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作成日時:2023.06.01
更新日時:2023.06.01

【新天地を求めたものたち】自衛隊でミサイル迎撃部隊勤務からお寺の仏具清掃。異色のキャリアを歩む福田亮が地元凱旋を決めたわけ

PHOTO BY高橋学/エスポラーダ北海道

Fリーグ2023-2024 ディビジョン1の開幕が開幕した。今年も多くの選手が新天地を求め、新シーズンの活躍に注目が集まる。

エスポラーダ北海道に移籍した福田亮もその1人。自衛隊を辞めて、フットサルを求めて関東に移住してからペスカドーラ町田アスピランチ、ペスカドーラ町田、しながわシティと強豪クラブでプレーし大きく成長した。

5年ぶりとなる地元・北海道でのプレーに、「ジエイ」は何を思うのか。これまでのキャリアの振り返りとともに、新天地での意気込みを語ってもらった。

新天地を求めたものたち|特集

インタビュー・文=川嶋正隆

※インタビューは2023年5月4日に実施しました

「いつ北海道に戻ってくるんだよ?」移籍を決断した室田祐希からの一言

──2018年にペスカドーラ町田アスピランチに加入してから、約5年ぶりに北海道へと戻ってきました。久しぶりの地元はいかがですか?

最高ですね。今は実家で家族と住んでいて、周りには友人もいて、安心できる環境です。今年は身近な人たちがたくさん観にきてくれるはずなので、そのなかでプレーできることは楽しみでしかないです。

──東京に出てきた時から「いつかは地元でプレーしたい」という思いは強かった?

アスピランチ(町田の下部組織)時代はそんなことは考えていませんでした。「最後はエスポでプレーしたいと思うのかな」と、ぼんやり考えていたくらいです。

──その思いが変わったきっかけは?何か理由があったのですか?

(室田)祐希くんがペスカを出て、エスポに移籍してからも連絡を取り合っていました。そのなかで「いつ北海道に戻ってくるんだよ」という話をされて、僕のことを必要としてくれているんだなと。「もう一度祐希くんとプレーしたい」と思っていましたし「必要とされるところでプレーしたい」という思いも強くなって、北海道に帰ろうと決断しました。

──地元に戻ってきたことでご家族も喜んでいるのでは?

長く北海道から離れていたので、喜んでいます。特におばあちゃんがめちゃくちゃ喜んでくれていますね。

──以前、福田選手のご祖母様が会場で応戦している様子が、ABEMAの中継に映っていました。 毎試合チェックされてるんですか?

町田の時もしながわの時も、毎試合チェックしてくれていました。僕がいなくてもエスポの試合を観に行っています(笑)。60歳を超えていますが、めちゃくちゃ若くてTwitterを活用してよく呟いたりしていますね。

──お若いですね!そういうご家族の応援は力になると思います。

おばあちゃんだけでなく、家族もすごく応援してくれていて、グッズがあればすぐ買ってくれます。ゲーフラや横断幕は各チームごとに準備してもらいましたし、ありがたいですね。

──北海道バージョンの横断幕も楽しみですね! 北海道に戻ってきてまだそれほど日が経っていませんが、今はどのような生活をされていますか?

練習以外だとお寺でバイトしてますね。

異色の経歴に新たな1ページ、今度はお寺で仏具清掃

──えっ? お寺ですか?

はい(笑)。境内の掃除や金ピカの仏具を掃除したり、その敷地内にあるカフェのお手伝いをしたりしています。

──仕事をされながらプレーされている選手が多いなか、お寺で働いている方を見たのは初めてです(笑)。

お寺の住職さんは母親の知り合いで、(北海道)コンサドーレ(札幌)のサポーターです。スポーツ選手を応援してくれていて、「暇な時はおいで」と声をかけてもらいました。ただ、残念なことにエスポの試合はまだ観たことがないそうです。

──福田選手がエスポで活躍すると、住職さんも観戦にいらっしゃるかもしれませんね。

そうですね!気にしていただけるように頑張ります(笑)。

──今回のお寺でのお仕事も驚きですが、福田選手といえば自衛隊で勤務されていました。自衛隊時代は幼少期から続けていたサッカーをされていたと伺っていますが、どのようなサイクルでプレーされていたのでしょうか?

自衛隊の勤務が17時に終わって、週に1、2回ほど人が集まれば練習をするという感じでした。集まっても10人ほどなので、満足いく練習はできません。グラウンドでプレーすることも少なく、少人数で集まって体育館で練習する日々でした。

少ない練習をしながら、土日のどちらかに組み込まれていた試合に出場する。それは自分が思い描いていたような活動ではありませんでした。

──以前、話を伺った時には「サッカーをしながらお金がもらえると聞いたので入った」とおっしゃっていました。プロのような環境でしたか?

現実は違いましたね(笑)。自衛隊の勤務に対してお給料が発生し、サッカーでお金をもらうことはありませんでした。お金のことよりも、思っていたような活動が全然できなかったので、そこは残念でしたね。

フットサルに導いてくれた恩師との出会い

──そこからフットサルプレーヤーに転向するわけですが、北海道Corrida・de・Torosで1年間プレーされています。これは自衛隊に勤務しながら?

そうです。知り合いからワンデイ大会に助っ人として呼ばれて、そこでCorridaの佐久間一貴さんに出会いました。そこから「一緒にやろう」と言われて、チームに入って試合にも出ていました。

──町田のセレクションを受けたのも、佐久間さんからのプッシュがあったからとおっしゃっていました。フットサル選手・福田亮にとって佐久間さんは欠かせない人ですね。

めちゃくちゃ大きな出会いでした。自分ではフットサルもやれるという自信はありましたが、その出会いがなければセレクションを受けていないので。僕にとっては大きな存在です。

──北海道に戻って連絡はされましたか?

一回ご飯に行きました。「お前帰ってくんのか? ちょっと早いんじゃないの」と言われましたけど。「エスポで頑張ります」って伝えました。北海道で成長した姿を見せられるように頑張ります。

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