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作成日時:2023.06.06
更新日時:2023.06.06

【第2節|記者会見/横浜vs湘南】ストライカー“10番”が退団も、驚異の2試合13ゴールの得点力を見せる湘南・伊久間洋輔監督「ロドリゴの“穴埋め”ではなく、一人ひとりが今持ってるものを出す」

PHOTO BY高橋学

4日、Fリーグ2023-2024ディビジョン1の第2節、 Y.S.C.C.横浜vs湘南ベルマーレが行われた。

互いに激しい攻防が続くなか、14分にコーナキックを迎えた湘南は、内村俊太からのボールを中央の萩原真夏が決めて先制するも、直後に失点し1-1に追いつかれる。16分にはセットプレーから逆転を許したが、直後の18分、カウンターから内村→山﨑歩夢とつないで、堀内迪弥が滑り込みながらファーで合わせ、2-2で試合を折り返した。

第2ピリオドは、31分に再びコーナキックで内村からのパスを堀内がボレーでネットを揺らし湘南が逆転に成功。アウェイで勝ち点3を持ち帰りたい湘南だが、残り1分で同点弾を許し3-3でゲームは終了。今シーズン最初の“神奈川ダービー”は引き分けで幕を閉じた。

試合後、キャプテン・フィウーザと伊久間洋輔監督が記者会見に出席した。

お互いに気持ちを見せた

●フィウーザ|湘南ベルマーレ

──試合を振り返って。

みなさんこんにちは。今日のゲームはベルマーレも横浜も気持ちを見せ、よく頑張った試合でした。前半も後半も互いに良いゲームでしたが、残り1分で横浜にゴールを決められ引き分けになったことは少し残念です。ベルマーレのサポーターも横浜のサポーターも素晴らしかったです。今日のことは切り替えて、来週のボルクバレット北九州戦に向けて頑張ります。

強いチームは「個」が違う

●伊久間洋輔監督|湘南ベルマーレ

──試合を振り返って。

ABEMAさんの放送もあり、会場でもたくさんのお客さんがいるなかで試合できたことに感謝しています。横浜は非常に好調で、他のチームよりも仕上がっている印象も強く、今日は今シーズンのリーグを戦を占う試合だと捉えて臨みました。

鬼門の先制点を奪えたことは非常に良かったですし、逆転されましたが追いついて、さらに逆転できるような流れもつくることができたので、自分たちの力がついてきたなと感じた試合でした。課題は昨シーズンから引き続きパワープレーのディフェンスですが、そこも次に向けてしっかりと改善していきます。

──ハーフタイムではどんな話をしたのでしょうか。また、横浜が第2ピリオドをセカンドセットでスタートして、そのあとすぐに湘南もセットを変えました。そこはかみ合わせを見ての判断ですか?

ハーフタイムに関しては、我々がやろうとしていることはできているぞ、と。失点もしましたが、堤(優太)選手と菅原(健太)選手へのボールはそこまでやられたわけでもないと思いますし、そのままいこうと。うちが後半の頭に得点できれば、勝利に近づくという話をしました。すぐ交代した意図は、堤選手にはうちの山﨑(歩夢)のスピードがあるので、彼をつけて抑えることがかみ合わせとしては有効的かなと思ってのことです。相手がセカンドセットを当ててきた狙いについては、ちょっと聞いてみたいですね。

──「仕上がっている」と感じた横浜に対しては、どのようなプランを立てられましたか?

横浜の定位置攻撃は本当に整備されていて、全員でしっかりと再現性の高いチームプレーを仕掛けてくるなか、菅原選手へのボールを切ることがまずは今日のメインの部分でした。ただ横浜のセカンドセットもボールを持てますし、判断もいいですし、そこに対してはうちのセカンドセットともいい勝負になったなという印象です。オフェンス面でも拮抗する試合になることはお互いに予想していたと思いますが、セットプレーでうまく点を取れれば有利に進められるぞという話をしました。

──今日は靏谷春人選手を多く使っていたように見えました。

山﨑が試合にずっと長く出る選手ではなかったので、そこを踏まえて代えたことで出場時間が長くなりました。特に彼を入れて何かをしようという作戦ではなく、山﨑を休ませる点が大きかったですかね。

──今シーズン、ロドリゴ選手が抜けた穴は小さくないと思います。一方で、試合を見ていると選手も自分がやるぞという自覚が見えるプレーをしていて、状態としては悪くないのかなと感じました。監督としてはここまでのチームをどう見ていますか?

1シーズン目は途中からの就任でしたが、僕が監督になってFリーグの試合や名古屋の試合を見てきて、強いチームとは、「個」が違うなと。これだけ情報が飛び交うなかで、戦術はある程度、網羅されています。ということは「個」を100%出させればうちの100%が出ると考えています。

僕がユース世代やサテライト世代をずっと見てきたなかで「個」を出せない選手がけっこういるんですよね。それはトップチームでも同じでした。とにかく恐れずにチャレンジするという、我々が大事にしている「SBFCの精神」っていうものがあるんですが、失敗は当然ありますから、自分が何に強いレーヤーなのかを常に自問自答して、それをこの舞台でやらなければ選手でいる意味はないと常々伝えています。

例えば春人がドリブルで勝負するとか、迪弥が前でボールを収めてシュートを決めるとか、それをしないならピッチにいる意味はないですよね。彼らだけではなく、全選手が持っているものがあるので、それを引き出すためにコミュニケーションを図っています。選手のなかでも自分がやりたいプレーと自分が出せるプレーが違う場合もありますし、僕からの要望に対して現状はそれができているのか、やるためにはどういう努力をするのか。そういうことを話しながら、水準を満たしていなければ試合には出られないし、達していれば出られるという単純な話です。試合に勝つ負けるは別の話だと思っているので、とにかく最優先は彼らに全力で挑んでもらうことですね。

なので、ロドリゴはもちろん、(2021シーズンの)得点王であり、素晴らしいプレーヤーでしたが、その穴を埋めろということではなくて、一人ひとりが今持っているものを出してほしいと選手には伝えています。3月の全日本選手権あたりからみんなが思い切ってやっていると思いますし、オーシャンカップも敗退しましたが力を出せて、シーズンに入ってもプレーを続けていると思っています。誰を出しても、チームも個人も見てる人も楽しむことにフォーカスして日々トレーニングをしています。

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