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2022.09.17

【ブラジル戦前日会見】島根では大敗という結果に。第2戦へ、木暮賢一郎監督が雪辱を誓う。「選手は初戦の結果を受け入れて、前を向いて進んでいる」

PHOTO BY高橋学

17日、愛知県のスカイホール豊田で木暮賢一郎監督が国際親善試合・ブラジル代表戦の前日会見に臨んだ。

ブラジルから歴史的な初勝利を挙げられるのではと、大きな手応えを持って臨んだ島根での第1戦は、期待とは裏腹に1-5と大敗を喫した。

2年と7カ月ぶりに行われた国内での代表戦はファンの期待に応えることはできなかった。しかし、リベンジの機会はすぐにやってくる。代表チームのプライドに懸けて同じ結果は許されないなか、木暮監督は第1戦をどう受け止め、この第2戦へ生かそうとしているのか。

批判や恥ずかしさ、Fリーグでは感じないような感情を味わった

──明日の試合に向けて。

明日のゲームですが、第1戦の敗戦を受けて、我々は成長した姿を見せないといけないと思っています。ホームでしっかりといい戦いをして、勝利してアジアカップにいけるように。選手も非常によくなっているので、第1戦以上のゲームをしたいと思います。

試合の入り方は当然、なにが必要かを代表チームとしても具体的にして取り組んでいますが、経験ある選手であっても難しい入りになってしまうのがこのスポーツ。相手がいるスポーツですから、それを受け入れたうえで同じことを引き起こさないことが大事です。

初めて日本代表ユニフォームを着て国内でゲームをして、初めて世界トップの国と戦う選手が多いという事実はあります。ただ大事なことは、第1戦で感じたことをどれだけのスピードで吸収し、成長する姿を試合で見せられるか。何カ月後かにブラジル戦の経験を踏まえた成長を見せるのではなく、この試合中に。早い選手であれば前半のうちに、そうでなくても後半にというように、1試合のなかでアジャストが必要になると思います。

そのことは私も選手として経験していますし、日本女子代表でもそうですが、選手を入れ替えたり、新しいフェーズにおいて、いきなりアジャストできるのが世界トップですけど、まだ起きてしまうという現実を受け入れて準備をしています。

第2戦のほうが、相手への慣れや、気をつけるべきポイント、想定以上に感じたであろうスピード、強さを理解して試合に入れるので、課題をクリアして臨めると思います。

クリアできる前提がないと、勝つことは簡単ではありません。クリアできると信じています。そのうえで分析してきたものや、これまでの積み重ねをどれだけ出せるか。今のブラジル代表は、非常に新しいスタンダードを行っているチームです。

具体的にお話しすると、GKを使った戦い方です。これは選手にも伝えましたが、スペインリーグでは、世界トップの一つ、バルセロナでも、ブラジル代表やスペイン代表、ポルトガル代表選手を揃えていて、ヘスス・ベラスコ監督という素晴らしい指導者がいるチームでさえも、今はGKを上げる戦いを受け入れて取り組んでいます。

ポルトガルのスポルティングやベンフィカも常にGKを上げています。私自身、スカウティングをしましたが、チャンピオンズリーグでベスト4に入ったうちの、バルサ、ベンフィカ、スポルティングの3チームがそれをやっています。それに、開幕したばかりのスペインリーグでも、開幕節でキックオフからGKが得点を取っているチームもありました。

ただし、Fリーグでそれはありません。選手には、受け入れないといけないし、日常で慣れているかどうかは大事だと伝えました。ブラジルとやったことは彼らの財産になったに違いありません。GKを絡めた戦い方の難しさ、対応の難しさ、失点。これから世界のトップにいくために必要な経験だったと思います。明日、勝つための準備は十分にやってきました。いい試合の入りをして、適応して、自分たちの良さを出して勝ちたいです。

──第1戦を終えて、選手にはどのようなメッセージを伝えたのでしょうか?

日本代表は、この現実を受け入れることができないと、代表選手としてのキャリアを進められないということです。ホームで敗戦を喫することは当然、悔しいですし、それ以上に、批判や恥ずかしさ、通常のFリーグでは感じないような感情を味わったと思います。

代表チームとはそういうものです。そのうえで、悔しさ、恥ずかしさ、苦しさ、批判を乗り越えてプレーを続け、結果を出し続けるのが代表選手です。自分はいつも、代表合宿に呼ばれることだけでは「日本代表」としては不十分だと思っていますし、オフィシャルなゲームで賞賛も、批判も受けながら、結果を出すことが本当の意味での代表選手だと。それを受け入れないと進めないですし、賞賛に変えるには結果を出すしかない。そういうことが大事なんだという話をしました。

“メッシ、ネイマール級”のピトを今度はどう封じるか

──試合の入り方の話をされていましたが、第2戦に向けて攻撃と守備の改善点は?

守備は、押し込まれたところでの失点が多かったので、どれだけ耐えるかではなくどう守備ラインを上げられるか。相手は素晴らしい選手ばかりですし、1対1の脅威があるなかで、どれだけ守備ラインを高く維持できるか。もしくは、下がってから押し返せるか。メンタルもそうですし、いつ押し上げるのかもそう。そこは第2戦の大きな鍵になると思います。下がることが悪いわけではなく、GKを使われたら下がらざるをえないこともあります。下がったところでどんな振る舞いをできるかが大事です。

攻撃は、第1戦は、ブラジルが意図的に守備ラインを下げてきたことで難しくなった要因がありました。ブラジルは引いて守る守備に長けています。日本は10年以上、スペインのカルチャーに触れてきたなかで、味わったことがない部分です。

ブラジルが引いたところを壊すのは簡単ではありません。自分は攻撃が好きな監督なので、それをどう上回るか、どう攻略するかを積み上げ、取り組んできました。攻撃面では、我々がやってきたことを第1戦以上に出せるかが鍵になると思います。

第1戦はいい時間もあったなかで、スタッツを見てもネガティブなことだけではなく、ゴール前にどれだけボールを運べたかなど、スコアに見えない評価できるところもあったので、突き進めていきたいと思います。

──第1戦は早い段階でピトに決められました。彼への対策は?

試合の入り方についてはメンタル面が大事で、より勇気を持って、下がらないこと、怖がらないことは、まず入り口として大事です。全員が勇気を持ってやることが必要です。

具体的に、ピトへの対策ですが、彼は世界ナンバーワンに近いか、もしくはすでにそこにいるような選手です。主戦場のスペインリーグやチャンピオンズリーグでもハットトリックするような選手です。

サッカーで言えば、リオネル・メッシやネイマールのような選手なので、どう対策するか。マッチアップとして、アルトゥールをどれだけ噛み合わせ、ぶつけられるかは、戦略上必要になります。当然、それだけでは不十分だと思っているので、アルトゥールがいない時間帯の噛み合わせも出てきます。この先、世界と戦うには、そうしたピヴォが1人だけではなく、2、3人いるチームを倒さないといけないですから、日本もそこに対抗できる選手が2、3人いないといけない。もちろん、対抗できると思って選手を呼んでいます。

十分に実力をわかったうえで対策して、理解してもやられることが、この世界にはあります。そうしたシビアな部分を受け入れたうえで、我々はブラジルと戦う計画を立てています。そして一貫してお伝えしていますが、学ぶためにやっているのではなく、勝ったうえで学ぶこと。学びが多い相手ですから、第1戦で感じたことを明日の試合で修正して、いいパフォーマンスを出す。それがアジアカップにつながると確信しています。プランを遂行しつつ、勝つためには噛み合わせなどもシビアに見るべきだと感じています。

──高い位置でプレスをかけても、回避されるシーンが多かったなかで、それでもかけ続ける狙いでしょうか?

失点シーンなどがそうですが、簡単に下がってしまうと、ゴールに近い位置で彼らの脅威が出てしまいますから、できるだけゴールから遠いところで守備を続けることがキモです。第1戦で苦しんだ要因は、GKを使ってうまく回避されるという難しさです。

ゲーム中にアジャストする難しさを選手は思った以上に感じたはず。ブラジルは、こちらが同数でゲームを進めることができない時間を多くつくられてしまう相手です。

GKを使われると、その瞬間5対4の数的不利な状況になりますから、(守備の人数で局地的に上回る)ストロングサイドをつくってプレッシャーをかける準備もしていますが、彼らのクオリティは、回避するのがうまいですから、結果、下がらざるをえなくなる。

もしくは、無理をして、大きな数的有利をつくられてしまうよりも、下がったところから押し上げるという決断は、ハイレベルな要求が求められます。第1戦でそこには慣れたので、よりアジャストしてプレーを見せ、相手コートでプレーし続けるという自分たちのプレーモデルをどれだけできるかがゲームのキモになってくると思います。

──今日の練習のセット分けでは、クレパウジ・ヴィニシウスと水谷颯真が交代していましたし、彼らが競い合うように点を取っていました。監督からの意図を感じますし、それに対してすごくいいレスポンスを示しました。選手は初戦をどのように受け入れているのでしょうか?

しっかりと受け入れて、前を向いて進んでいると思います。移動後の昨日のリカバリーでの表情もいいですし、いい意味で明るかった。今日の練習もいい雰囲気でできていると思います。代表チームとしての役割や使命を、選手は理解してくれていると思っています。

もちろん、戦術的なこと、勝利への欲、結果、さまざまなものが問われます。我々が向上しないといけないことの一つは、真の代表選手として、チームの使命をまっとうするために進んでいくことです。

そのなかで、勝ちも負けも、賞賛も批判も受け入れて進んでいくのが代表です。この20年、そのことを私自身が一番、体験してきました。以前のほうが今よりもメディアが多く、負けると、「木暮は代表にいらない」と書かれたこともあります。

ですが、この数年はそういう時代ではないですし、そうした批判は僕が被ればいい。選手は歴史を塗り替えるためにプレーしてくれていますし、明日もしてくれると思いますから、それ以外は自分が受け入れるというスタンスです。

選手は現状を受け入れ、前向きに、自分たちの使命を理解し、野心を持って進んでいる道の最中です。代表チームにゴールはない。そういう状況だと思っています。

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