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作成日時:2024.01.10
更新日時:2024.01.12

【F1ファイナルシーズン|ミックス/名古屋vs立川】昨季得点王が吐露する、“絶対王者”の一員としての課題と葛藤。名古屋・清水和也「戸惑いから抜け出せない自分もいたし、今も試行錯誤をしながらプレーしている」|上位リーグ第26節

PHOTO BY本田好伸

1月8日、名古屋金城ふ頭アリーナにてFリーグ2023-2024 ディビジョン1ファイナルシーズン上位リーグ・第26節が行われ、名古屋オーシャンズ立川アスレティックFCが対戦。名古屋が4-2で勝利した。

前節終了時点で首位・ペスカドーラ町田との勝ち点差が6に広がり、7連覇達成には勝ち点3が絶対条件となった名古屋は、気迫あふれるプレーで立川を押し込み、6分に先制点をマーク。続けて9分、さらにチームの勢いを盛り立てる追加点を決めたのは、フウガドールすみだから覚悟の移籍を果たした清水和也だった。

26節終了時点でのゴール数は13。2年連続で2ケタ得点を達成したものの、20得点を奪い得点王を獲得した昨季と比べ「物足りないし、納得していない」と唇を噛む。

激闘を終え、厳しい優勝争いと自身の1年のパフォーマンスについて、心境を語った。



逃げられる理由はあっても負けてはいけないチーム

──前節厳しい試合をして、逆にああいう引き分け方をしたことで、今日はすごくベンチも含めて一体感があるように感じました。

今シーズンは落としてはいけない試合を落としたり、なかなか自分たちの思いどおりにはいかないゲームも多かったですが、そこから何を学んで次に生かすか。今日は本当に勝つしかない状況でしたし、他力本願という現状を自分たちを受け入れながら、全てを出すっていう思いで今日試合ができたし、そこは周りからの見え方も少し違ったのかなと思います。

──今季、序盤戦は新戦力の選手がフィットするまでに時間がかかり、在籍年数の長い選手が100パーセント以上の力を出して戦ったことで負荷が増えたり、パワープレーを多用してスカウティングをされてしまい、戦況が好転しづらくなってしまった印象です。

おっしゃる通り、新戦力のメンバーの連係が遅れたりギレルマオの合流にも時間がかかったりと、いろんな原因があります。ただ「名古屋オーシャンズとは」というところで、どんな状況でも絶対に負けてはいけないチームという前提があって、そこはもっと早く自分に落とし込めたらよかったなと。いくらでも言い訳や逃げられる理由はありますけど、しっかり現状と向き合って、怪我人がいても一貫してやり続けないといけません。立て直す力とか引きずらないという意識が個人として甘かったんじゃないのかなとも思うし、今後の課題としてとらえています。



名古屋のためにという思いがより一層強くなった

──清水選手にとっては移籍初年度にもなりましたが、この1年を振り返って。

見ていただいたらわかるとおり、うまくいかなかったところもありますし、そういう状況を自分でも消化してどう成長につなげていくかを考えました。その過程は非常に濃い時間でしたね。特に今シーズンは、スコアを動かせなかったというところに関して責任を感じていますし、もっと改善していかなきゃいけないなと率直に感じています。ただ、チームというのは一人でどうにかできる問題ではないですし、今は一丸となって最後まで戦おうと全員が本当に同じ方向に向いています。優勝の可能性もゼロじゃないので、自分たちを信じてプレーするだけです。

──外から見てた名古屋と入ってみてからのギャップは?

全然違いますね。すみだにいた時は対名古屋戦での1勝に懸ける思いも違って、何としても名古屋に勝ってやろうっていう選手がたくさんいて、逆に名古屋に入って、そういう気持ちで来るチームを迎え撃つ立場になった。そういうプレッシャーと戦いながらプレーするのは初めての経験でしたし、イメージはしていたものの、試合にならないとわからない部分もたくさんありました。

さらに今シーズンは難しい試合が続いて、このままじゃいけないっていう空気感でシーズンを過ごすことも初めてでした。その経験値はすごく大きいなと思いますし、“絶対王者”と言われるプレッシャーは僕も感じていますけど、在籍歴が長い選手はそれ以上に感じている。そこでも自分の力不足を感じていますし、名古屋のためにという思いがより一層強くなりました。

──監督からの戦術的なオーダーについてはクリアできている?

いい時も悪い時もありますけど、求められている役割は遂行できているんじゃないのかなとは思いますが、どうしてもスコアの部分ですよね。物足りないですし、納得いっていないです。

いい形でシュートを打てている時もありますし、そこは昨季とあんまり変化はないように思うんですけど、そこで振り切れない自分がいたり(先が)見えちゃったからこそ、シュートを打たない選択をとったこともあります。そういう葛藤は出てきてはいますね。ゲーム中は速い展開での決断になるので、「ああすればよかった」「こうすればよかったな」と反省することも多いですが、ゴールが入っている試合を振り返ると、まずは振り切るっていうところに重きを置いていたなって。そうすると決め切ることができたり、ゴールはなくてもアシストがついてくる。自分の良さはやっぱりそこだし、考えすぎてもよくないなと今は思います。一方でこれが成長と言えるのかはわからないですが、見えなかったものが見えてきたっていうところに関しては、昨季と違うところなのかなと思います。

──個人のパフォーマンスについては、自分のもってる力の何パーセントぐらいを発揮できましたか?

常に100パーセント出すつもりで戦っていましたが、振り返ってみると80パーセントの試合があれば、50を切るような低いパフォーマンスになってしまった時もあります。何が変わったかって言われるとまとまっていないし、正直戸惑いから抜け出せない自分もいます。少しずつ好調の兆しが見えてきましたが、昨シーズンに比べると数字も落ちているので、まだまだ何かが足りない。それをどう自分で受け止めて次につなげるかという段階です。

──答えはまだ見えていない。

見えていないですね。何かを一つ変えれば劇的に向上するのかというのもわからないですし、今も試行錯誤をしながらプレーしています。早く抜け出したいという焦りから、さらにパフォーマンスが落ちてもいけないですし、チームから求められていることは遂行していかなくちゃいけない。それができている試合も徐々に出てきてはいるし、少し自分に高望みしてしまっている部分もあるのかなとも思いますけど、点をとること関してはやっぱりもっとチームに貢献しなきゃいけないので、そこはぶらさずに高い目標をもっていたいです。

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