更新日時:2018.08.08
【全日本U-18選手権】帝京長岡が2年ぶり2回目の大会制覇!「帝京長岡の選手はレベルが違った」(帝京長岡・佐藤亮コーチ)
PHOTO BY本田好伸
8月5日、高校生年代のフットサル日本一を決める大会「JFA 第5回全日本U-18フットサル選手権大会」の大会4日目が、宮城県のゼビオアリーナ、カメイアリーナ(仙台市体育館)の2会場で行われ、帝京長岡高等学校(北信越地域第1代表/新潟県)がフウガドールすみだファルコンズ(関東地域第1代表/東京都)を下して、2016年大会以来となる2回目の大会制覇を達成した。
決勝戦は帝京長岡が強さを発揮した。グループリーグの初戦に対戦していたことで、すみだファルコンズはここまで、帝京長岡と再戦することを想定して勝ち上がってきていた。日頃からフットサルに取り組んでいることで、相手の強さや弱点を踏まえた対策は十分、満を持して挑んだが、返り討ちに合う形になった。
3分、相手のパスを奪ったキャプテンの小泉善人がカウンターで持ち上がると、最後はエース・晴山岬がきっちり決めて先生。さらに10分、17分には梨本夢斗の連続ゴールが決まって、帝京長岡が3-0で試合を折り返した。
後半になってもペースは変わらず、31分に広瀬楓斗が第2PKを、35分に関健斗が決めて5-0として勝負の行方は決定的となった。諦めないすみだファルコンズは、パワープレーから何度かチャンスを作ったものの、反撃は甘利斗亜の1点止まり。今大会の6試合で39点を奪った帝京長岡が無類の強さで高校生年代の頂点に輝いた。
なお、決勝戦の前に行われた聖和学園サッカー部FC(開催地代表/宮城県)と岡山県作陽高等学校(中国地域代表/岡山県)による3位決定戦は、4-3で聖和学園が接戦をモノにした。この聖和学園がフェアプレーを獲得して、大会MVPには、帝京長岡の11番、6試合(1試合はベンチで出場なし)で12得点をマークした晴山が受賞した。
以下、帝京長岡を指揮した佐藤亮コーチのコメント。
スコアを動かせるのは、サッカーでもフットサルでも重要
佐藤亮コーチ(帝京長岡高等学校)
──優勝の率直な感想をお聞かせください。
嬉しいです。ですが、彼らにとっていい経験になったので、それが一番かなと思います。
──選手たちには、今大会に向けてどんなことを伝えたのでしょうか。
戦術的な部分は、大会をやりながら詰めていきました。細かいセットプレーやパワープレーに対しての守備は、事前の練習ではほとんどできなかったので、シンプルにピヴォを使うところは練習しました。もともと持っている感覚も大きかったのですが、攻撃のところのアプローチが多かったです。
──シュライカー大阪時代には、ユースチームを見ていたこともありましたが、フットサルをやっている同年代の選手と比べてもて、サッカーに取り組む選手はどのように感じましたか?
個人の1対1ではがす能力、対人のところは、決勝で対戦したフウガドールすみだファルコンズもそうですが、帝京長岡の選手たちはレベルが違ったのかなと思います。戦術的なところよりも、1対1ではがせる、数的優位のところの判断がどうかというのが彼らのメリットだと思うので。そこはすごく高かったです。
──守備がかなり鍵になっていました。カウンターをさせない、カバーリングがいるといったことも相手を封じた要因でした。守備はどんなことを伝えたのでしょうか。
マンツーマンです。それと、距離を近く守備をしようと話していました。予選から、個人の能力のところで相手よりも勝っていると感じていたので。最初は(ボールから遠いサイドにいる選手が内側に動くように)しぼってから前に出ようと話していましたが、(準決勝の)作陽高校戦くらいからは、クリアランスで持たれたときに後ろで1対1になっても、そこは(小泉)善人に任せて、前(相手の底辺)にボールが入ったら、そこで奪ってショートカウンターできるという話はしました。基本的にはマンツーマンですが、僕がやっていた経験からすると、ちょっと前にいきすぎくらいの距離で、今回はやらせました。
──フットサルチームが勝つには、どうすればいいと感じますか?
僕が逆の立場の監督だったら、それこそ引いてゾーンで守ることはもう少しやると思いました。ただ育成年代なので、前からいくということも監督の考えだと思います。単純に勝つことを考えるのであれば、もう少しスペースを消します。ただうちはカウンターに弱いところがあったので、ボールを持てている分、奪われた後の切り替えは(相手からしても)チャンスになります。(今大会で最も苦戦した準々決勝の)札幌大谷は、そこをうまく突かれたと思います。僕が相手の監督でもそういうことを考えますし、戦い方はあるなと。昔のフウガみたいな感じですかね。ディフェンスに徹して、カウンターみたいなイメージです。
──決勝の展開は予想通り?
もう少し接戦になると思っていました。ただ、札幌大谷戦で山を一つ越えて、その後の作陽高校戦では、イキイキといい形で試合に入れていました。そういうイメージをもって今日も入ろうと話していました。うまく点数を重ねることができたのでよかったです。
──点を取れる選手の存在は改めて大きいなと。
そうですね。スコアを動かせるのは、サッカーでもフットサルでも重要な選手だと思います。そういう意味ではMVPを取った(晴山)岬はスコアを動かせる選手だったなと思いました。
──今後の帝京長岡との関わりは?
まだわからないですが、長岡のフットサルには何かしらの形で関わっていきたいですし、自分が経験してきたものを還元していければと思います。もともとの土壌がありますし、この中からFリーグを目指したり、フットサル界にという流れが少しでもできるとうれしいです。もちろん、サッカーでの活躍も祈っています。
──フットサルに進みそうな選手は?
何人かはそういう話を聞いています。フットサルに興味がある選手も何人かはいるので、こういう大会でどう感じたのかは聞いてみたいですね。彼らがフットサルを選ぶのであれば僕もサポートできると思うので、橋渡しはしていきたいと思います。
【大会最終日 試合結果】
2018年8月5日(日)/ゼビオアリーナ
3位決定戦
聖和学園サッカー部FC 4-3 岡山県作陽高等学校
決勝戦
フウガドールすみだファルコンズ 1-5 帝京長岡高等学校
優勝:帝京長岡高等学校
準優勝:フウガドールすみだファルコンズ
3位:聖和学園サッカー部FC
4位:岡山県作陽高等学校
MVP:晴山岬(帝京長岡高等学校)
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