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2021.10.01

ポルトガルが初の決勝へ|「5人目のFPをイギータと呼ぼうか?」動画&解説|W杯16日目

PHOTO BYFIFA/Getty Images

9月30日、FIFAフットサルワールドカップ2021の16日目、この日は準決勝の第2試合、ポルトガルvsカザフスタンの試合が行われた。

どちらが勝っても初の決勝進出となる欧州対決は2-2からのPK戦の末、ポルトガルが勝利した。

試合は早々に動き出した、かに見えた。3分、カザフスタンがプレス回避からネットを揺らす。しかしビデオサポートによる検証の結果、これがノーゴールとなる。たしかにリプレイで、カザフスタンの選手がラインを割っていることが確認できた。ポルトガルのキックインで試合が再開する。

ポルトガルは今大会屈指の“ゲームメーカー”であるリカルジーニョが、カザフスタンは“5人目のフィールドプレーヤー”であるゴレイロのイギータが、アクセントをつけるも第1ピリオドは0-0のまま終了する。

第2ピリオド23分、ポルトガルが先制点を挙げる。ボールを背負う選手への強いプレスからのミドルカウンター、右サイドからのパスを、左サイドを駆け上がったパニーがダイレクトシュート。これが左下隅に決まって1-0。

カザフスタンはイギータの攻撃参加の比重を徐々に増していく。「イギータが5人目のFPのように絡む攻撃」から「イギータを上げたパワープレー」へ。決定機を何度か作るが決めきれず、試合は最終局面へ。

残り1分強、カザフスタンはイギータに代え、ゴレイロシャツを着たヌルゴジンでパワープレーを始める。その直後、ヌルゴジンのゴールでカザフスタンが1-1の同点に追いつく。スコアはそのまま試合は延長へ。ポルトガルにとっては3戦連続の延長戦である。

延長第1ピリオド42分、カザフスタンが勝ち越しゴールを挙げる。ドウグラスがフリーキックを直接決めて2-1。この試合初めてリードを奪う。

1点を追うポルトガルは、カザフスタンが5ファウルということもありパワープレーを選ばず、ピヴォのジッキーに当てまくることを選ぶ。強引に仕掛けるポルトガル。残り1分38秒、左アラのパニーの突破のこぼれ球が逆へ流れる。これをフリーのブルーノ・コエーリョが決め、土壇場で2-2の同点に。試合はPK戦へ突入する。

このPK戦を4-3でポルトガルが制し、決勝への切符を初めて手に入れた。

欧州王者のポルトガルと、南米王者のアルゼンチンによる決勝戦は、10月3日、日本時間の深夜26時キックオフだ。


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■準決勝 ポルトガルvsカザフスタン|試合ハイライト(引用:J SPORTS)

素晴らしい試合だった。カザフスタンは素晴らしいチームだった。そしてあえてこの言葉を使わせてもらう、カザフスタンは今大会の主役たる活躍を見せた。

まだ三位決定戦が残っているが、堂々のベスト4に敬意を込めて、カザフスタンのキャプテン・イギータについて触れたいと思う。

W杯で証明された「5人目のFPになれるゴレイロ」の有効性

「今更ですか?」と思っている方もいるだろう。「ロビーニョ・アイソレーション」と同じくらい、イギータのプレーには驚きと華があり、今大会最も注目を集めた選手の一人と言える。一応断っておくと、イギータはゴレイロのベースである守備全般の能力が極めて高い。ここから先は、それを踏まえた上での話である。

端的に言ってしまえば「足を使えるゴレイロ」の最上級選手、それがイギータだ。

ブラジル出身のこのゴレイロは、フィールドプレーヤーと比べても遜色のないパスやシュートの技術を持っている。その能力を最大限活用すべく、カザフスタンはイギータを「5人目のフィールドプレーヤーとして攻撃に絡める」戦術を採用しているのである。

ややこしいのは、いわゆる「パワープレー」とは少し違う点だ。

イギータを上げてそのままパワープレーをする、という戦術もカザフスタンは採用している。しかし彼の真骨頂は別にある。イギータは通常のパス回し、プレス回避や組み立てにも結構な頻度で絡んでくるのである。制限付きトレーニングのフリーマンのように。

これは、デイフェンス側にしてみると非常に厄介だ。オールコートプレスは無効化される。ミドルサードの守備では、不意に現れた数的不利の対応に追われる。ブラジル戦で日本代表が、ゴレイロ・ギッタのピヴォ当てから失点したことを思い出してほしい。とにかく悩みの種、意識の何割かを持っていかれてしまう。

ならば一旦引いてみるか。すると、いきなりパワープレーが始まるのである。イギータはシュート精度もかなり高い。

プレス対プレス回避の攻防からゲームの優位性を勝ち取りたい。その狙い一本で挑めば、イギータによって肩透かしを食らってしまう可能性は高い。

これだけメリットのある「ゴレイロを5人目のFPに見立てた攻撃」を使わない手はない。すでに採用しているチームはFリーグにもあるが、ごくわずかだ。その戦術が、W杯の舞台で、しかもベスト4のチームによって有効だと証明されたのである。近い将来、もっと一般的になることは間違いない。

そして今後現れるゴレイロたちは毎度、イギータを引き合い出されるはずだ。ならばいっそ「5人目のFPになれるゴレイロ」を「イギータ」と、その戦術を「カザフ」と呼ぶのはどうだろう。

今大会、イギータとカザフスタンが示したものには、それぐらいの価値があると思うのだ。

もう1試合、我々はイギータとカザフスタンの試合を見ることができる。三位決定戦、同じく5人目のFPになれるゴレイロ・ギッタを要するブラジルとの対戦に注目してほしい。

試合の結果は以下のとおり。

9月30日|大会16日目の結果

[準決勝]
🇵🇹ポルトガル 2(4PK3)2 🇰🇿カザフスタン

[決勝・三位決定戦 日程]
日本時間
10/3(日)
24:00 三決 🇧🇷ブラジル - 🇰🇿カザフスタン
26:00 決勝 🇦🇷アルゼンチン - 🇵🇹ポルトガル

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