更新日時:2024.05.21
【Fリーグオーシャンカップ2024|ミックス/立川vs町田】フットサル歴1年未満、19歳の両利きピヴォが2試合3得点!町田のブレイク候補生・三宅悠斗「原田快の眼中に入ってやる」
PHOTO BY本田好伸
5月18日、名古屋金城ふ頭アリーナにてFリーグオーシャンカップ2024の準決勝が行われ、立川アスレティックFCとペスカドーラが対戦。町田は5-2で立川に勝利し、名古屋オーシャンズとの決勝戦に臨む。
デビュー2試合目のこの日もゴールを挙げ、今大会3点目をマークした町田・三宅悠斗が試合を振り返った。
甲斐さんと話して、フットサルに決めた
──今日の試合はどうでしたか?
厳しい戦いになることはわかっていました。試合を上で見ていても、立川は走り回って、攻守の切り替えも早くて、相手にすると嫌なチームだな、と。なので、ピッチに立ったらまずは守備でチームに迷惑をかけないように走って、攻守の切り替えも早くして、最初は常に守備を意識して試合に入りました。
──新チームでは中核の選手として起用されています。監督からはどんな指示が?
ピッチに出る時も、前日にも特に指示はなく、「おまえのいいところを出せ」「ゴールを目指せ」と。自分のダメなところというか、動きのところは、どこで仕掛けるか。ずっと仕掛けるのではなく、周りも使いながらやろうとは話してもらいました。ただ、「ゴールを目指せればそれでいい」という感じではありました。あまり自分でもわかってないのですが(笑)。
──三宅選手は、2022年のJFA 第9回全日本U-18フットサル選手権大会で4位になった藤井学園寒川高校の10番で、キャプテンでした。そこで得点王に輝いたんですよね。
そうですね。
──今日もずっとピヴォで入っていますが、ポジションは元々ピヴォですか?
そうですね。U-18選手権の時からずっとピヴォでした。アスピランチでは右アラをやっていたのですが、トップに上がってからはまたピヴォをやっています。
──去年、足首の怪我で手術をしたそうですね。
はい、U-18選手権が終わった後ですね。
──それからリハビリを経て、アスピランチに所属しながらトップにも帯同して練習していた、と。
そうですね。トップチームでずっと練習をやらせてもらっていました。
──アスピランチに入ったのはいつですか?
高校卒業してからです。寒川高校でずっとサッカーをしていたのですが、U-18選手権に出てみようということになりました。このチームは、U-18選手権の第1回大会で3位になって、それから期間は空いていたのですが、また出てみようということになりました。
そこで全国まで進めて、自分は得点王になることができました。その後、12月にナショナルトレセン(JFA U-18フットサルタレント育成普及事業)に行って、高校卒業後にアスピランチに入りました。
──どうしてアスピランチに?
もともと、ペスカドーラ町田に行こうと決めていたわけではなく、フットサルを続けるのか、どのチームでやるのかと悩んでいたタイミングで声をかけていただいたんです。大学に進んで特別指定選手でどこかのチームに入るのかという選択肢もありました。でも、大学ではなく直接Fリーグのクラブに入りたいなと思っていました。
ずっと考えていた時に、寒川高校の監督と甲斐(修侍)さんが連絡を取り合ってくれたようです。それで、ZOOMで甲斐さんともお話をさせていただいて、その時に決めました。
──フットサルをやっていこうと決めたのは?
卒業前ですね。受験勉強するまではサッカーを続けるつもりでした。声をかけてもらったチームもありますし、サッカーをやりたいという気持ちも強くてセレクションも受けたのですが、そこではダメで。どうしようとなっていた時に、先ほど話したように甲斐さんから声をかけていただいて、ついていきたい、と思いました。
──フットサルへの気持ちもあった。
半々でした。サッカーもやりたいですけど、フットサルも声をかけていただいたりして、プレーしたい、フットサルにチャレンジしたいとも思っていました。それでナショナルトレセンに参加させてもらった時に、やってみようと。僕がフットサルできるかというと、テクニックもないですし……。
──そんなことはないと思いますが(笑)。
いえ、自分のなかではみなさん本当に足裏の使い方も、ドリブルもうまい。自分はそうではなく、スピードで相手をほんろうしたり、ゴールに執着するタイプだと思っていたのですが、どこを評価してもらえたんだろう、と。
──今であれば、自分のなかで評価も明確になったのではないですか?
いまだにわかっていないです(笑)。小柄ですし、ピヴォっていう感じではないじゃないですか。アラというか。クワトロで裏に走って前に入ることはあったとしても、そういうのもよく理解できていないですし。
みんなから“左利き扱い”される
──トップの舞台でのプレーを初めて見させてもらいましたが、めちゃくちゃおもしろかったです。どことなく、原田快選手のような雰囲気を感じるのですが。
ああ、ココロ(笑)。同級生なんです。似てるとかは言われたことないですけどね。
──原田快とは知り合い?
僕がまだ怪我をしていた時ですけど、快がオフシーズンで町田に挨拶に来た時に出会いました。でも、家もめちゃくちゃ近所で、同級生で、仲は良いです。
──その時は一緒にボールは蹴れなかった。
そうですね。でも、U-18選手権の時も、やっぱうまいなって。僕はサッカーをしていたので、知らないわけですよ。でも、周りで「日本代表いるぞ」って話題になっていて、やべえなって思っていました。
──いいライバルになりそうな予感もあります。
そこまでいきたいですよね。まだライバルなんて存在に自分はなっていないですからね。あいつの視野にはいないから。快は僕のことを意識していない。「おまえはとりあえず走れよ」なんて言われるくらいなんで。あいつの眼中に入れさせるくらいには上っていきたいです。
──三宅選手は右利きなんですよね?
それで言うと、両利きですね。
──ボールの持ち方が完全に左利きのそれなんですけど、右利きらしいという声を聞きまして。
生まれた時から右利きだったのですが、親には左を蹴れるように育ててもらいました。3歳くらいからサッカーに触れ合っていて、小学生からチームに入っていたのですが、親がずっと左でパスを出してくれて、自分も左でやるから左で蹴ってごらんって。小学校に上がった時には自然と両方の足で蹴れるようになっていました。
中学校の頃に右足首を怪我して、手術してということをやっていたら、より左足を使うようになっていたという感じです。
──味方も驚くほど左利きに見えますよね。
たしかに、みんなからも「左利きだろ」って“左扱い”されています。でも、両方で蹴れるので「どちらに動いてもいいよ」と言ってもらっています。
──今日の試合でもゴールを決めましたが、そのタイミングで、そこに入っていくという感覚がドンピシャでした。
自分としてはゴールが特徴的だと思っています。U-18選手権でも6試合で15点くらい取りましたし、そこに転がってくるだろうというのは、感覚です。自分でもそれほど意識していないですけど、勝手にそこに立っている感じです。ボアルース長野戦でも、クレパウジ(・ヴィニシウス)選手からのアシストがあったのですが、そこに転がってくるだろうと体が反応していました。
──町田にはヴィニシウス選手や森岡薫選手などベテラン選手もいますし、若手や中堅選手も中心で戦っています。どんなチームですか?
チームは最高で、楽しいです。全員が仲が良いです。先輩たちもめちゃくちゃ優しいです。ベテラン選手もフットサルを教えてくれますし、経験がある選手ばかりなので「こうしてみたら」と、アドバイスもくれます。めちゃくちゃやりやすいですね。
──フットサルを初めてまだ1年経たないですけど、どうですか?
まだ本当に難しいですね。なので「フットサル」のことは考えず、ですかね。守備はしっかりとついていくというか、チームの方針に従ってやっていて、攻撃でもできるだけ考えないでやっています。
難しいというか、頭がごっちゃになるとピッチで迷子になってしまうので、自分としては「サッカー」をやっているような感覚でプレーしています。逆に自分の持ち味としては「フットサル」になってしまうと良くないのかな、と。「サッカー」を出していけたらと思います。普通、フットサルではそこを見ないだろうとか、やらないだろうということをどんどんやって嫌がられるような選手になっていきたいです。
──日本代表は意識している?
やるからには、目指しています。海外の選手とやりたい、日本を背負って戦いたいです。
──名古屋オーシャンズとの対戦は初めてですか?
はい、初めてです。
──どんな気持ちですか?
もちろん、緊張もあります。
──緊張するタイプですか?
僕は、前日に緊張するんです。試合当日になると平気なのですが、それまでは緊張します。ピッチに立てば、ゴールを決めて、チームを勝たせるという気持ちでやるだけです。
──ゴールをぜひ見たいですね。
三宅悠斗という名前を、そこで出してやろうという気持ちで。自分がゴールを決めて、優勝して、リーグ戦にいい流れをもっていけたらと思います。
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