更新日時:2023.12.14
【前日会見】元世界王者との一戦を前に「攻撃も守備も怖がらず戦う。イニシアチブを握って、アグレッシブに」木暮賢一郎監督
PHOTO BY舞野隼大
13日、大田区総合体育館にてアルゼンチン代表と国際親善試合を行う、日本代表の木暮賢一郎監督が前日会見に臨んだ。
『FIFA フットサル ワールドカップ コロンビア 2016』で世界王者に輝き、前回大会は準優勝となった強豪との試合を監督自身どのような位置づけで捉えているのか。フレッシュな選手も多い“木暮ジャパン”の現在地を聞くとともに、翌日の試合へ向けた意気込みを聞いた。
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アルトゥールは試合当日に来日
──明日のアルゼンチン代表戦へ向けて。
明日はホームの日本でゲームができるということで、非常に幸せなことだと思っています。「フットサルの価値をより一層上げる素晴らしい機会だ」と選手にも話をしています。満員の観衆のなかで、フットサルができる、代表のユニフォームを着て試合ができることを、選手たちが幸せや喜びに感じてもらい、来ていただいた方々やテレビで応援してくれる方々が試合後に満足感であったり、我々の気持ちを伝えられるような気持ちのこもったゲームがしたいと思っています。
──来年のW杯予選を兼ねたAFCアジアカップまで実戦の場は限られています。この2試合はどういう位置づけか教えてください。
その後に控えているW杯のため、しっかりとアジア予選を勝ち上がらないといけないですし、アジアカップとして行われるので、我々は出場権を獲得することと大会2連覇を達成することが目標です。そこを通過しないとその先の話はできないので、予選に向けて非常に重要な試合になると思います。オフィシャルのFIFAデイズでの試合は、このアルゼンチン戦の2試合と1月末の2試合だけです。そのうちの半分を世界チャンピオンになった国とやれますし、来日しているメンバーも限りなくベストに近い。素晴らしいマッチメイクができたと思っていますし、アジアカップに向けて非常に重要な試合になると思います。
もちろんプロセスも重要視しているので、明日の結果が素晴らしいものになるのかどうかはプレーしてみないとわからないです。ただやるからには勝つためにベストを尽くしますし、結果と内容が次につながるゲームがしたいです。ただ、どういう結果、展開になろうとも、最初に申し上げたようにフットサルの価値を上げるためにベストを尽くします。
フットサルというスポーツをより多くの方に認知してもらい、「またフットサルを見たい」と思ってもらったり、観に来てくれる子どもたちが「将来、フットサルの代表選手になりたいな」とか、初めてフットサルを見る方々が「おもしろいな」と思ってもらえるような、いろいろな方の感情に訴えかけるようなゲームをすることが必要なことだと思っています。それなくして我々の成長はないです。
──代表チームとしてその姿を見せるために、どういったプレーを見せたいか?
プレー面で言うと、アルゼンチンという前から激しくプレッシングしてくるチームに、ボールを持つことを怖がらないこと。プレス回避や怖がらずにボールを持つことを取り組んでいやっています。我々が世界で大きな結果を成し遂げるためには、しっかりボールを持たなければいけない。守るだけでは世界のトップに行くのは難しいと思っています。
ディフェンスでは、彼ら以上に前から激しくプレッシャーをかけていきたい。相手の攻撃を怖がって、守備ラインが下がる時間が長くならないように、ディフェンスでも我々がイニシアチブを握ってアグレッシブにプレッシャーをかける。相手よりたくさん動いて、走って、相手よりも速く攻守の切り替えをする。総じてアグレッシブにプレーすることが大事だと思っています。
──オリベイラ・アルトゥール選手が試合当日の明日合流するそうですが、試合で起用するのか。起用しない場合は、山田凱斗選手や石田健太郎選手あたりの出場時間が長くなりそうでしょうか?
今の時点で起用する・しないはお伝えできないです。移動もあるし予定通りに到着するかもわからない状況です。今日、カップ戦を戦ってから来ますので、時差はそこまでないですけどコンディションの問題もあるので、来てみないとわかりません。ただ、多くの時間出ることは厳しいですから、ポイントの起用になるか、状況によっては帯広での2試合目に向けて準備してもらうことになると思います。名前が挙がったフィクソの選手はチャンスですし、誰がいるとか、いないとかではなく、チームとしていい戦いを見せたいと思っています。
──前日練習を見ていても、選手によっては戦術の浸透具合に差があるように見えました。監督はそのあたりをどう感じていますか?
「ローマは一日にして成らず」じゃないですが(笑)、そんなに簡単に物事は積み上がらないと思っています。一歩ずつ、着実に積み上げていくことが大事です。ただ若くて新しい選手たちが、常に我々の活動に参加して成長していくことが自分のスタイルだと思っています。日本のフットサルは長らく同じメンバーでおプレーしてきたなか、2021年からガラッと顔ぶれも変わって新しい時代を迎えています。そこに関しては非常に大きな手応えを感じています。
長らく日本を引っ張ってきた、例えば星翔太も2021年のW杯の時のようなプレーを10年以上前にできていたかと言われると、そうではないです。個人差はありますけど、どの選手もいきなり最高レベルに到達することはなはいですし、そのスピードを早めることが自分の仕事。その成果や精度は着実に上がっていると思っています。
とはいえ時間が有限にあるわけではないです。時間軸を言い訳にせず、少しでも早く適応してほしいです。彼らがなぜここに呼ばれているかと言うと、リーグでいいプレーをしているから、いいストロングポイントがあるからです。「そこを怖がらずに出してほしい」とメッセージを伝えていて、チームとしては着実に進んでいると思ってもらって大丈夫です。代表チームなので大きな期待をされていると思いますが、自分は魔法使いではないし、しっかりと着実に成果を上げていきたいと思っています。
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