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【引退直前インタビュー】「たとえ1秒でも」。45歳、金山友紀が練習でも試合でも、ピッチに立つ限り全力で走り続けた意味

PHOTO BY高橋学

金山友紀のFリーグラストマッチを見逃すな!ABEMAで生配信!

2012年のW杯は絶対に選ばれたいと思っていた

──周囲からの「プレースタイルが変わらない」「全然、衰えない」という評価についてはどう感じています?

プレースタイルは変わらないかな。でもそう見せているだけで、全然、衰えているから(笑)。

──たしかに昔を知っている人は「もっとすごかったから」と言うかもしれない。全盛期はいつだったと思います?

どうだろうね。逆に聞きたい。

──パッと浮かぶのは、カスカヴェウ時代の2005-2006シーズン、フットサルマガジンピヴォ!選定の年間最優秀選手を受賞した年の強烈な印象もありますし、ミゲル・ジャパン発足後に元代表選手として奮起していた2010年あたりの数シーズン、それから全日本選手権で優勝してMIPを受賞した2016年あたりが円熟期として印象に残っています。でもこうしてFリーグの記録を見ると、いつだったのかわからない(笑)。

2007-2008: 17試合・11得点
2008-2009: 20試合・13得点
2009-2010: 22試合・12得点
2010-2011: 25試合・11得点
2011-2012: 23試合・16得点
2012-2013: 21試合・11得点
2013-2014: 33試合・20得点
2014-2015: 21試合・10得点
2015-2016: 31試合・15得点
2016-2017: 25試合・18得点
2017-2018: 32試合・14得点
2018-2019: 25試合・3得点
2019-2020: 17試合・6得点
2020-2021: 17試合・2得点
2021-2022: 13試合・1得点
2022-2023: 5試合・1得点 ※2023年1月29日時点

正直、俺もわからない(笑)。若い頃は体も動いてキレキレだったけど勢い任せにやっていたところもあったから、頭と体のバランスで言うと、いつだったんだろう。

──波がない。2桁得点が11年連続。

自分でもここまで続くとは想像してなかった。Fリーグが開幕の時に30歳だったから(笑)。

──40歳を越えて2桁。怪我も多かったなかで、改めてすごい記録です。

印象に残っているのは23試合で16得点の2011−2012シーズン。20点取った2013-2014よりも覚えているかな。

──それはなぜです?

2008年のワールドカップが終わった後に、就任したばかりのミゲル・ロドリゴ監督に(藤井)健太くんと俺が「代表を今までありがとう」と実質的な代表引退勧告をされて。それからモチベーション的に苦しんだ時期があったんだけど、2012年のW杯には絶対に選ばれたいと思っていて、2011-2012シーズンに結果を出せば呼ばざるを得ないだろうと気持ちが入っていたシーズンだった。

──その少し前、船橋のセントラル開催の時に、「初めて自分が出ていない日本代表の試合を見に行って、それから少し吹っ切れた」みたいな話をされていたので、てっきり「元日本代表」を受け入れたんだと思っていたのですが、全然諦めてなかった。

代表がなくなってすごくネガティブな状態になっていたんだろうけど、そこからプラスに変えていくのがたぶん、得意なんだろうね。だって、忘れているから。船橋でその話したの(笑)。

──ちょっと(笑)。

そういう悔しい思い、さっき話したアジア選手権で10秒しか出られなかったこととか、決勝で退場したりとか、いろいろとあるんだけど、それをバネにして力に変えてきた。毎年、毎年そういう悔しい思いはあるから、その連続でここまでやってきたという感じかな。

──先ほど話された、サッカーを始めたのが遅いことも、強いミドルシュートが打てなくなったことも、直視し、考え、抗い、結果プラスに変え続けてきたんですね。ところで、「背番号7」の行方も気になります。

どうだろうね。甲斐さんが引退した時は「5」に対していろいろと思うところはあったけど、いざ自分のことになると、全然いいよ(笑)。

──永久欠番じゃなく、着けてもらって?

うんうん。「アイツが着けてくれたらな」というのはなんとなくあるけど別に、クラブのほうで判断してもらって。ただ、一つだけ要望があるとしたら「このクラブを愛して、このクラブでずっと戦い続ける気持ちがある人に着けてもらいたい」というのはあるかな。

──プレースタイルを受け継ぐというよりは、気持ちを受け継いでくれる選手に長く。

そうだね。よそから来て数年着けて去って、というのでなければ。でもまあ、クラブに任せます。バナナ(ヴィニシウス)はこの間「ブラジルなら試合の日は体育館の入り口にカイさんとユウキさんのユニフォームがドーンと飾ってあって。そういうふうにしましょう!」と、甲斐さんに熱くプレゼンしていたけどね。

──それはたぶんサポーターの方々の総意です(笑)。Fリーグができる以前から第一線を選手として走ってきた金山さんが、この先のフットサル界や若い選手へ期待すること、メッセージがあればお願いします。

まず、Fリーグができるまでの時期を自分が過ごせたこと、これは自分にとってすごく意味があって、幸せなことだと思っています。

──意外です。もっと若いうちに今の環境があれば、と思いませんか?

でもさ、Fリーグができてからの時期は、これから関わってくる全員が過ごせる期間でしょ。その人たちはFリーグができる前の時期を過ごすことはできないわけで、あの頃あそこにいた人しか経験できなかったFリーグを作り上げていくまでの時代を経験できたのは、自分の中での大きな財産です。

Fリーグが開幕して最初は盛り上がって人も入ったけど徐々に下がっていって。でもそれはどんな競技でもあることで、本当の意味でフットサルを根付かせないといけない。動員数の減少とか、代表がW杯を逃したり、コロナ禍があったりと苦しい時期を過ごして、今は、少し上向きつつある状況に差し掛かっていると思う。

この舞台ができるまでに身を削ってやってきた人がたくさんいるし、ここで絶やすわけにはいかない。そういう経緯を知らないにしても、Fリーグが好きで、フットサルが好きでやっているという想いは、一緒だと思う。

だから今の若い選手たちには、自分たちのプレーで、自分たちのフットサルに対する想いで、たくさんの人たちを取り込んでつかんでいってほしい。そのためにも、一つひとつの試合に対して、一つひとつのプレーに対して、気持ちを込めて、全力で、向き合って取り組んでいかないといけないと思う。そこを見せていってもらいたいかな。

──長時間ありがとうございました。最後まで、期待しています。

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第22節試合日程

2月3日(金)

時間/会場 カード 解・実 試聴URL
18:30
浦安
浦安 vs 大阪 解:稲葉洸太郎
実:小庭康正
ABEMA

2月4日(土)

時間/会場 カード 解・実 試聴URL
14:00
小田原
湘南 vs 横浜 解:横江怜
実:長谷川ゆう
ABEMA

2月4日(土)

時間/会場 カード 解・実 試聴URL
12:00
大洲
大分 vs 名古屋 解:渡邉知晃
実:福田悠
ABEMA
14:15
北ガス
北海道 vs 立川 解:渡邉知晃
実:福田悠
ABEMA
16:30
千曲
長野 vs 町田 解:北原亘
実:辻歩
ABEMA
18:45
墨田
すみだ vs 北九州 解:北原亘
実:辻歩
ABEMA

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