更新日時:2023.03.19
【全日本選手権】すみだが大会初制覇!エース・清水和也が延長で決勝弾、湘南は先制するも逆転を許す
PHOTO BY高橋学
19日、JFA第28回全日本フットサル選手権大会の決勝が駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で行われ、フウガドールすみだが湘南ベルマーレを延長戦の末に1-2で破って、優勝を飾った。すみだは、Fリーグ開幕以降では初の大会制覇となった。
決勝 3月19日(日)駒沢オリンピック公園総合運動場体育館
時間 | カード |
---|---|
13:00 | 湘南ベルマーレ 1(延長0-1)2 フウガドールすみだ |
2009年の“伝説”以来の大会制覇!F参入以降では初優勝
立ち上がりから緊迫感のあるゲームだった。お互い攻守に集中した駆け引きを続けていたことで、ゴール前のシーンは少なく、1点の重みが増していくような序盤となっていた。すると12分、先にチャンスを作ったのはすみだだった。
清水和也がカウンターで一人抜け出してGKとの1対1を迎えるも、湘南の守護神フィウーザが絶妙な距離に詰めてコースを消す。清水は狙い澄ましたシュートを右上隅へと狙ったが、これはポストに嫌われてしまった。
15分にも、すみだが右キックインから中央の星龍太がミドルを放つと、これも左内側のポストに弾かれてしまう。
すると、今度は湘南にチャンスが訪れる。17分、高橋広大が中央からフィニッシュにいくも、すみだの守護神・岸将太も強烈なシュートに反応して弾き出す。両チーム譲らない、“日本一のフットサルチームを決める戦い”にふさわしい締まった好ゲームとなっていた。そして試合は第1ピリオドの終盤へ。
残り49秒、宮崎曉の放ったシュートが左ポストに弾かれ、すみだは三度、不運に見舞われてしまう。逆にそのプレーの流れから湘南がカウンターでチャンスメイク。内村俊太が中央を駆け上がり、相手のディフェンスに詰め寄られながらギリギリのタイミングで右へとラストパス。これを靏谷春人が、滑り込んで守る相手の動きを見ながらループを放ち、ゴールネットを揺らしてみせた。
湘南からするとこれ以上ないタイミングで先制点を奪って、試合を折り返した。
第2ピリオドも緊迫感のあるゲームが続いていくが、追いかけるすみだが何度かゴール前に迫りながら、湘南も集中して守り抜いていく。迎えた32分、内村が2枚目の警告を受けて退場してしまう。この試合にとどまらず、今大会を通じて湘南の攻守をけん引し、圧倒的なパフォーマンスを見せていた最重要キーマンを失ったことでリズムが変わる。
再開時のFKは、右の星龍太から左の清水和にわたるも、フィニッシュは右上ポストへ。その後も、退場者を出した湘南がフィールドプレーヤー3人でブロックを敷いて守り抜く。今シーズン限りで現役引退を表明している鍛代元気は、まさに体を投げ出してボールに喰らいつき、ボールを後ろへ通さない。そして、2分の数的不利の時間帯をしのいでみせた。
34分、すみだがゴールを動かす。1人多い状態でゴールを決められなかったすみだだが、相手の疲労が溜まった隙を逃さずに攻め立てると、中央の中田秀人からのパスを左の星がダイレクトでフィニッシュし、ゴールへと突き刺した。
振り出しに戻った試合はその後、すみだが何度もチャンスを作り出すものの、湘南のフィウーザが“神セーブ”を連発。34分には、エリア内で1対2の絶望的な状況にさらされながらもゴールを死守するなど、“要塞”のごとく守り抜いていた。
試合はそのままスコアが動かずに、準決勝に続いて延長戦へと突入した。
すみだは変わらずに、清水和、中田、畠山、諸江のセットで入り、湘南は、内村不在に際して、高橋をフィクソへ移動。堀内、萩原、靏谷の攻撃的なセットで入った。お互いにパワープレーは使わず、純粋にフィールド4人対4人の戦いを続け、疲労も感じさせるなかで集中だけは切らさない。そのまま延長第2ピリオドへと突入していった。
迎えた延長第2ピリオド残り3分、湘南が先に5ファウルを犯してしまったところで、鍛代をゴレイロにしてパワープレーを開始した。しかし、それが裏目に出てしまった。残り2分24秒、湘南の守備が整っていないなかで、中央で受けたすみだ・清水和が反転から右足を一閃。ついに膠着状態を破る一撃をネットへ沈めて、この試合で初めてリードを奪った。
湘南はその後もパワープレーを続けていくものの最後まで1点が遠い。すみだは星、諸江ら、リーグを代表する守備陣を中心に決死のディフェンスで守り抜き、ついにタイムアップの笛がピッチに鳴り響いた。
最終スコア1-2、先制を許しながらもしぶとく逆転劇を飾ったすみだがFリーグ参入以降では初優勝、クラブとしては2009年の前身時代に続く2度目の日本一の座に輝いた。試合後に表彰式が行われ、最優秀選手賞(MVP)は清水和也が受賞した。
なお、今大会をもって引退するすみだの宮崎曉、岡村康平、佐藤雄介、退任が決まっている荻窪孝監督にとっては、まさに有終の美を飾った形となった。逆に、湘南の鍛代元気にとっては、悔しい結果となってしまった。
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