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作成日時:2024.02.21
更新日時:2024.02.22

【ディビジョン1・2入替戦|ミックス/北海道vs仙台】第1戦で決勝点アシスト、第2戦でダメ押しのパワープレー返し。勝負強さを見せた仙台・藤山翔太「東北にフットサルを根付かせたい」

PHOTO BY高橋学

2月18日、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場にてFリーグ2023-2024ディビジョン1・2入替戦の第2戦が行われ、エスポラーダ北海道ヴォスクオーレ仙台が対戦。仙台が4-1で勝利し、ディビジョン1昇格を決めた。

2試合連続で勝利を決定づけたのは藤山翔太の“左足”だった。3-1でリードして迎えた39分、北海道のパワープレーのパスをカットすると、左足でがら空きのゴールにロングシュートを沈めた。

第1戦では2-2の同点とされた直後に、左サイドでの1対1のドリブルから左足でパスし、丸山将輝の決勝弾となったヘディングをアシスト。2試合連続で大事な場面でゴールに絡む活躍を見せた。

F1のピッチでも活躍してきた東北出身のドリブラーは、2022-2023シーズンの復帰時に掲げた「若手時代から育ててくれたクラブへの恩返し」を最高の形で果たした。



「気持ち」が結果につながった

──北海道に押し込まれる時間が長かったなか、全員で耐え抜き、一瞬の隙を突いてゴールを挙げて勝利しました。

かなり圧力は感じましたが、僕らは同点でも昇格できるという気持ちの余裕がありました。なんとか耐えて、1失点ぐらいに抑えれば後半に巻き返せると。僕らも試合に出ている人数が多かったから、向こうのほうがきつくなってくるという計算もあったので、そこまで焦らずに40分を戦えたなと思います。

──第1戦で藤山選手のパスを丸山将輝選手が合わせた決勝点もそうですが、仙台はファーに詰める意識が高かったように思います。

今シーズンはF2でも1点差で勝ってきた試合が多くて。セグンド(ファー)に走り切って合わせるとか、逆に相手のシュートではセグンドまで戻ってクリアするとか、そういうところが勝敗を分けたことが何度もありました。自分たちがこだわってきたこと、やってきたことが大事な試合で出せたのはすごくうれしいです。

──ミスをした時にカバーをしたり、良いプレーをした時に盛り上げるとか、チーム全体で戦っている感が伝わってきました。

はい。僕らはクラブとして苦しい思いをしてきたし、そういう選手も多いですし……。「気持ち」が大事というのは簡単ですけど、でも、やっぱり、「気持ち」が今回の結果につながったんじゃないかなと思います。

──F1昇格をつかんだ瞬間は、どんな気持ちでしたか?

そうですね……。僕は若手の頃からヴォスクオーレ仙台に育ててもらった選手の1人で、在籍年数もトータルで9年ぐらいになります。このチームのために、絶対にF1に上げなきゃいけないという気持ちで戻ってきたから、それを達成できたのはうれしいです、と同時に、ここからはF1のクラブであり続けなければいけないという責任も芽生えてきています。

東北にフットサルを根付かせたい

──藤山選手、今井翔選手、税田拓基選手、そして森村孝志選手などF1での経験がある選手たちが帰ってきたことが、F2優勝、F1昇格につながったと思います。

僕は東北出身(岩手県)ですが、それ以外の選手は仙台の街が好きで、ヴォスクオーレが好きなんだと思うんです。なかなかないと思うんです、地元でもないのに帰りたいと思える場所、チームって。優しさとか、ぬくもりとか、そういうものを感じてくれたから、クラブがきつい時に帰ってきてくれたのかなと。

──藤山選手はFリーグのオリジナル8でありながら2011-2012シーズンをもってFリーグを退会したステラミーゴいわて花巻にも在籍経験があります。東北で同じことを繰り返したくないという思いはありますか。

1回消滅しそうになったヴォスクオーレ仙台が、F2で優勝して、F1入替戦に勝ってF1昇格を果たしたというのは、東北にとって大きなニュースだと思うんです。仙台のテレビでも放送されていて、僕らもすごく反響を感じます。ここで終わらせず、F1で優勝を目指せるようなクラブにすることが、東北にフットサルを根付かせることにつながるはずです。

──藤山選手らベテランの存在感が大きいですが、今後は若手の台頭も必要になってくるのでは。

僕もベテランの年齢に差し掛かってきましたし、10年20年とやれる選手ではありません。クラブとしては20代だけじゃなく、U-18とかU-15とかアンダーカテゴリーからチームを構築していく必要があるなと思います。町田さんとか、すみださんとかのように、若い選手たちが出てくる土壌を東北につくりたいです。

ホームのような雰囲気で戦えた

──スタンドでは「13番」のユニフォームを着ている小さい女の子も見かけましたが。

はい(笑)。僕の娘と、甥っ子、姪っ子です。うちの両親も、妻の両親も、仙台から駆けつけてくれて。僕は仙台でヴォスクオーレのフットサルスクールのコーチをしているんですが、スクール生もたくさん来てくれて、東京だったんですけど、まるでホームのような雰囲気でやれたのは本当にありがたかったです。

──家族やスクール生が見ている前で、パワープレー返しから4点目を決められたのはうれしかったんじゃないですか?

はい。子どもたちの夢であり、目標にならなきゃいけないと思うんです。歴史的なシーンを見せられたのは、うれしいですね……。

──F1でも藤山選手のドリブルが見られるのが楽しみです!

ありがとうございます!個人としても、チームとして結果を出せるように頑張っていきます。

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