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【メジャー競技“じゃないほう”座談会・中編/ビーチバレー×フットサル】倉坂正人(ビーチ)×藤井桜子(ビーチ)×田口元気(フットサル)

PHOTO BY軍記ひろし

ビーチは個人単位でプロモーションをしている

──ビーチバレーは2人のコミュニケーション能力も大切です。フットサルもそうですか?

田口 すごく重要です。サッカーであれば、ある程度は結果で語れる部分があると思います。相手からボールを奪うとか、点を決める、相手を抜くとか。でもフットサルは、基本的にはGKを除くフィールドプレーヤーの4人でピッチに立って、4人で結果を出すという認識が強い。ピッチに立ったときに、相手の戦術と自分たちの戦術がマッチしないこともあるのですが、そういう選手が肌で感じていることを、中で話し合って、自分たちでトライ&エラーを繰り返します。戦術的な話をしないといけないので、自分が思っている考えをしっかりと伝えることも、相手が話す内容をしっかりと聞くことも大切です。言いたいことを言うだけではダメ。今、自分は企業で総合職というか、営業などをしているサラリーマンでもあるのですが、会社も同じような組織ですから、フットサルの経験が仕事ですごく生かされています。コミュニケーション能力ってめちゃくちゃ大事だなと思っています。やっぱり、2人での話し合いも大事ですよね?

倉坂 僕らも戦術を変えるためにコミュニケーションを取るのですが、2対2なので「片方をつぶす」みたいな戦い方もあるわけです。自分のパートナーが狙われたときに、ただ「こうしたほうがいい」というだけではなく、気持ちを整えるための発言が必要だったりします。

田口 なるほど! それは僕たちはあまりないかもしれないです。

倉坂 気持ちが沈んだり、体力が奪われたときにどういう話をするか。相手によって言葉遣いも違います。僕も会社で営業をしていたので、コミュニケーションやロジカルシンキングを意識しています。人に対して、何をどのように伝えるのかも、ビーチバレーの技術の一つかなと感じています。

田口 ということは、ペアがすごく大事ですね。

藤井 そう、すごく大事です。

田口 プレーの相性もそうですけど、性格面もそうですよね。最近、僕は心理学を勉強しているのですが、よかったなと思うのが、相手を思う能力があると知ったこと。フットサルでも、若手とベテランがなかなか融合できないことが起こるのですが、僕のような中堅と呼ばれる年代の選手が、どうやって舵を取れるのかが大事になってくると思っています。

倉坂 たとえば、技術的には相手に劣ってしまっていても、4人のコミュニケーションで勝つこともできる。

田口 あります。味方同士でいいときも悪いときもある。4人のセットを2つ作って交代しながら戦うのが一般的には多いのですが、自分たちの4人の調子が良くないときには、「俺たちは失点しないようにしよう」ということもあります。「ゴールは向こう(のセット)に任せよう」と。常に4人で統一した意識を持つ必要があります。

倉坂 そういうのって、観客として見ていてもわかるものですか?

田口 僕は、それを伝えることがファンを増やす一つの手段かなと思っています。なので、SNSなどを使ってどんどん発言しようと思ってやっています。

倉坂 そういう外から見てわかることが多いと、より楽しめそうですよね。

田口 そうだと思います。試合中に劇的に変化することもありますからね。そういうものは、かなり上級者向けの見方かもしれないですが、楽しむ要素だとは思っています。そういったファンづくりはどうされていますか? ペアとはいえ、比較的に個人でのプロモーションになるわけですよね。

倉坂 そこは個人レベルでの活動ですね。最近では、地域に密着する動きもあります。川崎に、NTC競技別強化拠点の川崎市港湾振興会館ビーチバレーコート「川崎マリエン」というものがあるのですが、自治体としても強化してくれています。その街に対してアピールすることもあります。でも、個人の活動の難しさもありますね。藤井さんはファンとの交流もされていますよ。

藤井 ベテラン選手と組んでいたときに、いつも応援してくださる方に向けたファン感謝祭のようなイメージで、食事会を1年に1回、開いたりしていますね。

田口 そういったイベントは、あまり頻繁にはやらないということですよね。

藤井 私も以前は川崎のチームの所属していたことがあるのですが、その地域には、何選手かが所属するようなプロチームも存在します。そういう場合は、チーム単位で動けることもありますね。でも基本的には所属が違います。私は「市進ホールディングス」という学習塾が所属で、パートナーは福岡の会社に所属しているので、そういう場合はなかなか一緒にプロモーションできる機会が少ない。ペアはだいたい1、2年は一緒にやるのですが、そういった活動自体は個人で取り組むイメージですね。やる選手もいれば、SNSを全くやらない選手もいますし、人それぞれ。

田口 フットサルはマイナースポーツなのですが、だからこそできることもあると思っています。たとえば選手がプロモーションの先頭に立って、それをチームと一緒にやるとか。サッカーの規模感ではできないことが、いい意味でゆるいからこそできる。それは僕にとっても成長できるチャンスです。もちろん、フットサル選手としてレベルアップしたいですが、一方で、自分自身は人間としても成長したい。個人的には、フットサルの現状は、自分を伸ばせる環境だと思っているので、悲観はしていません。高校生まではプロサッカー選手になりたいと思っていましたが、今は違う世界のトップカテゴリーでやれていますからね。ただし、子どもたちに「(プロを目指して)フットサルをやりなよ」と自信を持って勧められるかというと、まだ「(プロ環境が整備されている)サッカーをまずはやりなよ」と伝える現状もあります。

藤井 フットサルはすごく競技人口が多いと思います。蹴れる場所が多いですよね。でも、ビーチバレーは本当に限られています。都内だと、府中のインドアコートや杉並区、平和島など、数えきれる場所しかないですし、コート数も多くはありません。砂浜でビーチバレーをできる機会が少ないから、その地域にないと、親御さんの送迎なども大変ですし、子どもには「バレーボールをやったら」と言ってしまいます。

田口 そういうところがマイナースポーツから抜け出すきっかけかもしれないですね。次の世代に夢を持ってもらえるような競技やその環境を整備すること。選手がすごく考えないといけないのかなと。

倉坂 メジャースポーツよりもプレーに必要な人数が少ないために、その点で言えばハードルは高くないからこそ、やれる環境の部分が大事ですよね。僕も会社勤めしていたときに「フットサルやろうぜ」ということでプレーする機会がけっこうありましたよ。人数を集めるのが大変なので「サッカーやろう」とはなかなかなりませんでした。

田口 そうですよね。だから伸びる要素はあると思っています。でも競技人口に対して、Fリーグというトップ競技を知らないケースが多い。いろんなところにフットサルコートがあって、蹴っている人がいるのに、トップリーグを見たことがない。そこの障壁はありますが、伸び率はあるのかなと。競技を知っているのに成長できていない業界であれば問題ですけど、今は「知らない」という層が圧倒的に多い。つまり、「知ってもらう」というところをまずはやっていかないといけませんよね。フットサル界は、「ポテンシャルはある」と言われ続けて、なかなか成果を出せていないですからね……。

倉坂 昨年、ロベカルが来たとき(編集注:2018年9月に、サッカー元ブラジル代表のロベルト・カルロスさんが来日して、Fリーグの公式戦に1試合限定で出場した)はどうだったんですか?

田口 盛り上がったんですかね……。

倉坂 ニュースで知りましたが、いつの間にか終わってしまいましたよね。

田口 フットサル、Fリーグの認知を最大化できたかというとそうではないですよね。スポーツ界、サッカー界の人の間ではかなり知ってもらいましたし、アクションとしては面白かったのですが、一般の方へのプロモーションとしては、十分な成果を得られなかったのではないかと思います。

倉坂 そういった売り出し方は大きな課題ですよね。

後編に続く。

倉坂正人(くらさか・まさと)
1990年2月7日生まれ、石川県出身。石川県立工業高→早稲田大。三菱オートリース所属。

 

藤井桜子(ふじい・さくらこ)
10月15日生まれ、東京都出身。都立駒場高→日本体育大。市進ホールディングス所属。

 

田口元気(たぐち・げんき)
1991年7月3日生まれ、茨城県出身。鹿島学園高校→神奈川大。フウガドールすみだ所属。

 

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