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作成日時:2025.01.18
更新日時:2025.01.20

優勝に向け“痛恨の敗戦”も、最後まで示し続けるクラブの信念。町田・甲斐修侍監督「限りなく勝ちを追求して戦う姿勢を見せる」【F1第22節|記者会見/町田vsすみだ】

PHOTO BY伊藤千梅

【Fリーグ】ペスカドーラ町田 1-3  フウガドールすみだ(1月19日/町田市立総合体育館)

1月19日、町田市立総合体育館にてFリーグ2024-2025 ディビジョン1の第22節が行われ、ペスカドーラ町田とフウガドールすみだが対戦。町田は1-3で敗れた。

試合を終え、町田の甲斐修侍監督が記者会見に出席した。

取材・文=柴山秀之

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自分たちがやるべきことを継続する

●甲斐修侍監督|ペスカドーラ町田

──試合を振り返って。

選手、 スタッフ含めて、このタイミングで負けることは何を意味するかを理解して挑んだ試合だったので、非常に残念です。ゲームの内容についても、 準備してきた強度や今シーズンのコンセプトを高いレベルで表現できていましたが、最後に決め切るところが伴いませんでした。そういったマイナス面は、これからチームとして取り組まなければいけないと思っています。

ただ、会見の場でお伝えすることではないかもしれませんが、発信しない限り改善に向かう可能性もないと思っているので言わせてもらうと、1試合を通して勝負に影響してしまうジャッジが多くありました。選手たちは、人生をかけて日々トレーニングを積んで試合に挑んでいます。こういった現状はトップリーグとして改善しなければいけません。リーグを盛り上げるためにも、審判育成という部分は問題提起をしていくべきだと思います。

──ハーフタイムで、選手たちに判定のことでなにか伝えたことはありますか?

まさにありました。選手たちがジャッジに影響されて、自分のパフォーマンスを見失うことが一番もったいないことです。第1ピリオドでは、あれだけ相手の持ち味を消してゲームを運んでいましたが、判定によって集中が途切れてしまう選手が何人かいました。

そのためハーフタイムでは「自分たちがやるべきことを第2ピリオドも継続してやること。必ず得点は入るだろうし、自分たちのパフォーマンスをコントロールできれば、失点することもない」という話をしました。結果的に数的不利の状況でまた失点してしまったので、難しい試合にはなりましたが、そういったことは伝えていました。

──先制点を許した場面では、 中田秀人選手がニアに走り込んだところを警戒したことで、ファーにいた星龍太選手のダイレクトボレーから結果的にオウンゴールとなりました。

前回の対戦の記憶もあったので、ゴールにより近いところでのフィニッシュを避けることは前提として意識していました。本来、中田選手に対しては1人の選手がプレスをかけるはずでしたが、2人が釣られてしまい、ボレーシュートの場面でストレスをかけることができなかったことが、失点の原因になったと思います。

セットプレーの守備では基本、ボレーの精度をもっている選手を警戒しています。これまでの2年間ではセットプレーから失点することは少なかったのですが、今回はコミュニケーションエラーから起こってしまったと思っています。

──短い時間ではありますが、ファイナルシーズンに向けて対策したいことはありますか?

今日の試合では、退場して1人少ない局面でも、どのような優先順位でシュートを打たせるかは、最後までいい状態をつくって守備ができていたと思います。ただ、最終的にファンブルしたところを決められてしまったので、より細かい部分はこれから詰めていく必要があります。3失点目はパワープレー返しで失点しましたが、リスクを取る決断をどこかでしなければいけないなかで、引っかかってしまっただけだと考えています。

それ以上に、自分たちのパワープレーのなかでギャップを生みだし、フィニッシュできる精度を身につけないといけません。ゲーム内容でいいものを出せても、得点を取らなければ勝てない。そこは練習で精度を上げていくしかないと思います。

ファイナルシーズンについては、今日の敗戦で優勝が難しくなりました。ただ僕らは若い選手も多いですし、まだまだチャレンジャーなので、シーズンが終わった時にどの位置にいるかが大事です。これからの5試合で全力で勝ちにいく姿勢を見せられたらと思います。

これから大きく何かを変えて準備するというよりは、フィニッシュの精度を高める、ファウルのコントロールなど、勝つチームがしたたかにできる部分がまだまだ足りないと思うので、できる限り修正して高めていきたいと思います。



カスカベウ時代からの仲間・ジャッピーニャの引退

──試合後のセレモニーで関野淳太社長から観客動員の話もありました。クラブを創設時から支えてきた甲斐監督からみて、クラブの成長や地域とのつながりを感じますか?

ペスカドーラになる前のファンの人たちを中心に、ここまで長い期間応援していただき、2007年からは町田市にお世話になり始めました。そこからは地域の方々の声を増やしていこうと、少しずつチームとして取り組んでいます。

リーグで観客動員数1位を取ることは簡単ではないなかで、3年前から多くの人たちに足を運んでもらっています。ホームゲームは他にはない雰囲気をつくれていると思いますし、選手たちは毎試合1500人を超える最高の空間でプレーできています。

関野社長も言っていたように、スポーツはどんなにいい準備をしても、負けることもあります。ただ、限りなく勝ちを追求して戦う姿勢を見せる。そうすることで、負けても引き分けても応援したいと思ってもらえるクラブへと近づいていけると思います。

──本田真琉虎洲選手が今シーズン限りで引退を発表しました。長年共に戦ってきた本田選手に伝えたいことはありますか?

ジャッピーニャ(本田真琉虎洲)はカスカベウ時代に入ってきました。言葉がわからないなかでいきなり公式戦に出場して、その試合の決勝点を決めるという劇的なデビューからスタートしました。

本人はシャイボーイであまり多くを語りませんが、人間として誰かのせいにすることは一切ありません。黙々と自分のできることを100%出し切るという、今のこのチームが掲げているコンセプトを、以前から体現している選手です。

途中湘南に移籍しましたが、ずっと気にしていましたし、応援したくなる選手です。最後の1年を町田で終える決断をしてくれたことをうれしく思います。

4月から練習に参加して、若い選手たちと強度の高い練習のなかで自分の持ち味を出すのは大変だったと思いますが、試合に出られる可能性をずっと探りながら、日々一生懸命取り組んでくれました。このホーム最後の試合でも出場の機会を探っていましたが、体調不良で今週の練習ができなかったこともあり、ピッチ上で最後を飾ることはできませんでした。

ただ選手たちは日々の練習のなかで、ジャッピーニャの姿を見ています。彼は5時半くらいに起きて、夜遅くまで仕事をする生活を1年間続けていました。そのような状況でも、練習で根を上げることなく、1回1回の練習に打ち込んでくれました。そういう姿を見せてくれたことも、若い選手にとっては得られるものがあったと思います。

僕個人的にはカスカベウ時代から一緒にやってきた仲間なので、思い入れは強いですし、改めてお疲れ様と言いたいです。

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