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作成日時:2024.01.18
更新日時:2024.01.18

【F1ファイナルシーズン|ミックス/名古屋vs町田】タイムアップの瞬間に固めた強い覚悟。名古屋・甲斐稜人「来年は優勝に貢献できたと胸を張れるように」

PHOTO BY本田好伸

1月14日、Fリーグ2023-2024ディビジョン1ファイナルシーズン上位リーグ・第27節が行われ、名古屋オーシャンズとペスカドーラ町田が対戦。名古屋が2-1で勝利し、16度目のリーグ優勝を果たした。

実父である甲斐修侍監督から指導を受け、育成組織から長い時間を過ごした町田を飛び出し、名古屋への移籍を決意した甲斐稜人。7月30日には古巣相手に移籍後初得点をマークし、大きな話題を呼んだ。

オーシャンカップでの出場時間0分から、目の前の課題に一つひとつ取り組み、父を下してつかんだ優勝トロフィー。

試合を終え、甲斐に話を聞いた。

「もうちょっとできただろう」という気持ちがある

──優勝おめでとうございます。まずは試合を振り返っていかがですか。

今日はここ最近に比べて出場時間が短くて、それでも自分のプレーができるように意識して入りました。僕の持ち味のシュートとか、ドリブルを出せるタイミングもなかったですし、最初は特にちょっと固くなってしまいました。雰囲気での緊張とかは全くなかったんですが、今日のセットが普段とは違うメンバーでのセットだったので、そこで迷いとかも生じたのかなと感じています。

でも本当にチームは今日は勝つことがマストだったので、全力で勝つために貢献したいという気持ちでした。

──リーグ終盤は特に出場時間を増やしたり、ファイナルシーズンは特に試合を決めるゴールを決めていました。シーズンをとおして、甲斐選手自身はどんな1年になりましたか?

オーシャンカップの準決勝と決勝、あとはリーグ開幕戦も一秒も出れないところから始まって、その時は本当に「このシーズンどうなるのかな」って不安でしかなかったです。膝の怪我の影響もあって最初の3、4カ月は自分のコンディションも良くなかったし、全然試合に出れないだろうなと思ってチームの練習以外のところでもトレーニングを積んで、ベースをまず上げるところから始めました。そこから、篠田(龍馬)さんをはじめいろんな先輩やトレーナーさんに支えてもらって、少しずつ僕のプレーができるようになりました。本当に周りに助けられたシーズンでした。

──オーシャンカップの決勝のあとには、篠田キャプテンから「“優勝して悔しい”と思う経験は、他では得られない」という、甲斐選手へのコメントがありましたね。

あの時そういう声かけてもらえなかったら、自分一人でその悔しい思いをもち続けなきゃいけなかったので、そうやって僕の心境を察してくれて、キャプテンが声かけてくれたのは助けられましたね。

──チーム状況も停滞して、出れない時間はもどかしさをかなり感じていた?

最初は全然チームの力になれないなっていうところから始まって、もちろん悔しい思いもありました。でも、そうやっていろんな選手とかスタッフとかがサポートしてくれて、この気持ちに応えたいと、より僕のモチベーションを上げる時間になりましたね。正直、今シーズン終わってチームに貢献できたかと言われると、もうちょっとできただろうという気持ちがあります。来シーズンはいい状態でスタートから入れるので、この1年勉強になったことを生かしていきたいです。

高い目標設定を置いて、少しずつクリアしていきたい

──序盤戦のコンディション不良を乗り越えて、古巣の町田戦でゴールを決めるという、最高の活躍を見せました。

最初の7月の町田戦は、僕としても特別な空気感で臨んだので、今でも振り返っても不思議というか。ゴールできたのも、なんで点を取れたかもあんまりわからないし、夢みたいな試合でしたね。でも、そこから僕のパフォーマンスも少しずつ良くなっていったので、いいきっかけにはなりました。

──シーズン途中に甲斐監督にインタビューをした時には、「国内でやるんだったら名古屋しか考えられない」という話をしていました。やはりそこのこだわりは譲れないものでしたか?

間違いなく、それはありました。Fリーグでは名古屋オーシャンズがダントツに強いチームなので、そこでポジションを獲得して活躍して、ゆくゆくはやっぱり海外でプレーしたい。でも、まずは名古屋で実力を発揮できないと「海外に行きたい」なんて言っている場合じゃないので、高い目標設定をおいて少しずつクリアしていけたらなと思って今取り組んでいます。

──結果的に、お父さんである甲斐監督率いる町田を、息子である甲斐選手が倒した形になりましたね。

今日に関しては、何ができたかって言われたら別にスコアも動かしてないですし、僕が倒したとは言えないかなって思ってます(笑)。チームみんなでつかんだものです。

でも、僕自身はもちろん初めてのFリーグでの優勝になりましたし、もともと名古屋にいる選手にとっても、特別な形での優勝になったと思います。チーム状況がうまく行かないなかでのベテランたちの立ち振る舞いとか、責任感ある行動や言動を間近で見ることができて、本当に勉強になりました。来年は「優勝に貢献できた」と胸を張れるくらい結果を残さなきゃいけないし、そういう覚悟をもってやりたい。今日、試合が終わった瞬間からそう感じたので、来シーズンに向けてもっと頑張りたいです。

──名古屋に来て、成長できたことや来シーズン発揮したい部分は?

一番はメンタルの部分ですかね。僕はもともと波があるというか、試合に入る前の気持ちのコントロールが難しい部分があったんですけど、そこは名古屋に来てからうまくコントロールできるようになってきました。技術については、トップクラスの選手が集まっているので、いろんな選手のいろんな特徴を見ながら少しずつ盗みたいなと思って日々過ごしていますけど、そんなに簡単にはいかないですね。ただ、個人的にはドリブルからシュートの左足の精度とか、左足がバレたら逆足でも打てるように、右足の強化とかもやってきたので、これから少しずつ出していけたらいいかなと思います。

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