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2021.09.22

【ブラジル戦前日WEB取材】「歴史を作る瞬間には、タイミングやストーリーがある」。明日、主人公になるかもしれない男の話。

PHOTO BYFIFA/Getty Images

フットサル日本代表は23日、FIFA フットサル ワールドカップ リトアニア 2021のラウンド16でブラジル代表と対戦する。不在の吉川智貴に代わり、久々にキャプテンマークを巻いた星翔太が前日会見に臨んだ。

世界ランク1位のスペインと、同10位のパラグアイに惜敗した日本はグループステージを1勝2敗で終えたものの、ワイルドカードによってノックアウトステージに進出した。

これで、2012年のタイ大会と同じ、ラウンド16に辿り着いた。2016年のアジア予選敗退で「止めてしまった日本フットサルを、再び動かす」という最低限のノルマは果たした。

さあ次は、「新しい日本フットサルの歴史を作る」番だ。

ただし相手は、最多5度優勝のブラジル。しかも、前回大会ラウンド16敗退の汚名払拭に息巻く“ハングリー・ブラジル”である。

これがジャイアントキリングであることを否定する者は、誰もいない。もちろん諦める者も。さて、どこに勝機を見出そうか。2012年を知り最も代表歴が長い星翔太のストーリー、今大会の主人公になるかもしれない男の話を聞いてみよう。


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自分たちの強みが、「負けた」ことで変わってしまうことない。

──パラグアイ戦ではキャプテンマークを巻かれていましたが、初めてですか? 重みはありましたか?

いえ、2014から16年は巻いていました。あくまでマークでしかないですけど、色々な人たちが想いを背負ってつけてきたものですし、その先輩方の姿を見て、自分もそうありたいと思ってプレーしてきました。実際に巻いている時もそういう姿勢を見せられるようにしてきました。なので、パラグアイ戦でマークをつけたことに特別な何か、はないです。日の丸をつけることに重みがあるので、マークをつけるつけないは関係ないな、と今は思っています。

──星選手自身も2012年タイ大会でベスト16を達成していますが、次勝てば星選手にとっても日本代表にとっても未知の領域です。明日のブラジル戦を控えて今の気持ちは?

前回アジア予選での敗退で歴史を止めてしまいましたが、今回はラウンド16へ進むことができ、また日本のフットサルを動かすことができた。初めてW杯に臨む選手たちは、今回の結果を1つの自信にしていいと思います。明日の相手のブラジルは楽しみですね。ベスト8にチャレンジすることも、大会に出ないと味わえないことなので、すごく楽しみです。

──今季での引退を明言しているので、負ければ代表キャリアも終了となります。特別な思いは?

その瞬間を迎えないと、わからないです(笑)。まったく終わるイメージができていないです。「歴史を作る」とずっと言ってきて、同じような位置まではやっと戻ってこれたので、次のブラジルに勝ちたいです。この大会では、誰もが知る世界ランキング1位のスペインとグループで対戦できて、明日は2位のブラジル。こういう大会で、上位2チームと当たれるのはすごく幸せなことですし、まずはそのブラジルに勝つことにフォーカスしているので、あまり自分のことは頭にないです。


──2012年もブラジルと対戦していますが、今大会のブラジルの強みと、つけこみたいところは?

オン・ザ・ボールは、やはり圧倒的に強いと思います。ここ数試合見る限り、あまり本気のディフェンス(強度の高いプレス)を受けていないのかなと思うので、そこはつけ入る隙があると思います。結局ボールを持っている選手がものすごく危険になるのがブラジルなので、その対応さえ間違えなければ、カウンターとセットプレーでかなりチャンスがあると思っています。

──たしかに、ここまで日本はボールを持っている選手にはしっかりプレスをかけて対応できている。ボールを持ってくれるブラジルとは噛み合わせがいい。期待の持てるコメントですね。

ここ2試合負けているので、みなさんも印象が悪いと思います。代表は結果がすべてですし、そういった見られ方をするのは当然だと思います。ただ、冷静に見ないといけない部分もあります。ベスト16という結果は勝ち取っていますし、自分たちの強みが、「負けた」ことで変わってしまうわけではない。自分たちの強みをあらためて整理してぶつける相手として申し分ないので、僕個人としてもチームとしても心と体の準備ができています。

──ブラジルはギッタをはじめ、どのゴレイロもパス回しに参加してくるが、対策は?

日本代表もゴレイロを上げるサインプレプレーがありますし、それの練習と同時に守備側の練習もしていて、対応策もしっかり決まっているので、それを応用するだけかなと思います。

──イキイキとプレーされているように見えます。3戦を終えての充実感、疲労感は?

楽しめています。(コロナ禍という)難しい状況下で行われている大会だということは理解しています。その中で悲壮感漂わせてプレーするのは僕は違うと思っているので、「イキイキと充実しているように見えた」のであれば嬉しいです。

──スペインとの「世界に誇れる戦い」で得たチームの自信や成長が、ブラジル戦でどう影響すると思いますか?

そうですね。もともと持っていた自信が、確信に変わってきたという感じですね。大会を過ごす中で「ディフェンス」「セットプレー」「カウンター」については間違いなくそうだと思います。そういう自分たちの強みをどれだけ相手に押し付けられるか、が大事になるので試合で披露したいです。

──テレビ中継で、先輩の北原亘さんが「今大会は星選手のキャリアハイ」だとおっしゃってました。その感触はありますか?

どうなんでしょうね? フィジカルコンディションや経験も含めて自分で準備してきたものがあるので、それを披露できている。と思う反面、たりないものもすごくあると思います。なので「時間が欲しかったなぁ」と。

──ゲスト解説の松井大輔選手(Y.S.C.C.横浜)も「こんなにすごいのに引退するんですか?」と、心境が変わったりとかは?

まったくないですね(笑)。僕の引退どうこうが(パフォーマンスに好影響を与えている)というのも、まったくないです。今の時代とか関わってくれている人の想いとかを、すっと僕なりに背負ってプレーしてきました。それで出せているパフォーマンスだと思います。それでもまだ自分のパフォーマンスでは「たりない」ですし、この先も選手としてずっと「たりない」と味わい続けると思います。なので、引退が決まっているから“どうとか”はないです(笑)。

──引退を決めた理由は「フットサル界をもっと大きくしたい」でしたよね?

はい。

──明日ブラジルに勝てば、「フットサル界が大きくなる」きっかけになります。プレーヤーであるうちに、しかも自分の足に、それを掴むチャンスがある。星選手にとって特別な日になるのでは?

そうですね。歴史を作る瞬間には、色々なタイミングやストーリーがあるものなので、このタイミングでブラジルと当たれるのは、僕個人としても感慨深いです。フットサルをしに最初に行った国はブラジルですし、スペインではプロとしてプレーをしました。自分を成長させてくれたところに「結果で応えたい」という想いがあるので。もちろん自分の足で決められばいいですが、勝利という結果で応えたい。明日は、自分の仕事にフォーカスして、ゴールに直結するプレーとディフェンスの強度を忘れずに集中したいです。

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