更新日時:2025.11.28
世界3位・ポルトガルに及ばず、グループリーグ突破の命運は第3戦へ。日本女子代表・須賀雄大監督「繰り返さないことが何よりも大事」

PHOTO BY伊藤千梅
【FIFAフットサル女子ワールドカップ フィリピン2025】日本 1-3 ポルトガル(日本時間11月26日/フィリスポーツ・アリーナ)
11月26日、フットサル日本女子代表はフィリピンのマニラにあるフィリスポーツ・アリーナでFIFAフットサル女子ワールドカップ フィリピン2025、グループステージ第2戦を戦い、ポルトガル代表に1-3で敗戦。この結果、日本は29日に行われる第3戦でグループ突破を狙うことになる。

自分たちの売りはチームの“総合力”
──ポルトガル戦の振り返りをお願いします。
ポルトガルは、非常にフィジカルが強くて、戦術的にも洗練されたチームで想像通りの強さでした。
そういう強い相手に対して、しっかり粘り強く戦っていくという日本らしさを目標にして戦いましたが、先に失点してしまったことで、なかなかゲームプラン通りに試合を運ぶことはできませんでした。
逆にそんななかでも粘り強く戦い続けて、必ず後半に得点するチャンスが来るとは思っていたので、そこでしっかり取りきれれば、間違いなくイーブンスコアもしくは勝ちにもっていけると、ハーフタイムに話しました。そういったことを最後まで切らさずに、やり遂げてくれたことに関しては、選手たちを誇りに思っています。
──ポルトガルと戦うにあたって一番重要視したことは何でしょうか?
1年半前のポルトガル遠征ではポルトガル、ブラジル、スペインと試合をしましたが、その時に一番難しさを感じたのがポルトガルでした。その経験を踏まえて、国際的なコンペティションで試合をすることになった時に、「こちらが勝てるように」というマインドセットをして、いろいろな目標設定をしてきました。
例えば、守備の強度に一つ取っても、相手の早いスプリントに対して、ステップワークや腕を上手く使って相手のスピードを殺すことなどは、大森コーチ、藤田コーチと共に構築してきました。また攻撃面では、今回も相手のマーク、プレッシングに苦しむことになりましたが、その強度を前にどれだけかいくぐって前進できるかフォーカスしてきました。
攻守両面で自分たちの求める基準を上げながら取り組んできたことは、このポルトガル戦に生きたのは間違いないと思っています。
──失点のシーンについてはどのように考えていますか?
失点は防いでいかなければなりませんが、ブラジルやスペインのような強豪国でも絶対に失点しないというのは難しいです。
ただ、重要なのはレッスンとして、今回の失点を次に生かさなければなりません。この後もタンザニア戦が続くので、同じことを繰り返さないことが何よりも大事ですし、先読みして似たような事象が起こった時に、しっかり対応できる柔軟性を持つこともチームに求めていきたいと思っています。
──現在は3セットで回していますが、どのような意図をもっていますか?
まず、14人全員を信頼していますし、トレーニングパートナーの(中田)凪咲を含めれば15人になります。その全員を信頼している中で、3セット回しをやると考えた時に最適な組み合わせを考えています。
ポルトガル戦の前半に関しては、こちらが3セット回しをしていたのに対し、ポルトガルは2セットでかなり絞ってやっていた印象があります。そこで耐えることができれば、後半に相手の攻撃守備の強度は下がることを考えてゲームプランを立てました。
──第1ピリオドと第2ピリオドで性格が変わった試合になりました。そこはポルトガルの強度が落ちたことが関係していますか?
そうですね。先ほど言った通り、日本はアジアカップのタイトルを獲得したように総合力で勝負するチームです。逆にポルトガルは優れたタレントが6人から7人ほどいて、彼女たちが必ずピッチに出続けることを意識してやっていました。
自分たちは総合力を売りにしているので、その分、後半に流れが来たと捉えています。
──ポルトガルに敗戦しても目指しているところは世界一だと思いますが、そこへの道はまだ続いていますか?
敗退するまではそれを全チームが目指していると思います。元々、難しい挑戦になることはわかったうえで、世界一という目標設定をしているので、1試合負けたからそれを撤回することはありません。
選手全員も同じ気持ちでやっていますし、まずは一歩一歩、次の試合に勝ってグループリーグ突破をしたいです。それが達成できなければ世界一というのはおかしな話なので、目先の試合に勝利することに焦点を当てることができれば今はいいと思っています。
──次に対戦するタンザニア代表はどのようなチームだと感じていますか?
個人技が非常に高くて、スピードがあるチームという印象をもっています。そういう意味では、自分たちが日本で過ごしている日常とは少し違ったプレーをしてくるチーム、そんな印象ですね。
──タンザニアに勝利すれば準々決勝進出が見えます。最後に日本のファン・サポーターに向けて一言お願いします。
まず、現地での声援がポルトガル戦も非常に大きくて、試合開始からずっとホームのような雰囲気で試合ができたことに本当に感謝しています。
SNS等での反響も非常に大きいと感じておりますし、自分たちの一つの行動で、日本の女子フットサル界の未来が変わっていく覚悟をもって全員が毎日取り組んでいます。その取り組みの一つの形をタンザニア戦で見せたいので、また一緒に戦っていただけたらと思います。

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2025.11.28












