SAL

MENU

作成日時:2018.12.02
更新日時:2019.01.19

【F1第25節/湘南×立川・府中】勝敗よりも選手に気持ちの部分を問う「全員がバカになってやれなければどうやって勝つ?」(湘南 奥村敬人監督)

PHOTO BY軍記ひろし

12月2日(日)、DUARIG Fリーグ2018/2019 ディビジョン1の第25節、湘南ベルマーレvs立川・府中アスレティックFCが南足柄市体育センターで行われ、1-0で立川・府中が勝利した。

金太郎の故郷と言われる南足柄での開催となった一戦。立ち上がりから主導権を握ったのは湘南で、鋭い寄せから高い位置でボールを奪いショートカウンターで立川・府中のゴールにシュートを浴びせて行く。しかし決めきれずにいると15分に失点を喫して試合を折り返した。

後半も湘南がペースを握るもゴールが遠い。38分には相手のバックパスからチャンスをえるが、内村俊太がずらしたボールからロドリゴがシュートを放つも相手のブロックに阻まれる。直後には植松晃都をGKに置いたパワープレーに入ったが最後までゴールを奪えずに終了。プレーオフを争う3位の立川・府中との直接対決に敗れた湘南は、勝ち点差が5ポイントに広がった。

勝敗よりも大事なこと

奥村敬人監督(湘南ベルマーレ)

昨日、JリーグのベルマーレがJ1に残留して嬉しいですし、その流れでたくさんの方がきてくれて後押ししてくれましたがなんていう試合でしょうか。正直に。あれだけシュートを打ってチャンスがあっても入らない。こんな試合もあるんだなと思いました。

こういう日だったとしか言いようがないです。選手は良くプレーしましたが、相手のクロモトも素晴らしかったですし、体で最後に止める立川・府中の選手も素晴らしかったと思います。とはいえこんな試合があるのかなと思うくらい点が入りませんでした。

プレーオフに対しての思いがうちよりも立川・府中の方が強かったのかなと。チームとしての一体感が相手の方があったのかなと思います。そういう雰囲気をチームの全員、指先から足先まで伝えられなかった僕の責任だと思います。

あと一歩で彼らは我慢して、あと数センチでこちらは点が取れなかった。そういう世界で、選手も僕もわかっていることです。嫌な予感はしていました。みんなでやってやろうというこの試合の大切さを全員でわかった中で、ベルマーレのビックウェーブで相手を飲み込むところまでの雰囲気にできなかったことが今日の敗因かなと思います。

監督力です。そこまで選手に体当たりしてでも伝えて、選手の手を引っ張ってタッグを組めなかったところだと思います。選手は一生懸命やってパフォーマンスも良かったですが、僕が谷本に負けたというところです。

──今日の守備はハーフに引いているようだったが、その意図は

立川・府中はカウンターに弱い、スピードがないので、こちらにおびき寄せてカウンターを狙う。それでGKとの一対一や数的優位が何度ありました。挟み込む時のエラーもありましたが、狙い通りに進みました。

後半は点を取りにいかなければいけませんでした。最初に2点ほど取れていればなと。ただ、それは結果論ですし、この世界はそれが全てです。ただ、ディフェンスもオフェンスも表裏一体で、こちらが勝つためのディフェンス。相手が嫌がるためのディフェンスでした。

──これでプレーオフ出場が苦しくなってきたと思うが。

全勝すればいけるんじゃないですか? 他力にはなりますが、全勝しようが全敗しようが、やりきる。たくさんの方々のおかげで僕らは試合ができています。どんな状況でも100%を出すことが僕らの仕事ですし、可能性があれば全力を尽くしますし、、可能性がなくてもやりきるだけです。

──気持ちの部分の差が出たということだが、その気持ちの差はどういう部分で見えるものか。

僕は毎日選手を見ているのでわかりますよ。試合に入りきれてないな、バカになりきれてないなって。今日の試合に関しては正直にそういう部分がたくさんありました。

初めのベルマーレビッグウェーブを歌うときに真剣に歌っていない選手もいる。誰かがファウルされて倒れても、立ち上がって助けようとしない。そういう部分で、僕は正直にわかってしまいます。

毎日接しているので、気分が乗れてないや出られていないのでとか。出られていない時こそ声を出すことがチームワークです。それがなければこういう接戦で勝てません。それが実際にありました。

リードしていたら雰囲気は違うと思います。でもそれは当たり前で、人間は窮地に立った時に何ができるか。このクラブが好きで、みんなが好きで、フットサルが好きで、全員が手を取り合って勝ちに行く。その姿勢がないと勝てません。

そこはすごく残念で、正直にいうと勝った負けたは仕方がない部分です。その日の調子もありますから。ただ、自分の中ではみんなでやりきれなかったことが本当に許せません。それをできなかった自分に対してです。

何が恥ずかしいのだろう。歌うのが恥ずかしい、プレーでミスして恥ずかしい、声を出すことが恥ずかしい。それでどうやって勝つんですか?そこを真剣に、全員がバカになってやれなければどうやって勝つんですか?

一人でやるものではありません。自分の調子が悪ければ何をするのか? それができないのであれば、こういうチームスポーツをやるべきではないです。正直に言っていくらうまくてもそこが穴になります。

そう言った部分が、今日の試合では見えてしまったものがたくさんあって。みんながやれて、その結果負けたのであればそれは仕方ないことだと思います。それができずに負けて、自分に腹が立ちます。なんでそんな選手を入れたのだろう。もっとできるやつがいたんじゃないかって。

チームをまとめてるのは僕なので、戦略をやってるコーチがいて、トレーナーがいて、選手には選手の仕事があります。それをまとめてるのが僕です。そこに持って行けなかったことが、サッカーでいうチョウ監督との違いです。僕もバカになれていないのかなと。

もちろん今日だけのことではないですし、それでも勝ってる試合があって、それは選手たちの力がついてるのでそういう状態でも勝つ試合もあります。ただ、僕はとにかくみんなでやりたいんです。バカになって、必死になって、体張って、声出して、みんなでガッツポーズして、みんなで歌って。

ロンドリーナはそういうチームだったので。みんなフットサルが大好きで、このスポーツを盛り上げたい、このスポーツをメジャーにしたい、このスポーツで食べていきたい。そういう思いでやってきました。それができないのは、歯痒いというか悔しいというか。

好きなのかな、フットサル。僕はフットサル大好きですし、フットサルをバカにするなよと。どれだけ好きで、人生をかけてやってきたのか。でもこれは口で言っても伝わりません。それぞれの捉え方があります。

ただ、そういう思いを持ってやらないとメジャーになりません。他のチームの選手はツイッターで結構呟いていますが、うちの選手は何人やっているんでしょう。本当に盛り上げたいのかなと。

普通にしててお客さんが来てくれるならそれは良いことです。でも実際には来てくれませんし、セントラルをやってもそうです。だったらみんなでやるしかないです。チームだけでなくFリーグ全体で、フットサル界全体でやるしかありません。

Fリーガーで満足しているのか、湘南ベルマーレに所属して満足しているのか。そんじゃなくて、日本が世界で勝つためにこのリーグができたと思います。これは相根さんともずっとしてきた話です。そういう思いを持っていないと終わってしまうんじゃないですかね。

もちろん、全員が全員ではありませんが足りません。それはうちだけではないと思います。僕はフットサルが大好きで、サッカーをやめてフットサルというスポーツに出会って、またボールを蹴る楽しさを思い出させてもらいました。フットサルというスポーツに恩があります。このスポーツで、またボールを蹴る楽しさ、追求したいという気持ち、日本一になりたい、世界に行きたい。

だからこそもっとみんなでやりたいです。でも、それを人に言われてやるのではダメだと思います。自分からやってやる、自分からこのスポーツを盛り上げてやる。人に言われてやるのは、それは本当の気持ちじゃありません。

そこまでやりきれるのか。そこが大事だと思います。今日、勝った負けたの世界じゃないと思います。本当にフットサルが好きなんで。

横澤もそうですし、阿久津も井久間もそうです。他のチームの木暮も伊藤も谷本も須賀も小野寺さんもみんな好きですよ。敵ですけど仲間でもあります。

ただ試合に出てきて、ただお客さんに応援してもらって、それだけじゃ先がないということが見えてきてます。なにかをそれぞれが変えていかないと。こんなに素晴らしいスポーツが、このリーグがなくなってしまうことは絶対に嫌です。

そのためにも一喜一憂せずに自分のやれること。ツイッターもそうですし、選手でいることもそうです。なにを言われようがコツコツやり続けるしかないです。続けなければ終わりですから。

僕は続けたものが勝つと思っています。フットサルには未来がないとやめていったらその時点で終わりです。未来がないかもしれませんが、そんなのは自分で作ればいいじゃないですか。自分たちで、何かを犠牲にして。そのために僕はやり続けます。

刈込真人(湘南ベルマーレ)

勝てば順位が変わる試合で、それをみんなが知っていて臨んだ試合でした。立川・府中もそれは一緒だったと思います。

シュートが入らなくて、気がつけば前半が終わり、後半は先に点を取ろうと話していましたが気がつけば5分を切っている。1点が遠い試合でした。1本入っていれば違うスコアだったかなと思っていて、すごく悔しいです。

パフォーマンスも悪くなかったですし、チャンスはこちらに多くありました。負けましたが、これでプレーオフの可能性が消えたわけではないです。来週のすみだ戦から全部勝たなければいけません。気持ちを1つにして残りの試合に臨みたいと思います。

▼ 関連リンク ▼

  • AFCフットサルアジアカップ2024予選|大会概要・試合日程&結果一覧
  • Fリーグ2023-2024 試合&放送日程

▼ 関連記事 ▼