更新日時:2024.03.05
【第29回全日本選手権|ミックス/名古屋vs立川】パワープレーでピッチに立ち錆びつかない技術を披露。立川・完山徹一「来季はもっとチームに貢献できるシーズンにしたい」
PHOTO BY高橋学
3月3日、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場にて第29回全日本フットサル選手権大会の決勝戦が行われ、名古屋オーシャンズと立川アスレティックFCが対戦。立川は2-6で敗れた。
立川は立ち上がりからアグレッシブなプレーで真っ向勝負を挑むも、チャンスを確実に得点に結びつけた名古屋相手にビハインドを負う展開に。立川のベテラン・完山徹一は、第2ピリオド終盤のパワープレーでピッチに登場。未だ錆びつかない高い技術でリズムを作ったが、同点には至らず。準優勝で大会を終えた。
試合後、完山に話を聞いた。
選手である以上、お客さんに驚いてもらえるような瞬間を創りたい
──お疲れ様でした。全日本選手権準優勝という結果となりました。今の率直なお気持ちを聞かせてください。
タイトルを獲得できず残念な気持ちです。ベンチから見ていた限り前半はチャンスも作れていたので、ちょっとしたことで違った流れになっていたのではないかとも思います。
──リーグ戦も含めて、シーズン全体としては完山選手にとってどんな1年だったでしょうか?
昨シーズンよりは試合に出られましたけど、それでも多くのプレータイムを獲得できたわけではなかったので、全体的に物足りないシーズンになってしまったなという印象です。もっとチームに貢献したかったし、自分のプレーをもっとチームに還元したかったなと。来季はコンディションを上げてチームに貢献できるよう、少しオフを挟んでからまたいいトレーニングをしていきたいと思います。
──いま来シーズンに向けてのお話も出ましたが、完山選手は2007年のFリーグ開幕初年度からずっとF1でプレーし続けている数少ない選手の一人です。私も含め「1年でも長く現役を続けてほしい!」と願っているフットサルファンの方は多いはずなので、アスレサポーターならずともこのコメントを読んで喜ぶ人がたくさんいると思います。
そうですかね?だといいのですが(笑)。SNSとかを積極的にやるタイプではないのもあって自分としてはあまり実感がないのですが、もしそのように思っていただけているのであれば素直に嬉しいです。
──左足で試合に彩(いろどり)を加えてくれる選手という印象が強いのですが、ピッチに立つ上でどんなことを意識してプレーしていますか?
まずはチームが勝つためにやるべきことをしっかりやる、ということですね。それは攻撃も守備も同じで。チームスポーツですから、チームに対して責任のあるプレーをしなければいけないというのが第一です。それをきちんとやったうえで、会場に観に来てくれた人、特にフットサルを初めて観るような人にも「あの選手いい選手だよね」と感じてもらえるようなプレーを常に心掛けています。
──今日は試合終盤、パワープレーで右サイドのポジションに入りました。それまで出場がなく一度もボールを触っていなかったにも関わらず、ピッチに立ってすぐにアジャストできるあたり流石だなと感じました。
そこですぐに技術を出せる、実行できるというのは自分の強みかなとは思います。パワープレーに限らず、きちんとトレーニングを積んでさえいればまだまだ問題なくプレーできるなという実感はありますし、近年のフットサルの変化にも対応できている自負はあるので、来シーズンはピッチで自分の色をもっと出せるようにしたいです。
──確かにFリーグが開幕した17年前と比べてフットサルのトレンドもずいぶん変化しましたよね。ずっと第一線でプレーし続けてきた完山選手から見て、一番変わったと感じるのはどういった部分ですか?
観ている皆さんも感じていることかもしれませんが、よく走れて強度を出せる選手、いい選手は確実に増えていると思います。上手い選手も多いですし、レベル自体は間違いなく上がっています。でもなんだろう、“濃い選手”っていうんですかね。個性のある選手は少なくなったかなと。ゴールの瞬間っていうのは当然会場が沸くと思いますけど、それ以外にひとつのプレーで「うおっ!」とか「わっ!」って沸いて空気感が変わるシーンは多くないのかなと感じていて。当然ゴールシーンは一番大事だし盛り上がるポイントなんですけど、それ以外に例えば局面を変える一つのパスで会場が沸くとか、アリーナスポーツだからこそそこは大事だと思うんですよね。それこそFリーグができる以前の関東リーグなんて、それができる選手がたくさんいました。いま日本代表を率いている木暮賢一郎監督、甲斐(修侍)さんもそうだし、フトゥーロにいた上村信之介さんなんてその典型で。
──本当にそうですね。ワンプレーで魅せられる、キャラの立った役者ばかりでした。
「古くない?」と言われてしまえばそれまでですけど(笑)。でもスポーツに限らず、音楽のライブとかでも同じで、結局エンターテイメントじゃないですか。お客さんはきっと興奮したくて、すごいものが観たくて会場に来ていると思うので。もちろん真剣勝負の世界だし、どんなプレーもチームが勝つためのものでなければ意味がない。まずチームのためにやるべきことをやるのが第一です。でもそのなかでも、試合のなかで一瞬でもそういう「わっ!」って驚いてもらえるような瞬間を創りたいなと。選手を続けている以上、そういう気持ちだけはずっと忘れずにいたいと思います。
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