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作成日時:2024.08.29
更新日時:2024.09.13

【日本代表|新体制記者会見全文掲載】高橋健介新監督“高橋ジャパン”のビジョンとは?2026アジアカップ「3位以内」、2028年W杯「ベスト8」へ向けた6つの強化指針

PHOTO BY伊藤千梅

8月28日、JFAハウスにてフットサル日本代表の高橋健介新監督とテクニカルダイレクターの小西鉄平氏によるメディアブリーフィング(新体制記者会見)が行われた。



現役時代、バルドラール浦安をはじめ世界最高峰のスペインリーグでもプレーした高橋監督は、2016年に現役を退いて以降、浦安で指揮を執った後、インドネシアのフル代表、女子、U-20と3つのカテゴリーで監督を務めてきた。2022年からは日本代表チームにコーチとして携わってきた。

4月のAFCアジアカップでグループステージ敗退し、今年9月のW杯出場を逃したことを受け、木暮賢一郎監督が退任し、再出発となる代表チームを率いることになった。

高橋監督は「日本代表が世界で勝つためのフットサル」という指針を掲げ、「①マッチメイクの適正化」「②選手層の充実」「③チームマネジメント」「④トップリーグとの連携」「⑤ルールと技術の共存」「⑥海外組との交渉」という6つの強化方針を挙げた。

また、代表チームのアイデンティティとして「誇り」「責任」「覚悟」「礼節」「団結」をピッチ内外で表現していくことを定めた。

4月の敗戦から5カ月ぶりに始動するチームはまず、2026年のアジアカップで「ベスト3」に入ること、その後、2028年のアジアカップでW杯出場権を獲得し、本大会で「ベスト8以上」の結果を出すことが目標となる。そのための手段として、高橋監督は「主導権を握るフットサル」に取り組んでいく。

以下、高橋新監督のコメントと質疑応答および、小西ダイレクターの質疑応答を掲載。



「AFCやFIFAとの連携を強化していく」(小西)

──高橋監督が新監督に就任した経緯を教えてください。

小西 高橋監督の就任プロセスには、フットサル委員会が技術委員会の傘下に入り、「フットサル・ビーチサッカー部会」という形に変更されたという背景がありました。その上で、アジアカップで日本代表が敗退した後、多くの可能性について議論を重ね、その結果、技術委員会に候補を挙げ、最終的には影山雅永技術委員長を含めた決議により高橋監督が選ばれました。
高橋監督は国内での選手としての実績に加え、インドネシア代表監督としてアジアでの豊富な経験をもっていると捉えています。特に、若い選手への指導方法に秀でていて、これから成長していく選手への教え方はずば抜けています。現在のフェーズでは若い世代を育てる必要があり、また相手のリアクションを見ながら打ち手を考えていくインテリジェンスも重要とされるなかで、高橋監督の能力がこれからの日本代表に重要となると考えました。

──フットサル委員会が部会に吸収されたことで、フットサルのプライオリティが下がっているのではないかという懸念がありますが、現状はどうでしょうか?

小西 これまではフットサル畑の人たちだけで決めてきたことで、スピード感がありました。一方で、見る視点は狭くなっていたと思いますが、フットサル委員会が技術委員会の傘下になったことで、サッカー界でも多くの経験をもっている方たちから意見などをもらうことは、我々としてはプラスに働いていると考えています。JFA内でのフットサルのプライオリティや予算が下がったわけではなく、サッカー、フットサル、ビーチサッカーを一緒に大切にしていくという方針で進められています。

──AFCとの情報交換や海外組との交渉について、今後どのように進めていく予定ですか?

小西 レフリーとの共存については、フットサル界には優秀な方が多く、AFCやFIFAとの連携を強化し、ルール変更に迅速に対応していくことが求められます。リーグとも共有し、他国よりも早くルールにアジャストしていくことは、私も含めフットサル・ビーチサッカー部会としてやっていくべきだと考えています。
海外組との交渉は難しいですね。前回のアジア予選の前にも、ヨーロッパでプレーする選手のクラブと会話を重ね、そこで(招集する)約束をもらっていましたが、インターナショナルマッチウィーク外の試合はヨーロッパのシーズン終盤と被るため、クラブの順位に関わる状況ではやはり選手を出さないということが起きてしまう。
私たちとしても信頼関係を築くためによりコミュニケーションを増やし、JFAとしてもAFCに対して公平な取り組みを訴えていこうと考えています。



「来年のアジア一次予選で結果を出すことが最優先」(高橋)

今回、代表監督に就任しました、高橋健介です。大変光栄な役割を任せていただいたことに、この場を借りて感謝いたします。

複雑な心境であることが正直な気持ちです。ワールドカップ出場という目標をコーチとして果たせなかった責任は非常に大きいと思っています。この結果を受け止めて、自分に矢印を向けて、もう一度フットサル日本代表が世界の舞台で活躍する姿をみなさんにお届けできるように、全力で取り組んでいきたいと思っています。

──ご自身の選手、コーチとしての代表経験から、日本代表選手に求めるべき要素、また「代表選手とはこうあるべき」という選手像についてお聞かせください。

高橋 少し重複しますが、ピッチ内外で代表チームのアイデンティティを体現できること。また選手たちにはそれぞれストロングポイントがあり、それをアジアや世界でどれだけ発揮できるかも求められます。さらに、相手の反応に対して適切に対応するインテリジェンスも不可欠です。これらを備えた選手が求められると思います。

──南雲颯太選手と樋口就大選手が初招集された決め手はなんですか?

高橋 2028年のW杯に向けて選手層の充実が必要です。まずは4年後に30歳前後になる南雲(颯太)選手と樋口(就大)選手らの世代が代表の中心となることを期待しています。そして彼ら自身がFリーグで安定したパフォーマンスを発揮していることも決め手です。

南雲選手は全体のバランスが非常に良く、インテリジェンスも高い選手です。彼のリーグ戦での安定したパフォーマンスを、キルギス相手にどれだけ発揮できるかを見たいと思っていますし、期待をしています。
また樋口選手は体格に恵まれ、安定したシュートストップを見せています。前回のアジアカップではGK陣の年齢が高かったため、若い世代にも世界の舞台で戦うチャンスを与えていきたいと思っています。

──今回のメンバーが最年少で25歳となった理由について教えてください。

高橋 フットサルは経験が重要です。そこに値する選手がいれば当然呼びますけれども、20歳以下の選手を無理に選ぶことはしません。前回のアジアカップで多くの若い選手が起用されたことから、その選手たちが継続的に呼ばれることで中堅としてチームを構成する意図があります。今回はU-18の代表も活動がありましたし、若い世代がここに入る可能性も大いにありますけど、今の段階で無理やり入れることはしませんでした。
また、2021年のW杯を分析すると、ベスト8以上のチームの平均年齢が約30歳でした。選手たちの成長の機会として育成年代の代表チームが日本にはありますし、その2軸で世界を経験しながら22歳くらいでフル代表に入るのは、決して遅くはないと考えています。

──「インテリジェンス」という言葉が選手選考の基準に含まれていますが、アジアカップでのフィジカル面の課題についてはどのように考えていますか?

高橋 日本はこれまでスピードを生かす方針でやってきたので、小さくて速い選手が多くいました。ただフィジカル面の課題も認識していますし、これを補うために一人の選手で解決するのではなく、グループ全体で補填し合えるチームづくりが必要だと考えています。また樋口岳志選手のようにサイズのある選手を招集することでも、この課題に対処しています。

──今後のマッチメイクについて、スペインやアルゼンチンとの対戦は予定していますか?

高橋 現在のフェーズでは2026年に向けたステップとして、まず来年10月のアジア一次予選で結果を出すことが最優先です。そのため、最初の1、2年はアジアとの戦いを多く積むことで、選手のパフォーマンスを見極めていくことが大事になると思います。
一方で、世界の強豪国との対戦で自分たちが成長できる側面もあるので、年に1回はアジア以外の国とも試合をしていきたいとは思っています。



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