更新日時:2023.07.11
名古屋・宮川泰生が頭部外傷で一時、意識不明となり緊急搬送。「1日も早く復帰できるように」本人とクラブが無事を報告し、脳震盪後のプログラムに沿って復帰を目指す
PHOTO BY勝又寛晃
9日、Fリーグ2023-2024ディビジョン1の第7節、名古屋オーシャンズvsシュライカー大阪で選手が頭部を強打して一時意識を失い、緊急搬送されるアクシデントが起きた。当事者の名古屋・宮川泰生と、大阪・清水寛治は現在、無事が確認されている。
試合が約40分間中断
選手の接触事故が起きたのは、名古屋が1-2で1点を追いかける第2ピリオドの15分のことだった。今シーズン、開幕から6試合で全勝中の名古屋は残り7分からパワープレーを開始。相手陣内に押し込んでいたが、ピッチに立っていた宮川は、相手ボールになったところで帰陣し、大阪が前線に蹴り込んだボールに対処するため落下点へと走り込んだ。
その際、ボールを受けようとジャンプした大阪・清水寛治と空中で互いの頭部を強打し、顔面を叩きつけるように落下した。
ピッチに倒れ込んだ宮川は、当初は腕を動かす素振りを見せていたが、その後、ぐったりとして意識を失ってしまった。すぐさまドクターが駆けつけて容体を確認していたが、宮川を心配する選手たちからは「救急車!」の声が飛び交うなど、会場内は騒然とした状態となっていた。その後、選手の手を借りながら宮川は担架でピッチを離れた。
場内には「選手の治療中のため試合を中断しております」とアナウンスが流れ、選手はいったん、ロッカールームへと引き上げた。その後、名古屋は公式SNSを通して「宮川選手は意識を取り戻しましたのでご報告いたします」と投稿。試合は40分弱の中断となったが、安否が心配された宮川の無事が確認され、試合は再開した。
名古屋は最後まで同点、逆転を狙って攻めたものの、大阪の守備を崩すことができないままタイムアップ。大阪が名古屋の連勝を止めたことは大きなトピックとなったが、試合後、選手に笑顔はなかった。
試合後、クラブは公式ホームページで「頭部外傷により約1週間の安静。 脳震盪後のプログラムに沿って復帰を目指します」と報告。宮川本人も自身のSNSを更新するなど、ファンにひとまずの無事を伝えた。
宮川は意識を失ったとされていることからも、脳震盪を起こした可能性が高い。これはすぐに症状が現れない場合でも時間をかけて悪化するケースもあるため、脳震盪やそれが疑われる場合、適切に対処することが必要になる。
復帰へのプログラムは、日本サッカー協会でも明確な指針が示されている。完全な休息から始まり、軽い有酸素運動、スポーツに関連した運動、接触プレーのない練習、接触プレーを含む練習など段階的な活動で復帰を目指す。
また、宮川と接触して頭部を強打した清水について、大阪は「帰阪後、病院受診しCT撮影の結果頭蓋内の異常はありませんでしたのでご報告させていただきます」と報告。頭部への受傷のため復帰プログラムを進めることになる。
チームの中軸選手である両名が無事だったことを喜びつつ、回復と競技への復帰が待たれる。
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