更新日時:2022.06.05
【オーシャンカップ試合後会見/準決勝】白方秀和「絶対にF1へ。それがモチベーションのすべて」。再起したしながわが王者と“50分”の大激闘
PHOTO BY高橋学
6月4日、Fリーグオーシャンカップ2022の準決勝が駒沢オリンピック公園屋内球技場で行われた。しながわシティは名古屋オーシャンズに2点を先行されながらも終了間際に追いつき、延長戦を含め、最後まで“どちらに転ぶか分からないゲーム”を披露。さらに2点を奪い合った激闘の末に決着がつかず勝負はPK戦へもつれ込むが、しながわは2人が止められPKスコア3-4で敗退。翌5日に行われる3位決定戦に回ることになった。
試合後、岡山孝介監督とキャプテン・白方秀和が記者会見に出席し、試合を振り返った。
名古屋 4(前半2-0、後半0-2、EX2-2、PK4-3)4しながわ
4分 八木聖人
4分 ガブリエル・ペネジオ
23分 佐藤健也
40分 チアゴ・セウバック
41分 オリベイラ・アルトゥール(第2PK)
42分 チアゴ
48分 白方秀和(第2PK)
49分 吉川智貴
この世界は常にチャンスがありリベンジできる
岡山孝介監督
──試合を振り返って。
全部出し切った試合なので、PKでの結果は仕方がありません。ただ、もう少しやりたいことをやれた部分もあると思います。今シーズンになって、新しいチームとして臨む最初の大会ということもあり、なかなか全部を出し切ることができなかったので、そうしたところを磨いていきたいです。トップレベルの基準を感じられたことをポジティブに捉えて、また明日から頑張っていきます。
──3月の全日本選手権以来、3カ月ぶりに名古屋と対戦しました。今シーズンの彼らをどのように感じましたか?
ワールドクラスの選手が何人もいますし、組織としても統率が取れている。「素晴らしい」ということに尽きます。
──第2ピリオドに巻き返しました。セットを変えた狙いや選手に期待したことは?
少し守備に気を使った布陣を組んでいましたが、負けていたこともありますし、岩橋直樹を含め、もう少し攻撃的にいかないといけなかったのでメンバーを替えました。
ダニ(サカイ・ダニエル・ユウジ)や他の選手が悪かったわけではないですが、どの選手にもそれぞれ特徴があるので、名古屋と対戦してどうかを見ながらやっていました。練習でそこまでやっていないセットも使ったり、ゲーム中に噛み合わせを見ながらですね。一番は攻撃的にいきたいので、縦への推進力や流動性を出せるメンバーを増やしました。
──2点を先行された場面、ネガティブトランジションを押さえていたなかで、ドリブルからやられてしまった。
1点はどこかで入ってしまうのは仕方がないと考えていました。名古屋を相手にゼロは難しいので、1点目は気にしていませんでした。ただし、連続失点にはもう少しうまく対応できたと思うので悔やまれる部分です。どうしても名古屋には、まずはディフェンスから入り、そこで失点することで気持ち的に落ちることがあります。
気を抜いたわけではないですが、そうした落ちたところを突いてくるのはさすがでした。まずは連続失点を避けないといけないので、そこは悔やまれるところではあります。
──入れ替え戦でF1昇格を逃し、考えられないような失意から決意を新たに臨む今シーズンとなります。気持ちを奮い立たせることも簡単ではないと思いますが、どういった思いで新しいシーズンを戦っていきたいと考えていますか?
おっしゃるように、今まで受けたことがないくらいのショックを受けました。おそらく、あの負けたときは「これで終わりだ」と思った選手もいると思いますし、続ける気持ちを持てない選手もいたと思います。
ただ、本当に苦しい思いをした人は強くなれると思っているので、今シーズンの最初のミーティングでも、そこはすごく話をしました。昨シーズンで終わりであれば失意のまま終わることになりますけど、この世界は繰り返しますし、常にチャンスがあり、リベンジすることができます。立ち上がって前に進むことが大事だと話した。
またF2ですが、もう一度目標に向かって前に進もうという気持ちを選手たちは見せています。すごく誇らしいですし、人としても成長しているところだと思います。昨シーズンもいいチームでしたが、まだ足りないところがいくつかありましたから、選手はその改善にも努めて、前進しています。そういう選手と共に歩めることが自分の誇りです。
クラブから「もう一度一緒に」と言ってもらえた
白方秀和
──試合を振り返って。
苦しい試合のなかで、勝ち切ることもできたと思いますが、こういうところでしっかりと結果を出さないといけません。残り17秒の第2PKの決めれば勝ち越せる場面などで結果を残せる選手、チームにならないといけないなと感じました。
──監督が話していた「トップレベルの基準」をピッチでどう感じましたか?
ダルラン選手やアルトゥール選手などもそうですが、個人能力がすごく高いですし、普通に勝負しても勝てない。そこに対してチームでどうするか。ピヴォなら前に入れさせないなど、相手が嫌がることをしてうまくできていた部分もあると思います。そのあたりをもっと詰めて、今度は試合を動かせるようにしたいと思います。
──入れ替え戦で昇格を逃し、白方選手自身「昨シーズンで引退する覚悟でやっていた」と話していました。それでも、「オファーをもらえるならもう一度」とも話していましたが、立ち上がることが難しいなか、どのような思いで新シーズンに臨んでいますか?
昨シーズンで昇格できなければ引退すると決めていたので、そこにすべてを懸けてきました。試合から少しずつ時間が経って、クラブから「もう一度一緒に」と言ってもらえたことがすごくありがたくて。苦しい思いをしたメンバーと絶対にF1へ行きたい。それが今シーズンのモチベーションのすべてです。
なかなか切り替えることができなかったですし、今でも忘れられないですけど、新しいシーズンが始まり、前を向いてやれています。今シーズンが本当に最後だと思って、再びF2ですが、一切油断しない。F1に上がるためにはF2を首位で突破しないといけないですし、相手がどこでも、自分たちのフットサルをして結果を残すことが最後に生きてくると思います。それをモチベーションに、みんなも頑張っていますし、僕自身も頑張っていきます。
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