。

だが、今年はちょっと違う。言うなれば“目に見えないプレーオフ”が繰り広げられているのだ。

先に触れた2位から5位のチームは、どこが抜け出してもおかしくはない状況。これまでは、リーグ2位かリーグ3位になったとしても、プレーオフで勝ち上がらないといけなかったため、ストレートに「2位」をつかめるチャンスがあることは、上位陣の最大のモチベーションとなっている。

暫定2位の町田は、大激闘の境川決戦を5-4で制したかと思えば、中2日で迎えた大阪戦も壮絶な死闘を繰り広げ、最後は、残り11秒で獲得した第2PKをヴィニシウスがきっちり決めて、またも5-4で勝ち切ってみせた。

両試合はABEMAでも高視聴数を獲得し、コメント欄も選手に後押しする言葉が飛び交った。

伝統の境川決戦は超激闘!スーパーゴール&スーパープレーの応酬で息詰まる乱打線を制したのは…ホーム・ペスカドーラ!【ハイライト/町田vs湘南】

逆転…同点…再勝ち越し…バッチバチの大激闘!両者譲らない“パワープレー合戦”の末にヴィニシウスの第2PKで決着【ハイライト/町田vs大阪】

一方で、現時点で中位以下に甘んじるチームは、一つでも上の順位を目指す戦いとなる。そもそも彼らは、2巡で決着するリーグ戦である以上、序盤でつまづくとほぼチャンスを逸してしまう苦難に直面していた。

特に、昨シーズン3位のフウガドールすみだのように、「今年は優勝を目指す」と掲げながら、開幕から6試合未勝利と大ブレーキがかかってしまったチームは、目標の再設定を余儀なくされた。

「優勝するチームはこれくらいできないといけないと考えてしまった」(須賀雄大監督)と、プレーの基準を高めたことがプレッシャーとなり、逆に自分たちの強みや自由度を奪うという現象が起こっていたのだという。

大阪としても、クラスター発生の影響でチーム活動を停止せざるをえず、その間トレーニングもできず、活動再開した数日後に試合に臨むという状況下でコンディションを崩した。本来、前線からのプレスやアグレッシブなスタイルを理想としながらも、自陣に引いて守ってのカウンターに勝機を見出す戦いにシフトせざるをえなかった。

しかし、「コンディションがようやく戻ってきた」(永井義文監督)という年明けからは以前の躍動感あふれる大阪が戻り始め、加藤未渚実や加藤翼の“加藤コンビ”など、ピッチで存在感を放ち始めている。

もう一つ、今シーズンの注目は「残留争い」だ。

残り4試合の10位・北海道(勝ち点16)を含め、可能性で言えば、6位・浦安(勝ち点22)まで圏内ではあるが、この戦いは、ほぼ11位・横浜(勝ち点8)と12位・長野(勝ち点7)にしぼられてきている。両チームは今シーズンすでに2回対戦して1勝1敗。序盤戦で横浜が5-4で勝ち切ったが、12月の再戦では長野が5-3で勝利。長野としては、F1の2年目にして10月の北海道戦で初勝利を収めたが、この試合で2勝目をマークした。

横澤直樹監督が戦前、「横浜戦に負けたら、入れ替え戦に向けて準備していく」と明かしたほど、超重要な位置づけと捉えた試合に勝利したことで逆転の目が残り、そこから長野はパフォーマンスを高めていった。その際たる試合が、20日の名古屋戦。先制を許し、いつもなら崩れてしまいそうなところで丸山将輝の同点弾。荒牧太郎の勝ち越し弾。追いつかれたところで、今度は田口剛志の再勝ち越し弾。最終的には、王者のパワープレー2発によって逆転負けを喫したものの、残り5分の時点で名古屋を追い詰めていた戦いは、闘志あふれるものだった。

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たとえ、リーグ優勝が決まったとしても「名古屋を倒す!」「2位になる!」「一つでも順位を上げる!」「残留する!」「お客さんに勇気を与える!」などなど、選手のアツい想いは変わらない。

今シーズンは、例年とは一味違ったクライマックスを楽しめるはずだ。

今週末の注目カードは……ぜ、ぜんぶ!

◆2021年1月23日(土)
13:00/北九州
ボルクバレット北九州 vs シュライカー大阪
【視聴URL】
https://abema.tv/channels/world-sports-1/slots/EvFMVWG9pch5Eo

相手を丸裸に分析し、攻略する馬場源徳監督の戦術眼は、F1を大いに盛り上げた。では、復調した大阪が、永井義文監督の掲げる“攻守において長い時間、相手陣内でプレーする”という理想をどこまで体現できるか。F1昇格初年度とは思えない風格を見せる北九州と、新生・永井シュライカーによる、技と技術のバチバチの戦略戦だ!

17:00/立川
立川・府中アスレティックFC vs Y.S.C.C.横浜
【視聴URL】
https://abema.tv/channels/world-sports-1/slots/EvFMSnfu6TAxr3

立川・府中はリーグ2位、横浜は残留をつかむために、意地でも負けられない両者。この試合のキーワードは「カオス」だ。横浜の前田佳宏は常々「ピッチでカオスを起こす」と話してきた。フットサル経験が浅いながらも、フットボーラーとして潜在能力の高さを発揮する若手選手が、型にハマらない攻撃で相手をかき乱す戦いを信条とする。では、山田・マルコス・勇慈監督と、谷本俊介テクニカルディレクターがタッグを組んで対抗する立川・府中は、いかにカオスに対応するのか。今シーズン限りで現役引退を表明し、1月で活動を終えるという田中俊則の出場にも期待だ。

◆2021年1月24日(日)
12:00/ビーコン
バサジィ大分 vs ペスカドーラ町田
【視聴URL】
https://abema.tv/channels/world-sports-1/slots/EvFMSAgTB9H18j

先に伝えた通り、この上位対決の結果が優勝争いの行方を大きく左右することはない。ただしそれは、数字上の話だ。彼らにとっては、リーグ2位はもはや最重要目標。難敵にどう勝ち切るかを考えているはずだ。大分は、どこからでもゴールを奪える選手個々の能力が際立ち、町田は、室田祐希とヴィニシウスの2枚看板を軸に、脇を固めるニュージェネレーションズも成長著しい。特に、毛利元亮や中村充が、ここ最近の躍進そのままに勢いづけるか。現在、歴代最多タイの通算297点のヴィニシウスの新記録樹立にも期待がかかる。

14:00/オーシャン
名古屋オーシャンズ vs バルドラール浦安
【視聴URL】
https://abema.tv/channels/world-sports-1/slots/BL3ZmXLqTyDMvF

名古屋としては「いつも通り」がキーワード。前節の長野戦は相手に苦しめられながらも、1点ビハインド、同点の場面で見せた圧巻のパワープレーを披露した。他チームにとっては、名古屋を本当の意味で追い詰めるには、終盤に最低でも2点差以上つける必要があることを再確認したはずだ。この試合、浦安はどんな戦略を取るのか。前節、第1ピリオドからパワープレーを使った浦安は、その戦いに自信を深めている。石田健太郎、滝田学、長坂拓海のコンビネーションは現在リーグでも最高峰の質を見せているだけに、試合が簡単に決着してしまうことはないだろう。

18:00/北ガス
エスポラーダ北海道 vs ボアルース長野
【視聴URL】
https://abema.tv/channels/world-sports-1/slots/BL3ZmWmyM3djDZ

この試合は、今週末で最も白熱しそうな一戦だ。10位の北海道としては、残留争いから逃れるために絶対に勝利が必要。一方、最下位の長野は、とにかく一戦必勝が最大にして唯一のテーマだ。北海道は今シーズン、金井一哉監督の下で守備の整備を進めたが、その功罪か、得点力不足に喘いでいる。エース・水上玄太や、セットプレーからの得点など、得意の形はあるものの、相手がケアしてきた際の対抗策が確立していない。長野としては、前節のホーム最終戦で名古屋を相手に見せた全員守備、全員攻撃の気概で挑むことができれば、勝利は十分あると言える。

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