更新日時:2024.11.02
【F2第12節|ミックス/北海道vs浜松】「帰ってきてよかった」広島から復帰したUターン戦士・宮原勇哉がエスポラーダで過ごす幸せな時間
PHOTO BYエスポラーダ北海道
10月27日、北ガスアリーナ札幌46にてFリーグ2024-2025 ディビジョン2の第12節が行われ、エスポラーダ北海道とアグレミーナ浜松が対戦。北海道が5-2で勝利した。
鈴木裕太郎による同点ゴールから3分後、再びホームアリーナに歓喜をもたらしたのが宮原勇哉だった。27分、斜めの動きでフリーになってパスを受けると、鮮やかなループシュートでGKの頭上を抜いた。
F2の広島エフ・ドゥでの2シーズンを経て、北海道に復帰。日本代表候補に選ばれたこともある実力者は、F1昇格を目指すチームの中心選手として活躍している。
「本当に幸せなシーズンを過ごせています」。一度離れたことで改めて感じる、地元のクラブでプレーできる喜びを語ってくれた。
我を忘れるぐらい……
──宮原選手の3点目が決勝点となりました。
もともと第1ピリオドを通して左利きのピヴォの山田(優介)選手が右に流れたら、相手のフィクソがついてくるから、左アラのスペースが空きやすいと感じていました。第1ピリオドはアイソレーション(意図的に孤立してドリブルを仕掛ける)が多めだったのですが、山田選手が下がって4枚が並んだ状態にして、左アラにジアゴナール(斜めに抜ける動き)で出ていくのが、きれいに決まりました。
──GKとの1対1でループシュートで頭の上を通しましたが。
相手のGKが大きくて、面をつくってくるイメージがあったんです。構えが低くなる瞬間を狙って、頭の上を越えれば決まるだろうなと思っていました。ポストに当たったあとは「念」です。入ってくれーと(笑)。もう、久々に我を忘れるぐらいうれしかったです。
──第1ピリオドがうまくいかなかった要因は?
浜松の金井(一哉)監督はエスポラーダに長く携わっていたので、何かしら仕掛けてくるとは思っていたのですが、キックオフからのパワープレーも含めて、僕らのプランニングとは別のことが起きて、そこに順応するのに時間がかかってしまったという印象です。
──“室田セット”と“宮原セット”では戦い方は変わる?
チームとしての基本ベースはありながら、個人の特徴を生かしていこうと話しています。室田選手のいるセットは、室田選手がボールを持ってドリブルを仕掛けたり、ピヴォに当てたりする攻撃がメインです。僕の方のセットは、ピヴォの山田選手も含めて、みんなで動き回りながらスペースを突いていくことが多いです。
本当に幸せなシーズン
──宮原選手が北海道に帰ってきた理由は?
もともと広島(F2の広島エフ・ドゥで2シーズンプレー)に行った後、2、3年で戻ろうと決めていました。北海道がF1に残留しようが、F2に降格しようが、自分のなかでは北海道で大好きな先輩たちとやりたいと。
水上(玄太)選手や鈴木(裕太郎)選手、もちろん室田(祐希)選手とも一緒にプレーできるかなと思ったら、え、引退?って。すごく残念に思っていたのですが、奇跡が重なって1年また残ってくれて。
だから、僕としては本当に幸せなシーズンを過ごせています。あと2カ月ぐらいで終わってしまうのが寂しく寂しくて仕方なくて。
──宮原選手は27歳。チームを昇格に導く役割を担わなきゃいけない立ち位置になったと思います。
18でエスポラーダに入った時は一番下でしたが、今はもうチームの核として引っ張っていかなきゃいけないという自覚はしています。実際に僕の2つ下ぐらい(1998〜1999年生まれ)が主軸になってきているんです。小原(風輝)、山田、三浦(憂)、山本(航平)、木村(優太)……いつまでもベテランにおんぶにだっこじゃいけないよねというのは、みんなの中にもあるはずです。
──“ネクスト・エスポラーダ”をつくっていかないといけない。
はい。ベテランの選手と、次を担っていく選手の架け橋になれたらと思っています。
──北海道はどうですか?
本当にサポーターのみなさんがあたたかくて。僕も今、チームのスクールにコーチで入っていて、今日もスクール生とかアカデミー生が見に来てくれて。北海道出身者だけでやっているのは、もちろん苦しいこともありますけど、応援されるべくして応援されているとも感じます。
自分のためにというより、応援してくれる人のためにF1に上げたい。僕はゴールを決めて喜んでくれる人の顔を見るのが好きなんです。そこに生きがい、やりがいを感じてます。
北海道に帰ってきてよかった。もう気持ちとしては出ていきたくないです。水上、鈴木に次ぐレジェンドとなれるようにやっていきます(笑)。
──そのためにも、このチームをなくしちゃいけないですね。
はい。今日の試合は大事だったので、勝てて良かったです。再来週に(ボアルース)長野戦があるので、そこが勝負になるというのはわかっています。しかも、(長野戦が行われる)11月10日が28歳の誕生日なんです(笑)。次の(マルバ)水戸戦をしっかり勝って、良い状態で長野戦に臨んで、勝って、最高の誕生日にできたらなと思います。
──サポーターもクラブの存続を求める署名活動をしてくれています。
サポーターが動いてくださるのは当たり前じゃないですし、そういう責任を噛み締めながらやっています。やっぱり……このチームはなくしちゃいけないです。
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