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作成日時:2025.02.08
更新日時:2025.02.08

「やり続けるだけ」。勝利に飢えたエース・清水和也が見せた“絶対王者の矜持”【F1第24節|コメント記事/名古屋vs町田】

PHOTO BY伊藤千梅

【Fリーグ】名古屋オーシャンズ 7-3 ペスカドーラ町田(1月24日/北九州市立総合体育館)

ファイナルシーズン上位リーグで、名古屋オーシャンズのエースが“5ゴール”を挙げた。開始直後から試合終了間際までゴールを奪い続け、異次元の存在感を放ったのが清水和也だ。「特別なことは何もない。ただ、やり続けるだけ」。そう語る口調に、絶対王者のプライドを覗かせた。

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ゴール脇で感じた「勝つまで決める執念」

「気合いが違う」

そう感じたのは、試合開始直後に清水が放った2本のシュートだった。

1本目は開始1分。自陣でボールを持った清水は、ドリブルで相手コートまで切り込み、強烈なミドルシュートを放った。相手GKが正面で弾いたこぼれ球に反応するも、勢い余ってファウルに。

そして2本目は開始2分半。相手陣地を斜めに走り込むと、アンドレシートからのパスをダイレクトでシュート。しかし、ボールは大きく枠を外れ、ゴール裏の壁を叩いた。

立ち上がり早々に放たれた強烈なシュートに、ゴール脇でカメラを構えていた私は思わず息を呑んだ。

壁に当たったボールの音、シュート後の冷静な表情、ゴールを射抜くような鋭い目つき。たった3分もの間に「今日は清水和也が決める」と予感した人も多いのではないだろうか。

そして、その予感はすぐに的中した。

2本目のシュートからわずか1分後、またも相手陣地を斜めに走り込むと、角度のないところから足を振り抜いた。ボールは勢いよくゴールへと向かうと、自陣へ戻っていた相手に当たりゴールラインを割った。

試合後、清水が 「気持ちが呼び込んだゴール」 と表現した通り、執念の先制点だった。

さらに11分、安藤良平がボールを奪ったところからカウンターを開始。左サイドでボールを受けると右足ダイレクトでゴール右隅に突き刺し2点目を挙げた。

第1ピリオドのうちに2ゴールと、立ち上がりの勢いを結果に結びつけた。しかしこの日の清水は、それだけでは終わらなかった。

4-3の1点リードで迎えた試合時間残り40秒の間で、パワープレー返しから3連続ゴール。ファイナルシーズンの上位リーグで見せた、圧巻の5得点。清水で始まり、清水で終わる、この試合はまさに彼の独壇場だった。



2年目で手にした“強者のマインド”

今日の清水は、何が違ったのか。この試合にどんな気持ちで臨んでいたのか。

異次元の活躍の裏にある“特別な何か”を探ろうと、私は取材を申し込んだ。「今日は、いつも以上にすごかった」。率直な思いをぶつけると、清水は軽く首をかしげながら答えた。

「特に、何か特別なことがあったわけではないですね」

そして、こう続けた。

「とにかく信じて、やり続けるだけ。勝利は義務だと思っています」

私が感じた清水の尋常ではない気迫——それは、彼にとっての“当たり前”だった。

ファイナルシーズン北九州ラウンドを終えた名古屋の成績は、15勝3敗6分。首位との差は「5」。残りは3節、自力優勝の可能性は途絶えている。それでも、気持ちは決して折れない。

「シーズンが始まった時から変わらず、自分たちが優勝できると思っています。どんなシチュエーションでも、絶対に諦めない。仮に誰かの気持ちが落ちそうになっても、みんなで肩を支え合えるのが、名古屋オーシャンズです」

加入2年目にして強者のマインドを手にした清水は、“絶対王者”としての決意を滲ませた。

「自分たちは今、勝利に飢えている。本来あるべき姿でいられていない自分たちへのもどかしさは、ファイナルシーズン、間違いなく味方になってくれる」

最後の笛が鳴るその瞬間まで、清水和也は勝利を追い求め続ける。


取材・文=伊藤千梅
1999年2月22日生まれ。東京都出身。元なでしこリーガー。スフィーダ世田谷FCやFC十文字VENTUSでプレー。2021年に引退後、FCふじざくら山梨オフィシャルライターに就任。なでしこリーグでのプレー経験を活かした女子サッカー記事や、スポーツ関連企業の求人サイトでのインタビュー記事などを執筆する。現在フットサル取材歴は約1年。シーズン中は毎週末Fリーグや女子Fリーグの取材をしている。2024年4月からは撮影も始め、選手たちのカッコイイ写真を撮れるよう奮闘中。

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