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作成日時:2022.03.06
更新日時:2024.02.16

【入替戦後コメント/長野】「何をやっているんだ、馬鹿野郎!」から「本当によく頑張った」へ。地獄から天国へ舞い上がった、柄沢健監督の胸の内。

PHOTO BY高橋学

3月4日、5日の2日間、Fリーグ2021-2022 ディビジョン1・2 入替戦が行われ、F1で最下位(12位)のボアルース長野と、F2で優勝したしながわシティが対決。第1戦は長野が1-2で敗れ、第2戦もしながわに2点をリードされたものの、第2ピリオドにパワープレーから3得点。3-2で逆転勝利を飾った。両チームは1勝で勝利数が並び、かつ2戦合計スコア4-4で得失点も並んだため、レギュレーション通り、F1の長野が残留することになった。

横澤直樹前監督に代わり、10月から長野の指揮を執った柄沢健監督は、同じく、シーズン途中から就任した山蔦一弘コーチと共にチームを再建。最下位から脱せず入替戦に臨むことになったが、最後の最後で残留を果たした。

柄沢監督は、どんな思いでチームを率いてきたのか。試合後の記者会見で胸中を明かした。

入替戦第1戦レポート

入替戦第2戦レポート



「残留する力で、いろいろな方に力を与えることができればうれしい」

──試合を振り返って。

2日間お世話になりました。ありがとうございました。

初日は勝っていて負けて、今日は第1ピリオドで2点取られて「何をやっているんだ、馬鹿野郎!」と正直思いました。第2ピリオド、山蔦(一弘)コーチと「頭からパワープレーでいこう」と覚悟を決めていきました。トレーニングの中からそのことをずっとやってきて、選手が山蔦コーチの戦術を本当に信頼してくれて、最後の最後で今季引退する青山が決めてくれました。

さらに言うと、パワープレーを第2ピリオドの頭からやって、交互に選手を変えなければいけない状況で、その選手たちもパワープレーをする選手たちと同じように覚悟を持って前からプレスを掛けて交代して、パワープレーの選手たちに得点を託して、最後の最後にボアルースらしく、集団で群れになって泥臭く戦うことができました。なおかつ、2点差を逆転できたということは選手たちに「本当によく頑張った」と伝えたい気持ちでいっぱいです。

──第1戦で敗れ、ビハインドの状況で臨むにあたって、どんなゲームプランで戦いましたか?

開始から点を取りにいくということを明確にしていました。昨日の第2ピリオド、私たちの前からのプレスで望んでいたものと上手くいかなかったことがありまして、結果的に点を取らなければいけないということも含め「今日は前から行こう」と。あとは昨日失点したセットプレーのところは山蔦コーチを中心に修正しました。

──第1戦ではクワトロから裏を取られるシーンが多かったですが第2戦は修正できているように見えましたが。

1失点目がセットプレーで取られしまい、修正していながらも点を取られてしまい、2点目、3点目を決められていたのではないかと思いますが、第1ピリオドで2点取られて吹っ切れることができた。結果論ですけど「(第2ピリオド頭から)パワープレーでやるしかないな」となったことが逆によかったです。

──3点取らなければいけない状況は諦めてもおかしくなかったと思います。

振り返って、私が監督代行として指揮を取られてもらってから、1巡目の名古屋オーシャンズ戦と2巡目のシュライカー大阪戦は、勝っていながら逆転されていた。一番は最終節の名古屋戦ですね。同点になった直後に仕掛けられたパワープレーでやられてしまいましたが、今思うとあのときなんでやられてしまったかというのは、この日があるからだと思いました。だから僕らは何を修正しなければいけないのか。ラインの設定を明確にして、山蔦コーチがラインに立って、「ここを頂点にして守ろう」とやってきたことが生きたと思います。

──昨シーズン、一昨シーズンも最下位ながら残留することができ、今シーズンも最下位でしたが入替戦を制して残留できたことについては?

3シーズン連続レギュラーシーズン最下位で、2回は入替戦が流れてしいまいしたけど、だからこそ負けられなかった。本当は優勝チームや上位のチームが讃えられなければいけないですけど、それでも私たちボアルース長野は残留する力で、いろいろな方に力を与えることができればそれはすごくうれしいことですし、励みになります。

──試合後のフラッシュインタビューで「日本フットサルのスタイルを変えていきたい」と話した意図は?

私は50近い年代になりますが、何もない状態のところから、「フットサルで飯を食っていきたい」、「フットサルでなんとかしていきたい」という思いから、関東リーグをはじめ各地域リーグ、Fリーグができました。今はコロナという状況もありますけど、なんでこんな素晴らしいスポーツが日本で熱く根付いていかないのかなと思ったので。

横澤直樹前監督の頃はブラジルに行ったり、自分の生活をすべて懸けて、なんとかやっていきたいとやっている中で、今はなんでもありふれている。「身を粉にして、なんとか頑張ってでもフットサル界を変えよう」という思いがどこにあるのかなと。こんなに素晴らしいリーグを作ってくれた中で、みんなでフットサルを文化として、日本のスポーツの中に作っていければという思いで、生意気でしたが伝えさせていただきました。昨年、W杯もありましたけど、もっとハングリーであれば絶対にもっともっと上にいけるんじゃないかと思って、繰り返しになりますが生意気ながら、その思いで伝えさせていただきました。



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