12月22日、Ｆリーグ2023-2024ディビジョン１のファイナルシーズンが行われ、ペスカドーラ町田vsシュライカー大阪が対戦した。

両者がテンポの良い攻防を見せた第1セットの序盤。得点には結びつかない状況が続くなか、試合が動いたのは12分。カウンターから阿部瑠依がGKと1対1で放ったシュートはポストに阻まれるも、雲切啓太がこぼれ球を確実にゴールへ流し込み、先制点。13分にはフリーキックのチャンスを得ると、荒川勇気が右足を振り抜き追加点を決めた。

第2ピリオドも球際の激しい戦いが続く。34分に1点を返されたが最後までリードを守り抜き、949人の観客が見守るホームの地で勝ち点3を獲得した。

試合を終え、甲斐修侍監督と伊藤圭汰が記者会見に出席した。

勝ち点3を取ることが1番大事なゲームだった

●ペスカドーラ町田｜甲斐修侍監督

──試合を振り返って。

まず、ケガ人など試合に出場できない選手が多いなかで今日の試合を迎えることになっていたので、正直難しいゲームになるという想定はしていました。普段出場時間の短い選手や初めて試合に出る選手、ベテランも若手も、中堅も問わず、特に前半のローテーションの中で、全選手が高いレベルで仕事をこなしてくれました。この難しい状況で選手たちがハードワークを続けてくれたことが、勝利の要因かなと思います。

僕らはまだ何も手にしていないので、今日の試合で3点差、5点差をつけて勝とうが、1点差で勝とうが、チームとしてはとにかく勝ち点3を取ることが1番大事なゲームだと認識して挑んだ試合でした。最後は本当にバタついて、苦しい時間もありましたけれど、結果として勝点3を取れてゲームを終えられたことは、また次につながると思います。また切り替えて、明後日のゲームにしっかり準備したいと思います。

──これまで出場時間の短い選手たちが試合に出るにあたって、何か声をかけられましたか？

今シーズンは、少なからずそういう若手が出ないといけない状況だったり、試合展開がありました。そういう状況でも、誰が出ても自信を持ってハードワークできていたというところもあります。

今日の試合で、普段試合に出ない選手もたくさん出るという話は、元々していました。ただ何より、練習で普段試合にたくさん出ている選手と、そうでない選手たちの強度みたいなものは、正直そんなに僕の中では不安がなかったです。だから自分の役割として、出る時間があったりタイミングがあれば、物怖じせずに戦う気持ちでプレーできれば、相手に脅威を与える存在にはなってくれるだろうなという信頼はしていました。

ただそんなにたくさん試合に出た経験がない子たちもいるので、本番にどうなるかは実際やってみないとわかりませんでした。それでも今週の練習の中のパフォーマンスよりも、本番の今日の方が良かったというところが見えた選手が多かったです。それは試合前に話しましたし、実際に勇気を持った姿を発揮できたというのは、本人たちにとっても自信になると思います。

練習はあくまで練習なので、そこに一喜一憂しないという話もしています。試合ももちろんそうなんですけど、そこは顕著に今日の試合は出た選手が何人かいたなという印象です。

──磯貝飛那大選手が先日初めて代表に招集されましたが、その経験を経て意識やプレーに変化はありましたか？

今週の練習では疲労もあったりもしましたけど、本人も試合は出ていなかったので、「やります」ということも伝えてはくれてたんですけど。実は代表に入る前から内転筋の怪我を持ちながら（練習を）こなしていたので、試合に出なくても疲労の蓄積などはあったと思います。

今日のゲームに向けては、特別何か言ったわけではありません。逆にそういうコンディションの中でも、今週の練習は局面で「代表に行ったことが自信になってるんだな」と思えるようなプレーが見られたので、今日は本番でどういう状況になるかというところは楽しみにしていました。

磯貝に関しては疲労度もや怪我もあって、今日はそういう難しいゲームだったので。本人はきっと納得していないと思いますが、1試合通してハードワークしてくれて勝利に貢献してくれました。また次のゲームは違った形で彼の良さが出るんじゃないかなと思います。

みんなが頼もしかった

●ペスカドーラ町田｜伊藤圭汰選手

──試合を振り返って。

甲斐監督も言ったように、これまで出場時間の短かった選手がしっかり戦ってくれて、チーム一丸となって掴んだ勝利だったかなと思います。僕もピッチから見てて、みんなが頼もしくて安心して見ていられました。次に向けてまた頑張りたいと思います。