更新日時:2023.03.20
【全日本選手権決勝】すみだがF参入以降、初の日本一。今季限りで退任の荻窪孝監督は有終の美。「一人ひとりがチームのために練習からやってくれて、それがドラマを呼んだ」
PHOTO BY高橋学
19日、JFA第28回全日本フットサル選手権大会の決勝が駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で行われ、湘南ベルマーレとフウガドールすみだが対戦。すみだは第1ピリオド終了間際に失点し、1点ビハインドで第2ピリオドを迎えた。32分に相手に退場者が出ると、数的優位を生かして34分に星龍太が同点ゴール。試合は延長戦にもつれ、残り2分24秒にエースの清水和也が決勝ゴール。同大会のタイトルを2009年以来、Fリーグに参入してからは初めて日本一の座に立った。
試合後、今季限りでの退任を発表している荻窪孝監督の記者会見が行われた。
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選手権はチームの雰囲気がそのまま出た
荻窪孝監督
──試合を振り返って。
決勝ということでたくさんのサポーターの方が駆けつけてくれて、先制されてどうなるのかわからない展開でしたが最後まで諦めずに戦えたのは、サポーターの存在が心強かったからです。試合前もいろんな方から応援メッセージをいただき、その感謝をピッチで表して、勝って最高の恩返しをしようと選手にも話していたので優勝できてよかったです。
──ラストマッチを優勝で飾り、涙を流していました。
正直、信じられないというか、本当に勝っちゃったなというのが率直な感想です。やる前に一人で控え室で音楽を聴いていたら、試合前から一人で泣いちゃっていて、選手に見つかり「はえーよ」って言われて(笑)。
まだ実感はないのですが、みんなで勝って新しい景色を見ようと臨んだ一戦だったので、選手たちに感謝しています。
──なんの曲を聴いて泣いてしまったのでしょうか?
湘南乃風の「応援歌」でした(笑)。清水誠也が音楽担当で、一人でご飯を食べていたのですがしんみりしちゃったので、テンション上がる曲にしろと怒りました。
──攻めてもバーに嫌われ、相手に流れが傾いていた空気をどう感じていましたか?
和也にも「お前が決めるしかない」と声をかけていて、内村俊太選手が退場したのは想定外でしたが、「パワープレーをしないで勝つ」と話していました。でもそれで本当に決めちゃう和也がすごいですね。
──ホームの湘南戦では勝利しましたが、その試合はうまく攻撃できていなかった。今日は攻撃面でチャンスをたくさん作れていて、準備時間がほとんどない中で対策もあまりできず、どんなことを意識しましたか?
ピヴォとフィクソの勝負だと思っていました。ホームでうまくいっていなかったのは内村選手が素晴らしいフィクソで、(ピヴォが)うまく機能しなかった。自分はピヴォ攻撃で、清水和也と誠也、岡村康平で勝負していくと。時間によっては吊り出して裏のスペースを使っていくとも話していたので、相手を見ながらやってほしいと選手を信頼してピッチに送り込んでいました。
──オーシャンカップからリーグまで振り返るとどんなシーズンでしたか?
龍太や新加入選手もいる中で、試行錯誤しながらチームづくりをしていました。シーズン終盤の一体感は一人ひとりがチームのために練習からやってくれて、それがドラマを呼んで、選手権もチームの雰囲気がそのまま出たと思います。
──須賀雄大監督からバトンを受けて2年間、順風満帆じゃなかったと思いますが、やるべきことをやる、走る、フウガイズムを感じました。それは監督の手腕なのか、チームに受け継がれている血なのか。どこに要因を感じていますか?
ゴールに向かう、守るフットサルが好きという気持ちをチームとして一人ひとりが体現してくれました。選手がやるべきことをやってくれたというだけです。素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたと思います。
──メンバーに入れなかった佐藤雄介選手などの選手の振る舞いも素晴らしかったです。彼らのチームへの貢献度はいかがですか?
川崎柊音、佐藤雄介、甘利斗亜も練習から準備を率先してやってくれていますし、声も出してくれて。選手もSNSなどでも発信していますけど、陰で支えてくれているのは出ているメンバーの後押しをしてくれた。いつケガ人が出てもいいように準備をしてくれていた。それも日本一を取れた要因だと思っています。
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