更新日時:2025.02.09
入念な準備と対策でつかんだ、F1で5年1カ月3日ぶりの勝利。仙台・平澤凌「現実を受け止め、前に進まなければいけない」【F1第25節|記者会見/仙台vs横浜】
PHOTO BY伊藤千梅
【Fリーグ】ヴォスクオーレ仙台 2-1 Y.S.C.C.横浜(2月8日/岸和田市総合体育館)
2月8日、岸和田市総合体育館にてFリーグ2024-2025 ディビジョン1の第25節が行われ、ヴォスクオーレ仙台とY.S.C.C.横浜が対戦。2-1で仙台がシーズン初勝利を収めた。
仙台がF1で勝利をしたのは、2020年1月5日に行われたボアルース長野戦以来、5年1カ月3日ぶり。
すでに1年でのF2降格が決定してしまったものの、前節を上回る前のめりな姿勢で2ゴールを奪うと、課題だった第2ピリオドでの失点を防ぎ待望の白星をつかんだ。
試合を終え、中島千博監督と平澤凌が、記者会見に出席した。
「勝ちたい」という意思を前面に出してくれた
●ヴォスクオーレ仙台|中島千博監督
──試合を振り返って。
今シーズン初めて勝利を届けることができ、まずはほっとしています。課題だった立ち上がりのところで決めるべきチャンスを決め切ってくれたこと、パワープレーもしっかり対策をして選手たちは最後まで体を張って守ってくれたことがこの勝利につながったと思います。
──ハーフタイムにはどんな話を?
まず、「2-0は全く安全圏ではない」ということ、あとはもっと前からプレスをかけたかったのでその話もしました。あとは相手がパワープレーをしてきた時にはセットのメンバーを変えるということを共有し、傾向として左の角(コーナー付近)からやられてしまうことが多かったところを、今日は埋めることができていました。
──降格が決まってしまった状況でも、気持ちのこもったプレーで勝ちに行く姿勢が見えた試合でした。この2週間どのような思いをもって過ごし、どんな準備をして今日を迎えましたか?
戦術的な部分については、前からのプレスの部分で少し合わないところがあったので、そこの確認を行いました。あとは2週間期間が空いて練習ができる機会はなかなかないので、そのうちの1週間を横浜戦の対策の時間として使うことができました。精神的な部分では特に大きな変化はなかったように見えましたが、選手一人ひとりがこれまでと変わらず、「勝ちたい」という意思を前面に出しながら強度の高い練習をこなしてくれていました。
この勝利で終わりではない
●ヴォスクオーレ仙台|平澤凌
──試合を振り返って。
会場まで足を運んでくれたファン・サポーターに、勝利を届けられたことが本当に嬉しいです。前半いい形で得点を重ねて、2-0のまま試合を折り返すことができました。ただ、22節のバサジィ大分戦では第2ピリオドの開始直後から失点を重ねてしまい追いつかれてしまったこともあったので、ハーフタイムから気を引きしめて「立ち上がりが大事だよ」という話をして臨みました。相手がボールを保持する時間が長くなったり、こちらのボールがロストが多くなったりしてしまった時間もありましたが、それでも最後のパワープレーも対策はしていたので、それ通りにうまく守れた全員で体を張って乗り切ることができました。
──相手のパワープレー時にディフェンスメンバーとして出場していましたが、どんな気持ちでピッチに立っていたかを教えてください。
大分戦でも相手のパワープレーから失点を重ねてしまったので、正直その記憶が一瞬だけ脳裏に浮かんでしまいました。でも、2週間かけて対策をしたことでの自信もありましたし、ベンチ見たら全員が立ち上がって声を出してくれていたことが、本当に心強かったです。ピッチに立っていた5人はもちろん、チーム全員が自信をもてたことが、最後の守り切ることにつながったと感じています。
──遠い仙台や東北から、大阪まで足を運んでくれたファン・サポーターに勝利を見せられたことについて、改めてどう感じていますか?
このシーズン終盤まで未勝利が続き、本当に待たせし過ぎてしまったし、選手以上に苦しい思いをさせてしまいました。それでも今日の試合後には、みなさん笑顔や拍手で僕たちを迎えてくれました。だからこそ、今日の勝利は特別にうれしかったですね。
ただF2降格が決まってしまった以上は、その現実を受け入れて次に向かわないといけません。この勝利で終わりではなく残りのファイナルラウンド、全日本選手権でまだまだ一つでも多くの勝ちを届けたいです。
──この2週間どのような思いをもって過ごし、どんな準備をして今日を迎えましたか?
北九州ラウンドで大阪と北九州と対戦した2試合も、結果的に勝つことはできなかったものの、選手それぞれが手応えを感じていた試合でした。そこからいい流れで練習にも取り組めて、2週間しっかりと準備と対策ができました。特に守備については前からプレスをかけること、フィニッシュで終われずに相手にボールを取られても、奪い返すことを徹底して取り組んでいたので、その成果が今日は出たのかなと感じています。
──F2降格が決まり本来ならば気持ちが折れてしまいそうな状況でも、なぜチームとして前向きにパワーアップすることができたのか?
僕らにはこうして遠くまで駆けつけて応援してくれるみなさんがいて、現地までは来れなくてもエールを送ってくれるファン・サポーター、スポンサーの方がいます。その思いを背負っていながらFリーグで戦っている選手として、どんな状況でもモチベーションが下がることはありません。
後に続くあの若い年代や育成組織の選手たちのことを考え、「いつか仙台の選手として活躍したい」と思ってもらえる存在であるために、現実を受け止めて前に進まなければいけない。それを忘れずにプレーできたからこそ、今日のパフォーマンスと結果が生み出せたと思います。
中島千博監督
1987年4月2日生まれ、岐阜県出身。高校を卒業後にFALCO岐阜フットサルクラブにて競技をはじめ、2012-2013シーズンにアグレミーナ浜松に加入。翌年にヴォスクオーレ仙台に移籍し、9年間プレーした。2021-2022シーズンを終え現役を引退後、2022年より仙台サテライトの監督に就任。2024年の10月、清水誠前監督の退任に伴い、トップチームの指揮官に就任した。
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