更新日時:2023.08.01
【F1第10節|記者会見/立川vs横浜】“不動の1stセット”が崩れ、采配の迷いを吐露。横浜・鳥丸太作監督「自分の力のなさを痛感した」
PHOTO BY高橋学
7月28日、Fリーグ2023-2024ディビジョン1の第10節、立川アスレティックFCvsY.S.C.C.横浜が行われた。
前節終了時点で6連勝を挙げて、2位につけていた横浜。彼らにとってこの試合は、真価を問われる一戦だった。
ここまで好調なチームを支えてきたのは、高橋響、安井嶺芽、堤優太、菅原健太で構成される不動の1stセット。しかし今節は高橋が累積警告で出場停止となり、チーム力が試される試合になった。
結果は、接戦の末4-5で敗戦。一時1-4とスコアを突き放されながら、田村佳翔のハットトリックと菅原のゴールで追い詰めたが軍配は立川に挙がった。
試合を終え、鳥丸太作監督と堤優太が記者会見に出席した。
セットの変化は覚悟していた
●Y.S.C.C.横浜|鳥丸太作監督
──試合を振り返って。
いつも言ってますが、勝ったら嬉しいですけど、負けたのでとても悔しいです。なにが悔しいかというと、選手の力を全部発揮させてあげられなかったこと。今日は高橋(響)が(累積警告で)いなかったということで、いつもと違うセットで臨まないといけなかったなか、今日はトレーニングで組んでいたセットで臨みました。「今日は試合のなかでセットを変える可能性もある」というアイディアが僕のなかにあって、それを選手に伝えたけれど、試合をやっていくなかで選手に迷いを生じさせてしまったのかなという思いがあります。
選手はどう感じたかわからないですけど、例えば堤選手は皆さんがご存知の通り、すべてに長けている選手です。うちには攻撃でゲームを動かせる選手がいるので、その選手を違うセットに入れるアイディアもありました。
ゲームはシンプルに、思い切ってやることが大事ですけど、試合の展開やみんなのプレーぶりを見て「やっぱりトレーニングでやっているセットでいこう」と僕のなかで(考えを)変化させてしまった。
自分のなかでのいろいろな葛藤があって、それを吐き出すのに長々となってしまって申し訳ないですけど……。ゲームに負けたことよりも自分の力のなさを痛感したことが一番悔しく思っていて、選手にはいつもどおり感謝しています。
──出場停止の高橋選手に代わって伊藤玄選手を1stセットに組み込む選択をされた理由と、2ndセットの田村佳翔選手がハットトリックを決めましたが1stセットの選手に得点が生まれなかった要因をどのように感じていますか?
累積警告や怪我人が出た時のセットの変化は覚悟していたところです。僕が伊藤選手をそこに当てた理由としては、彼は彼らの力をうまく引き出してくれる選手です。例えば、(昨季の)最終節の湘南ベルマーレ戦で、堤選手がボールを持った時に伊藤選手がロドリゴ選手をブロックして、それがきっかけでゴールが生まれました。あとは練習のなかでも、すごくハマりがよかった。
ただ、実際のゲームになった時にしっかりボールをもてるとか、ボールポゼッションができるというのはすごく些細なところで変わってしまいます。それはわかっていたつもりですけど、そこを読みきれませんでした。多分、伊藤選手もストレスを抱えてしまったと思っていて、そういう意味でも選手の力を出させてあげられなかったと感じます。(1stセットに)ゴールは生まれなかったですけど、試合が終わったばかりの印象で言っても惜しいシーンはたくさんありましたし、ゴールになってもおかしくないシーンはありました。いい意味で、こういうゲームをきっかけに改善して、連敗しないよう僕らは自分たちのフットサルを信じて、一つひとつのゲームをやるだけです。
──リーグ戦がこれから長く続いていくと、今回のように出場停止になる選手や怪我人が出てくるかと思います。とても完成度の高い1stセットがあるなか、そこに違う選手を組み込むプランもこれから考えていくのでしょうか?
今ここでガッチリと決めてるわけじゃないですけど、今日みたいな展開はある。イエローが溜まっている選手もいるので、混ぜていくプランはあります。物理的に混ぜないと成立しないですし、ただそれは、できればトレーニングのなかや、勝っていくなか、中断期間中に少しずつ試していきたいなと思っています。
──3失点目はGKの矢澤大夢選手と井戸孔晟選手を入れ替えた直後に決められてしまいました。GKの足元の技術も使いながら攻めていこうという意図だったのでしょうか?
そうですね。足元の技術は矢澤選手もすごくいいですけど、井戸選手は機動力といいますか、自分で持ち運べる力もあるので、とても信頼しています。どの選手にも思っていることですけど、やはり彼にも出場するチャンスを与えたいと毎試合思っています。名古屋オーシャンズ戦は彼の出場からいい流れにあった実績もあったので、選択して出した後悔は全然ないですけど、先ほど言ったように1週間のなかで「こういうプランもあるよ」と選手には伝えておくべきでした。僕のなかでは、井戸選手の能力は選手のなかでも信頼されている実感があるので、「うまくアジャストできるかな」というところと、僕のなかでも勇気を出してチャレンジした部分でもあるので、うまくいかなかったことは残念ですけど、そこに関して特に後悔はしてないです。
──後半戦が始まった直後にセットを入れ替えていました。相手との噛み合わせを考えてメンバーを変えたのか、どんな狙いがあったのでしょうか?
前半での相性を見た時に、堤選手がいるセットが1stセットだとしたら、僕らの今日の2ndセットは相手が4枚でクワトロというシステムを使ってきた時の後ろからの押し上げといいますか、うちは複数のラインをつくりながらディフェンスをするんですけど、遠い選手の押し出しで、リッツィ選手が後ろから頑張って出ていって強く寄せることがあったと思いますけど、そういうところのディフェンスのハマりを考えてですね。
あとは、36番の湯浅拓斗選手が出てきた時はシンプルに3-1でやってくるので、そこに伊藤選手を当てて、シンプルに対人で勝負する方が伊藤選手の力が発揮しやすいのかなと思いました。途中、反転されたシーンもあって、うまくいったところとうまくいかなかったところがあったと思いますけど、そういう意図をもっていました。
要は相性ですね。後半は試合を動かしたかったので、噛み合わせを変えてみたり、いろいろ工夫はしてみましたけど、「もうちょっといい判断ができたんじゃないか」と思っています。
前半は僕らのセットが固かった
●Y.S.C.C.横浜|堤優太
──試合を振り返って。
平日の金曜日にもかかわらずたくさんのサポーターに来ていただいて、いい雰囲気でできたことに選手としての喜びと燃える気持ちがあったなか、試合は負けてしまって非常に悔しい思いがあります。試合の流れ的には、前半は僕らのセットが固かったかなという印象です。後半は2点差だったので「どんどんいこう」と割り切って、一度流れが来ましたけど、そこで決めきる力がありませんでした。ここまで6連勝できましたけど2連敗は避けたいので、来週に向けていい準備をしたいです。
──昨季の横浜は1試合平均2.5得点で、今季は前節終了時点で平均4.5得点と得点力が上がっています。堤選手としては、ゴールを奪えるようになってきた要因をどこに感じていますか?
「点を取りたい」という気持ちは選手一人ひとりもっていて、自陣でボール回したあとの敵陣でのクオリティは昨季から課題でした。そこは日頃のトレーニングから常に意識してやってきて、今回僕らのセットでは点を取れなかったですけど、2ndセットの佳翔くんが点を取れるというのは一つの強みだと思います。僕らも助けたいですし、助けられる部分はあるので、僕らは昨季より気持ちがだいぶ違うかなと思います。
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