更新日時:2021.09.01
守備の明と攻撃の暗。本番ではスペインを怖がらせろ!【日本代表マッチレポート】
PHOTO BY高橋学
FIFAフットサルワールドカップ リトアニア2021を前に欧州遠征中の日本代表は、28日からベトナム、グアテマラ、スペインが出場する4カ国親善対抗大会に参加している。
28日のベトナム戦は日本が1-0で勝利。翌29日にはグアテマラ戦が控えていたが、グアテマラ代表選手に新型コロナウイルスの陽性者が出たために中止となっていた。
8月31日、日本は中2日でスペイン代表と対戦、世界トップレベルと堂々と渡り合ったが、前半のCKと後半の第2PKで失点を喫し0-2で敗れた。
積み上げを確信した守備面、伸びシロを信じたい攻撃面
日本がスペインと対戦するのは、2019年12月のスペイン遠征で0-3と1-9で敗れて以来、約1年9カ月ぶりではあるが、コロナ禍の影響で長らく日本の親善試合がなかったこと、1-9で敗れた2戦目の、とくに左利きのピヴォ・ソラーノのインパクトが強かったことから、記憶に新しい方も多いはずだ。(※当時の記事とハイライトはこちら)
あのボロ負けから約1年9カ月、日本はどれだけチーム力を積み上げることができたのか。この試合の注目点の1つだった。
まず日本代表は、当時とメンバーが大きく入れ替わっている。
当時いたのはピレス・イゴール、関口優志、皆本晃、西谷良介、加藤未渚実、室田祐希、八木聖人、森村孝志の8名で、いなかったのが矢澤大夢、アルトゥール、星龍太、吉川智貴、逸見勝利ラファエル、星翔太、清水和也、毛利元亮の8名である。
当時いなかったフィクソのアルトゥールと星龍太は、シンプルに駒としてチーム力を引き上げたと言っていい。初対戦となるソラーノに大きな仕事をさせなかったのは本番へ向けて自信になったことだろう。同じように当時不在でこの試合は長時間起用されたアルトゥール、吉川、逸見、星翔太のファーストセットも、スペインが抱く日本代表チームの印象を変えたかもしれない。
日本は、強度の高いプレスに加え、前半はイゴールの後半は関口の好セーブにより、結果的にセットプレーによる2失点にスペインを抑えた。当時と比べ、守備面は大きな積み上げが出来ていると言っていい。一方、0得点に終わった攻撃面については、この試合ベンチ外だった清水や、取っておきのセットプレーなどといった伸びシロがあることを信じたい。
もちろんW杯で日本が毎試合3、4点取れるようになるのは、もう何世代か先の話であり高望みは禁物だ。守備面のプレスが強みとなっている現代表としては、そこからのカウンターに活路を見出したいところではある。しかしながら、8月22日に行われたスペイン対アルゼンチンの親善試合を見ても、世界のトップは危ういボールの失い方をしないもので、きれいなカウンターは数回しかなく得点は0だった。
では最終スコア4-4の内訳はどうなっているのか。パワープレーが1点、プレス回避が2点で、それ以外の5点がセットプレーからで、CK2点、FK1点、第2PK2点だった。そしてファウル数は、スペインが前半4、後半5、アルゼンチンが前半7、後半6だった。
以上を踏まえて、プレスからのカウンターを狙いつつ、日本の得点力不足解消法として個人的に思うことは、やはり「セットプレー」もっといえば、「ファウルをもらえ」ということだ。
日本1-2アルゼンチンにおける日本の
ファウル数は前半4、後半1
被ファウル数は前半2、後半2
日本0-2スペインにおける日本の
ファウル数は前半4、後半6
被ファウル数は前半2、後半3
である。28日のベトナム戦の日本の決勝点は清水の第2PKだった。
サンプルが少ないのは承知しているが、あえて提言するとすれば、日本代表は攻撃面で相手が怖がるプレー、シンプルで直線的なプレーをもう少し増やす必要があるのではないだろうか。
■今後の日程・代表メンバーなどはこちら
【GO TO LITHUANIA 2020+1】フットサル日本代表「ブルーノ・ジャパン」の挑戦
■スペイン戦のハイライト映像 引用:Futsal Profissional
試合結果は以下のとおり
4カ国対抗親善大会
◆日時:
2020年8月31日(火)20:15キックオフ(現地時間)
◆会場:
OLIVO ARENA(スペイン)
◆結果:
フットサル日本代表 0(0-1)2 スペイン代表
【得点経過】
17分 0-1 チノ
38分 0-2 アドリ(第2PK)
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