更新日時:2024.11.29
「試合でもライオンになれ」森岡薫の言葉に、20歳・三宅悠斗が奮起。ヘディングで今季リーグ2得点目をマーク【F1第16節|コメント記事/横浜vs町田】
PHOTO BY伊藤千梅
【Fリーグ】Y.S.C.C.横浜 3-5 ペスカドーラ町田(11月22日/ひがしんアリーナ)
「猫」が、「ライオン」になろうとしている。リーグ戦での得点が1ゴールにとどまっていた三宅悠斗は、第16節のY.S.C.C.横浜との対戦でチームのリズムを取り戻す同点弾をマーク。試合後、この得点に至るまでに森岡薫からかけられていたという言葉を明かした。
“猫”が決めたヘディングの同点弾
「やっと決められました!『すごー!』となるようなゴールではないんですけど(笑)。でも点が取れたのでなんでもうれしいっす。どんなゴールでも、うれしい」
試合を終え取材エリアに現れた三宅は、こちらが質問を投げかける前に満面の笑みを浮かべながら言葉を発した。
この日行われた横浜との一戦は、シーソーゲームとなった。リードしては追いつかれ、勝ち越しを許しては追いつく展開で、最後は毛利元亮の二度の勝ち越し弾とビゴージのパワープレー返しで町田が勝利。
この試合で三宅が挙げたのは、悪い流れを断ち切る同点弾だった。
1-1で迎えた第2ピリオドの立ち上がり。勝ち越しを許した町田は、1点を追うなかでも落ち着いた組み立てを見せていた。
チャンスが訪れたのは27分。後方からパスをつなぐと、山中翔斗が自陣のペナルティエリア付近から、前線でフリーになっていた三宅目掛けてふわりと浮かせたロングボールを配球した。相手GKが飛び出してきたが、競り勝った三宅が頭で先に触ると、そのままボールはゴールへ。
一瞬、得点したことがわかっていない様子を見せた三宅だったが、ゴールネットが揺れたことを確認すると、渾身のガッツポーズ。その後、兄貴たちにもみくちゃにされながら祝福された。得点シーンを振り返りながら、三宅は再び表情を崩した。
「最初は、ゴールが入った感じがしなくて(笑)。チームメイトが喜んでいるのを見て、ちょっと時差で得点したことを実感しました。みんなが駆け寄ってくれて、ゴールはやっぱ気持ちいいなとなりましたね」
得点後、ベンチに戻った三宅を待っていたのは、この日の第1ピリオド途中にふくらはぎを痛めていた森岡薫だった。点を決めた三宅に対して、森岡はこんな声をかけたという。
「お前はヘディングができる猫だ!」
三宅は「いつも訳のわからないことばっか言ってます(笑)」と笑いながら、普段から森岡に言われているという言葉を教えてくれた。
「しょっちゅう言われるのは『お前は練習ではライオンだけど、試合になったら猫だ』と(笑)。最近はずっとそんなふうにおちょくられて『試合でもライオンになれよ』と言われるので、どんな時も自分はライオンだと思いながら頑張っています」
フットサル転向1年目の三宅は、リーグ開幕前のオーシャンカップで3試合4得点の活躍を見せていた。しかしリーグ戦では思うように結果を残せず、第9節の名古屋戦の1ゴール以来無得点。そんな三宅に対しての“おちょくり”は、森岡なりの“エール”だったに違いない。
リーグ戦のレギュラーシーズンは、残り6試合。首位のバルドラール浦安との勝ち点差は「9」で、町田は現在4位につけている。
得点をうれしそうに振り返っていた三宅は、今後の話になると「全部勝ちにいかないといけない」と表情を引き締めた。
「自分たちより順位が下の相手でも、間違いなく難しいゲームになると思います。粘り強く戦って、得点を重ねられるように頑張りたいです」
この日、猫から、ヘディングができる猫になった三宅が、“ライオン”へと変貌を遂げた時、町田はタイトルに一歩近づくのかもしれない。
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