3月3日、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場にて第29回全日本フットサル選手権大会の決勝戦が行われ、名古屋オーシャンズと立川アスレティックFCが対戦。名古屋が6-2で勝利し、5年ぶり6度目の日本一の座に輝いた。

立川は立ち上がりから激しいプレッシャーをかけていたものの、一瞬のスキをつかれ第1ピリオドから追いかける展開に。2点ビハインドで試合を折り返すかと思われたが、そこで食らいついたのが湯浅拓斗。こぼれ球に反応すると、反転しながら足を振り抜いた。

最終的に試合には敗れたものの、比嘉監督とのラストゲームに思いを込めたゴールを決め切った湯浅。若手と共に𠮟咤激励をされるなか、3年間必死に食らいついた湯浅が、試合後に比嘉監督への感謝を語った。

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名古屋が強かったという印象

──シーズン最後の試合、お疲れ様でした。今日の試合を振り返っていただいてもいいですか。

単純に、名古屋が強かったなという印象です。
勝てるチャンスは正直なくはなかったですけど、こういう一発勝負のところで、やってはいけないようなミスをこちらがしてしまいました。名古屋はスキを見せずにやっていて、こっちは一瞬スキを見せてしまって、それで決められてしまったので、相手が上だったなと思います。

──相手がスキを見せない中でも、湯浅選手は得点を決められていました。そのシーンを振り返ってもらってもいいですか？

（中村）充の外からのシュートが強かったので、そこは常に狙っていました。今日の試合もいいところに転がってきたので。

決めた時も、ゴールに入ったのか自分でわかっていなくて。周りが「わー」ってなったから「あ、入ったんや」と思って、もう無我夢中でやっていた感じですね。もう気持ちで決めました。

あれだけ怒ってくれる監督はなかなかいない

──シーズンを振り返ってはいかがですか？

去年プレーオフまで行っていて、そこで名古屋に負けて次のシーズンだったので、当然今シーズンは結果を求めていました。みんながリーグで1位を目指すなかで、なかなか勝てなかったり、勝たないといけない時に点が取れなかったり。やってはいけないミスをすることもすごい多かった印象でした。

なかなかうまいこといかなかったけれど、途中から（新井）裕生くんが爆発したのもあって。最後らへんは修正して勝ちきれる試合が増えてきました。それで、なんやかんやリーグでは3位になれたなと。

──自分たちでどのように修正していたのでしょうか？

比嘉さんがそこは厳しく伝えてくれました。甘くなる時が、シーズンを通して1回もなかったので。もうずっと厳しくて「これじゃダメだ」というのを常々言ってくれていたおかげで、段々修正できて、うまくいってきたのかなと思います。

──「これじゃダメ」というのは、プレー面ですか？それともメンタル面でしょうか？

プレー面も、メンタル面もですね。ちょっとした最後ゴール前でのパスミスとか、結局細かいところで差が出てしまうから、そこに対してのこだわりはすごくありました。

本当に細かかったです。他のチームだったらもしかしたら許されるかもしれないけど「上を目指すチームだとしたら、そこは許さないよ」というスタンスを、ひたすら貫いてやってくれていたので。

──湯浅選手は、よく比嘉監督に𠮟咤激励されていたかなと思います。

昨シーズンはもう、怒られない時がない（笑）。若手組と一緒に俺も怒られるという。でも今シーズンは少し減ったんですよ。自分がちょっとは良くなったのかなと思います。

でも、あれだけ怒ってくれる監督はなかなかいないと思うんですよ。普通だったらけっこう見放されるというか「もうここまで要求しない」と、要求を下げる監督の方が多いんじゃないかなと思います。でも、そこのラインはどんなに下手でも絶対に下げない。基準まで引き上げようとしてくれるのは、愛の鞭だと思っています。

──そんな比嘉監督と一緒にやれるのは最後だったと思うのですが、伝えたいことは？

感謝しかないです、マジで。それにつきます。「ここまで成長させくれてありがとうございます」の気持ちしかないです。

大変だった時もありますけど。それも含めて、ここまで成長させてくれて、連れてきてくれたのは比嘉さんだと思っているので、ありがとうございましたというのを伝えたいです。