更新日時:2023.11.24
圧巻3ゴールで爪痕を残すも、焦りと悔しさを語る長坂拓海「チームのコンセプトをやれないと勝ち残っていけない」
PHOTO BY本田好伸
日本代表は11月22日と23日、ウズベキスタン代表と国際親善試合を戦い、第1戦を2-0、第2戦を4-3で連勝を飾った。
昨年行われたAFCフットサルアジアカップ以来、約1年2カ月に日本代表に招集された長坂拓海。この国際親善試合では第1戦で待望の代表初ゴールを、第2戦でも2ゴールをマークしMVP級の活躍を見せた。
試合翌日の24日、長坂がオンライン取材に応じた。
すごくうれしかったけど、特別感はなかった
──まずは2年ぶりの代表活動で、待望の初ゴールを決めた感想を聞かせてください。
どうでしょう、いつも通りでした(笑)。すごくうれしかったですけど、タケ(本石猛裕)のアシストでしたし、チームの時と変わらないですし、そんなに特別感はなかったです。純粋にうれしいという気持ちでした。
──そこから次の試合でも2得点。ピッチでは本石選手、石田健太郎選手と一緒に出る時間も多く、いつもの組み合わせでやれたことも大きかったのでしょうか。
いつもやっているメンバーがいるので、変わらない光景ではありましたね。普段から緊張はしないタイプですけど、いつも通り、自然体でできました。
──初ゴールを決めたことでいいイメージで次の試合にも臨めた?
それはあると思います。リーグ戦でも1点を取ると流れに乗れますし、1試合目でゴールを決められたことで、いいイメージが残っていたのかなと思います。
──ちなみに、ご飯は大丈夫でしたか?
おいしかったです(笑)。
──本石選手から、ご飯がちょっと心配という話を聞いていたので……。
いえ、おいしくて、いっぱい食べています。
──それもあってコンディションが良かったとか……。
可能性はありますね(笑)。
足りないではなく「全然できていない」
──久しぶりの代表招集で3得点と結果を出しました。逆に、課題などは?
得点を取れたことは良かったですが、まだまだチームの戦術理解が足りていません。1stセットは戦術をしっかりと体現できているので、僕らのセットではまだまだそこが足りないなと。僕自身、足りないとかそういうレベルではなく、全然できていないですね。たまたま点を取れましたが、クラブに戻っても続けないといけないです。
──この先、クラブと代表の戦術の違いを意識しながらプレーできそう?
健太郎はもともと入っていますし、タケも前回の合宿からサポートメンバーとして帯同していましたから、チームのコンセプトを理解しています。自分は呼ばれていなかったので、練習でも「なんでその動きをするんだろう」と感じるシーンもありました。ただ、試合を重ねることで、それを理解できました。チームに戻ってからも、そこをゼロにしないで、積み重ねていけると思います。
──クラブと代表との違いも問題なく継続できそう、ということですね。
国内合宿の時にも取材でお話ししたのですが、やはり自分は感覚的に動くタイプです。ただ、それだけではいけないと今回の合宿で思いました。(クラブと代表では)やっていることは全く一緒ではないですが、考えて動くことでそれが有効な場面も多いな、と。
今までは感覚で動いていた浦安のクワトロに、感覚ではない代表の動きを取り入れたらもっと良くなると思っています。
──前回呼ばれた時とはやり方もかなり変わって、戸惑いもあった?
やることが違う戸惑いはありました。チームでやっているクワトロの染み付いているものが、代表のクワトロと細かい部分で違う場面での修正が大変でしたね。
──今回の活動を経て、今後のポジション争いへの焦りというか、もっと引き上げないといけないといった思いも強まった?
特に2試合目が終わった時に得点できたうれしさ以上に、悔しさのほうが多かったです。戦術理解や、得点以外でなにがあったかを考えると、思い浮かぶところがなかった。
そこに焦りはあります。時間もないですし、それができないと間違いなく代表に入っていけない。ただ、「目に見える結果がほしい」と臨んだ活動においてゴールを決められたことは、自分の強みを出せた部分です。そこからプラスしてチームのコンセプトをやれていけないと、これだけでは勝ち残っていけないだろうと思っています。
──デフフットサルが結果を出しました。チームにはデフのチームもありますし、メッセージなどはありますか?
デフフットサルの女子代表が優勝して、男子代表も3位ということで、本当にすごいです。どんなカテゴリーでもブラジルは強豪ですし、女子は2回もブラジルに勝って優勝ですから、そこに勝てるのは力があるということ。僕らもそうならないといけないですし、今回のデフフットサルの代表チームの結果は、すごく力と勇気をもらいました。
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