更新日時:2024.10.16
【F1第10節|ミックス/立川vsしながわ】トップ3のその先へ。“アスレの心臓”南雲颯太がどんな時も大切にしていること「いつもどおり、落ち着いて、自分らしく」
PHOTO BY勝又寛晃
10月16日、アリーナ立川立飛にてFリーグ2024-2025ディビジョン1第10節が行われ、立川アスレティックFCとしながわシティが対戦。3-3の引き分けで試合を終えた。
勝てば単独首位となる可能性を抱えた2チームよる一戦は、立川の先制点からしながわの勝ち越し、そして立川の追い上げと、一歩も譲らない激動の展開となった。
そんな熱気あふれる会場で、どんな局面でもクレバーなプレーを見せ続けたのが、立川の南雲颯太。2点を追う状況でも冷静さを欠くことなくボールを動かし、チャンスにつながるベストな選択をとり続ける姿は、まさに「アスレの心臓」と言える。
さらに、ゲームのリズムを取り戻した第2ピリオドには、敵陣でのキックインを素早く蹴り入れると、折り返しのこぼれ球を流し込み同点弾をマーク。しながわを相手に、貴重な勝ち点1をもぎ取った。
白熱した試合を終えた南雲に、MVP級の活躍を見せた自身のプレーの総括と、初のリーグ制覇に向けた思いを聞いた。
同点弾は「目でビームを送っていた」
──まず、この試合を振り返っていかがですか。
中断明けで久しぶりのFリーグだったんですが、お客さんもたくさん見に来てくれて、すごく楽しかったです。
試合については、前半あんまり流れも良くなくて、攻撃をつくれていなかったかなって。後半はうまく修正して追いつけたことは、良かったです。
──第1ピリオドは、具体的にどういったところがうまくいかなかった?
久しぶりの試合だったので、みんな体の動きも良くなかったり、パスの1本1本が少しずれてしまったりしていました。いわゆる“試合勘”というところで、少しいつもとは感覚が違ってしまっていたのかなと思います。
──先制のシーンは、南雲選手からマイナスの斜めのパスがうまく上村選手に入って、ゴールにつながりましたね。
ずっと2人組の関係は練習してきていましたし、その前からボールがないところでの動きが得意な自分の強みをうまく生かして、スペースでボール受けることができました。最後はフリーになっていた(上村)充哉くんに、いいパスを出せたなと思います。
──1-3で試合を折り返して、第2ピリオドはどんな気持ちで臨みましたか?
そこまで「自分が点を取るぞ」と強い気持ちを思っていたわけではなかったですが、落ち着いてゲームをしっかり読んで、僕ができることや続けてきたことをやろう、と。チャンスもつくることができましたし、ゾーンで守備をしてくる時間が長い相手に対して、一番嫌な動きとパスワークができたかなと思っています、
──同点弾のシーンは、タッチラインを割って素早くリスタートしたところから、南雲選手がしっかりと決め切りました。ボールを拾ったサバスコーチからの、いい“アシスト”がありましたね(笑)。
そうですね(笑)。僕も常に早いリスタートからのチャンスを狙っているので、「ボールちょうだい!」と 目でビームを送っていました(笑)。そこからゴール前でいいボールもこぼれてきたので、あとはうまく流し込むだけでした。
楽しくプレーすることが好き
──フットサル一筋で戦ってきた南雲選手の技術の高さは折り紙付きですが、今シーズンはさらにその“凄み”が増しているように見えます。ご自身としての手応えはどうですか?
ボールを持っている時も持っていない時も落ち着いて、相手のプレッシャーも感じることなく自分の時間をうまくつくれているなという手応えは、最近すごくあります。
──チームに欠かせない中心選手になっていますが、そこへの自覚や責任感、心持ちが変わっているところも?
うーん……。でも、これまで以上にとか、特別に責任感が強まっているというのはなくて、純粋に自分が好きなプレーや、味方のやりたいプレーを感じとって、それを試合でどう出すかを考えるだけというか。
とにかく楽しくプレーすることが好きなので、プレッシャーというのはそこまでないですね。出ている時に点が入ればいいですし、チャンスがあるなら僕も決める。 いつもどおり、自分らしくというのを大事にしています。
でも、周りの方からそうやって、「チームの中心になっている」と言っていただけるのは、すごくうれしいです。
──主力選手というと、湯浅選手もチームの得点源としてどんどん力を発揮しています。今日も南雲選手のゴールにアシストをつけましたが、同い年の彼の成長をどう感じていますか?
(湯浅)拓斗は体も大きくてボールも収まりますし頭もいいので、お互い「ここを狙おう」という意思疎通もしやすい。彼の攻撃を促せるようなパスを出すために、僕も頑張らないとなと思います。
もう一つも落とさないという気持ちで
──立川・府中時代に初めて選手権で優勝してから、アスレはリーグ戦でもプレーオフ出場、2年連続トップ3入り。そして今シーズンも上位に食い込み、タイトル争いに絡んでいます。これだけ強さを保てる要因は?
僕もたまに考えるんですよね。今シーズンは特に若い選手も多いですし、経験のない選手が多くてもこうやって上位争いができているので、 なんでかなと思って(笑)。でも、個人を見ても一人ひとりの能力が高いし、それをみんなで生かし合えるチームになっているところは、すごく感じます。
あとは、(皆本)晃さん、徹さん(完山徹一)をはじめとするベテランと、勢いのある若手、そして僕たち中堅と、年齢層も含めバランスがうまく取れているのかなと思います。
──勢いのある若手というと、今日は新加入の花田耀祐選手もデビューしました。失点に絡んでしまってから、ベンチで声をかけていましたがどんな話を?
僕もあっという間にもう5年目になりましたが、デビューした頃のことや同じようなミスをして失点をしてしまったことは、今でも覚えているんですよ。でもまず、この試合でデビューできたことがすごくプラスなことですし、 あの1本で別に終わりなわけじゃないので。
「次から大事」だよって声はかけましたけど、彼もそこまで気にしていないんじゃないですかね。本当にいいキャラをしていてチームにも馴染んでますし、ここから僕は期待しています。
──次戦は名古屋オーシャンズと上位対決が続きますが、どんな試合を見せたいですか?
もう、次が本当に大事ですね。負けてしまうと首位の浦安にも置いていかれてしまうし、勝てれば名古屋を優勝争いのグループから落とせる試合になる。アウェイですけど、勝ったこともあるので1週間しっかり準備をして臨みたいです。
──最後に、リーグ制覇への思いを聞かせてください。
ここ数年は上位に食い込んではいますけど、やっぱり優勝しないと意味がないと思っています。今年はそれを達成する最大のチャンスですが、同じことを考えているライバルもたくさんいます。
まだリーグ戦は長いし難しいとは思いますけど、もう一つも落とさないという気持ちで、1試合1試合、目の前のことに集中していきたいです。
個人としては、とにかくどんな時も落ち着いて、練習から今までと変わらず、いつもどおり自分らしく戦えればと思います。
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