更新日時:2022.09.27
【アジアカップ|前日会見】木暮賢一郎監督、8年ぶり王座奪還へ準備万端。「監督としてよりも元選手として、彼らの力になれるような話をした」
PHOTO BYAFC
28日からAFCフットサルアジアカップの初戦に臨む日本代表。試合の前日、木暮賢一郎監督のオンライン取材が行われた。
8年ぶりのアジア王者になるべく、初戦の結果、戦い方は非常に大事なものになる。初めてアジアの舞台を戦う選手も多い中、日本代表はここまでどんな準備を進め、木暮監督はどんなことを選手に伝えてきたのか。
サウジアラビアとの初戦を明日に控えた木暮監督に、アジアカップへ向けた意気込みを聞いた。
臆することなく、強い気持ちを持って臨む
──監督として臨むアジアカップを前日に控え、今の気持ちは?
選手として10回、指導者としていろいろなカテゴリーで3回、AFCの大会に参加して今回が14回目ということで、木暮賢一郎としてはホームのような感覚でいます。代表監督としては、この大会の重要性や日本がどういう立ち位置にいて、どんな結果を求められているか一番分かっているつもりです。8年ぶりのチャンピオンになるため、「いよいよ明日から始まるな」という感じでいます。
──クウェートは、木暮監督にとって初めて訪れる国でしょうか?
いえ、名古屋オーシャンズの選手として(2012年に)AFCクラブ選手権の時に一度来ています。泊まっているホテルも同じ場所でしたが、会場は違うと思います。
──公式練習をしてみて、アリーナの印象はいかがでしたか?
素晴らしい体育館ですし、いろいろなところに大会の看板が出ていて、「いよいよ始まるな」という雰囲気です。選手もそうなっていたんじゃないかと思います。
──外は40度近い気候で屋内は空調がかなり効いているため、体調管理でも気を配る必要があるのでは。
体調管理は今のような状況じゃなくとも、大会をしっかり勝ち進むために重要な部分です。その辺りはしっかりとみんなでケアをしている状況。ここまではうまく進んでいると思っています。
──バーレーンとの国際親善試合を戦った後のコメントで「3-0になったところで、4点目、5点目が取れるようなゲームの進め方を改善していきたい」とありました。タイトな日程のなかで、そこに対しての改善はできているのでしょうか?
我々は試合を重ねるごとに間違いなく強くなっている実感があります。掲げている強化のコンセプトは、ゲームをしながら強くなることです。
バーレーン戦に関しては、ブラジル戦後48時間以上の移動があって、現地でリカバリーセッション、通常のトレーニングを1セッションを経てゲームに臨みました。非常にタフな状況でしたが、日本で戦ったブラジルと似たような状況のなかで3点を取って、リードを広げるところはゲームを通じて力をつけた一つの事例だと思っています。
ただその後、点を入れられてしまったので、4点、5点と取ってゲームをしっかり終わらせるためのさらなる強さは追求しています。ですが点を入れられたことは、決して悲観的なことではないですし、第1ピリオドで3点のリードを広げたことは一定の評価に値します。
クウェートに入ってからは、現地の時間にアダプトできていますし、移動やここまでの疲労に対しても大会に向けて回復してきています。理想を言えば、初戦のサウジアラビア戦はリードして追い上げられることなく、少しずつ点差を広げて、優位に進めていきたいです。勝負ごとなのでどうなるか分からないですが、ここまでゲームを通じて改善しているものをいい形で発揮したいと思います。
──サウジアラビアについては、日本で合宿している時から相手の戦い方を伝えていました。かなり前からスカウティングを進めていたのでしょうか?
たまたまですけど、東アジア地区予選の前に対戦していますので、相手もそうですが、情報は持っています。向こうの監督は僕がスペインでプレーしていた時の監督だったという関係値もありますし、初戦は非常に重要ですので、組み合わせが決まってからはしっかりスカウティングを続けて準備を進めています。
──初戦は難しさを感じる部分も多いと思いますが、何がカギになりますか?
選手たちは自分たちのクラブやこれまでのフットボール人生のなかで、「大会の初戦は難しい」、「何が起こるか分からない」と、それぞれの指導者やチームメートに口酸っぱく言われていると思うので、それは全員十分理解していると思います。その上で、自信を持って臆することなく、強い気持ちを持って臨むことが唯一の秘訣です。そういった雰囲気を作れるかどうかが自分の仕事として重要だと思っています。
──今日の練習の後、清水和也選手が「楽しんで」という話をしていました。海外が初めての選手もいるなかで楽しめるような雰囲気は作れているのでしょうか?
チームビルディングができていたか、できていなかったという総括は結果が出てみないと分からないですけど、今の時点では、プランニング通り進んでいる感触があります。
監督であれ、選手であれ、誰もが初めてな時というのはあります。代表OBとしてこの大会を熟知している自負はありますので、昨日のミーティングでは、監督としてよりも一人の元フットサル選手として、彼らの力になれるような話をしました。それがどの程度、彼らの助けになっているか分からないですけど、すべての年代を代表で過ごせていますので、その世代の視点で自分が感じたことや、どういうチームがチャンピオンになったかというのをすべて伝えました。
──初戦はアジア特有の雰囲気やファウルの基準になれる必要もあると思います。そこに関してはどんなことを伝えましたか?
アジア独特の違いがあるということは伝えてはいます。新しい代表チームになって、初めての国際試合でUAEとサウジアラアという中東の2カ国と戦いました。東アジア選手権では今大会でも同グループの韓国やチャイニーズ・タイペイ、香港、モンゴルといったアジアの国と戦っていますし、先日はバーレンとも戦っています。ヨーロッパの国々とも対戦を計画していましたが、いろいろな事情からブラジル戦以外の7試合は、奇しくもアジアの国々との対戦が続いています。そういう意味では、中東の国と戦えていることはプラスに働くと思います。
あとは、ジャッジのところやオフィシャルの雰囲気への適応は必要になると思いますけど、そこは代表に来る時点でFリーグというものが長い歴史を重ねていて、僕が選手だった時と比べて遥かにスタンダードが上がっています。
また、U-20の代表だったりで今までにない経験を積んでいる選手が多いので、入り口としてかなり進んでいると自分は信じています。初戦への警戒心を持ちながらも、自信を持って選手たちはやってくれると期待しています。
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