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作成日時:2023.12.09
更新日時:2023.12.10

【F1第22節|記者会見/湘南vs浦安】“負けなかった”ことで得た、重みのある勝ち点1。「今はスコアよりも、一戦必勝で勝ち点を取ること」

PHOTO BY本田好伸

12月9日、Fリーグ2023-2024ディビジョン1の第22節、湘南ベルマーレvsフウガドールすみだがトッケイセキュリティ平塚総合体育館にて開催された。

湘南のホーム最終節となった今節は、FリーグだけでなくJリーグの“ベルマーレファミリー”も会場に集まり、すみだにとっては今シーズンで最も“アウェイ”な雰囲気でのゲームとなった。

緑で染まるスタンドに囲まれながらも、ファーストセットの清水誠也中心にすみだは物怖じすることなく果敢にゴールに迫る。拮抗する試合は、スコアレスで第1ピリオドが終了。互いにゴールを割ることができないまま、残り5分を切ってすみだはパワープレーに踏み切るも、37分に失点。

しかし、失点からわずか15秒に、フィクソの北村弘樹が力強いシュートを放ち、一度はGK・フィウーザに阻まれたものの、こぼれ球を諸江剣語が右隅に流し込み、同点弾をマーク。すみだベンチは歓喜に包まれた。

この1点を守り切り、1-1で試合は終了。6チームがひしめく残留争いを前に、同じくファイナルシーズンで下位リーグを戦う湘南と、貴重な勝ち点1を分け合った。

試合を終え、北隅智宙監督と畠山勇気が記者会見に出席した。

ゲームはいい収穫になった

●フウガドールすみだ|北隅智宙監督

──今日の試合を振り返って。

まずは、素晴らしい環境でできたこの2試合でした。前節のホーム最終節も今日のこの試合も、お互いにクラブのスタイルがピッチの中だけではなく、ファン・サポーターを含めてエキサイティングで、そのことがこのゲームをより白熱したものに変えました。そうした環境を作ってくださったことに感謝したいです。

今シーズン、引き分けは少ないですが、この試合は確実に3がほしいという強い気持ちで臨みました。ただ、なかなかフィウーザのゴールマウスをこじ開けられませんでした。それでも選手は冷静になって、(先制点を許しても)すぐにいい決断をして、同点に追いついてくれました。

負けられない試合で、勝つことはできませんでしたが、こうしたゲームはいい収穫になりました。次はホームもアウェイもないファイナルシーズンです。自分たちがホームに強いとかは関係なく、試される試合になると思います。ここから2週間いい準備をして臨みたいと思います。

──前節を終え、残留争いに向けて勝つための戦術に切り替えていくと話していました。今節からすでにその戦いに入っているのでしょうか?

レギュラーシーズンの最後なので、もう一つ、自分が勇気を持ってアクションできたと思います。厳密に全てを勝つために注ぐというよりも、今日のかみ合わせや新しい選手の良さを探しながら、若い選手がこういう試合で気を吐いてくれたら大きな成功体験になると思っていたので、いつもの2セットだけではなく、チャンスを与えました。

なので今日、負けなかったことは素晴らしいと思います。誰かにチャンスがきた時に「俺たちは負けていない」ということが自信になるはずです。なので、この試合はチャレンジは“若干”しました。勝つためのチャレンジですね。このメンバーが今のベストですし、今できる采配と、一番できる選手をピッチに送り出しました。

──ここまでの総括として、今季、監督としてできたことは?

数字ですべてを語るのは難しいですが、昨シーズンは清水和也選手が20点で得点王でした。チームとしては66点。今日の試合で、今季は45点です。マイナス20点したら……そういうことです。数字だけではないですが、今季は若い選手、伊藤諄哉西田泰人羽生恒平と、短い起用時間でも結果を出した選手がいた。そこで拾えたスコアもあります。自分がやりたかったことはまさにそれで、苦しむだろうと思っていたシーズンで若い選手が躍動してくれました。

(記者会見で)隣にいる畠山は、去年からするとスコアは少し物足りないですけど、それは本人が自覚していると思います。ただ、キャプテンとしてこれだけの選手をまとめることで大きな成長があったと思う。そうしたものはプラスに働いているはずです。今後、どうなっていくかわからないですが、残り5試合に向けていいトピックがあったと思います。

──ファイナルシーズンで残留を勝ち取ることもそうですし、全日本選手権にも意識があると思います。昨年の王者でもあります。ファイナルシーズンはどんな戦いをしていきたいか。

ざっくりと言うと、選手権と同じです。一発勝負で勝つか負けるかがすべて。スコアは関係ありません。ただ、ファイナルシーズンにおいては、引き分けがある。自分たちの順位では、それが最善というケースもありえます。勝ち点1ポイントを取るのか、リスクをかけて3ポイントを狙うか、シックスポインターのゲームでどんな決断を取るか。22日から始まる(ファイナルシーズン)町田ラウンドの最初の試合に是が非でも勝ち点3を取りにいくのか。ほかのラウンドの2試合にすべてを賭けるのか。どこにウエイトを置くのか。それが終わると、年明けのラウンドまでまた調整する時間があります。今考えていることとしては、一戦必勝で、勝ち点を取ること。それが1なのか、3なのかはこれからですね。

今後の連戦は、より全員で臨む必要がある

●フウガドールすみだ|畠山勇気

──今日の試合を振り返って。

前節は名古屋に0-5と大差で負けてしまいましたが、そこから1週間で切り替えて、全員で臨めたことは良かったです。勝つことはできませんでしたが、負けないことも、今の自分たちにとっては最低限の結果だったと思います。

──ファイナルシーズンで残留を勝ち取ることもそうですし、全日本選手権にも意識があると思います。昨年の王者でもあります。ファイナルシーズンはどんな戦いをしていきたいか。

戦い方は監督が決めることですが、3日間で2試合や連戦となることもあります。その戦いに14人ぴったりで戦い切るには、疲労や怪我もあって難しいと思うので、今日のメンバーに入っていない選手を含めて、全員でやっていく必要があります。今日出ていない選手もチームの輪に入って頑張っているので問題ないと思う。自分たちを信じて戦うだけです。

──田口元気が今季限りでの現役引退を決めました。キャプテンを務めたこともある田口選手から学んだことや、そんな田口選手に見せたい姿など、どんな思いがありますか?

元気さんは、人とのコミュニケーションの取り方がすごい多いですし、上手だなと思っています。それこそ、若い選手にも常に声をかけたりしています。小さなことでも全部言ってくれる。慣れてきたベテラン選手は正直、諦めちゃうこともあると思います。でも、そこにも全部言ってくれる。コミュニケーションを取ることが本当に素晴らしいと思う。

自分も、些細なことであっても気づいたらコミュニケーションを取るようにしたいですし、そこは元気さんを見てやっていることでもあります。自分が元気さんになにかを見せるとしたら、自分から元気さんにコミュニケーションを取ることですかね。ファイナルシーズンも選手権も含め、引退する選手をなるべく1試合でも多く、出場させてあげたいです。選手権は特にですね。昨シーズンの岡村康平やミヤ(宮崎曉)のように、(最後まで一緒にピッチに立てるように)頑張っていきたいと思います。

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