更新日時:2023.08.15
【バーモントカップ優勝インタビュー】セレクションなしの“街クラブ”が、圧巻の50得点で大会初出場&全国制覇!埼玉・ヴィオレータFC「とにかく点を取りに行く」
PHOTO BYSAL編集部
8月8日から8月10日にかけて、U-12年代の日本一を決めるJFAバーモントカップ 第33回全日本U-12フットサル選手権大会が開催された。
大会最終日の10日には、決勝戦では、ヴィオレータFC(埼玉県)とジンガFC(千葉県)が一戦を交え、8-7の乱打戦を制し、ヴィオレータFCが初優勝を飾った。
例年、埼玉県の常連チームとして出場している江南南サッカー少年団は県予選ベスト16で敗れた。そして、江南南を破ったFCアビリスタを9-2と大差で下し、本大会への出場枠を手にしたのが、佐藤昌吉監督率いるヴィオレータFCだ。
3日間でのチーム総得点は50。1人で22ゴールをマークした10番・亀山陽士の得点力の高さは、予選ラウンドから他チームを凌駕した。大会ベストプレーヤーにも輝いたGK・前田真尋の気迫のセービングも光り、大会初出場ながら全国制覇を果たした。
決戦を終え、佐藤監督と攻守のキープレーヤーが、優勝カップを手にした率直な思いを語った。
目標以上の結果を出せた
●ヴィオレータFC|佐藤昌吉監督
──試合を振り返って。
いや、本当にびっくりですね。チームとしてはこの大会に出るのは初めてでした。予選からの勢いをそのまま決勝まで持ち込むことができました。
──普段から、チームでフットサルをプレーすることはあるんですか?
基本的にはサッカーがメインなんですが、この時期は室内でのフットサルもうまく取り入れながら活動をしています。
──この大会に向けて、特別な指導や声掛けはしましたか?
特にはしていないです。とにかく今もっている自分たちの力を100パーセント、120パーセント出そうという話はしました。もともと彼らは、自分たちの格上のチームに対して闘争心を発揮しますし、勝負強さというのはもち合わせていました。この大会では、ベスト4をチームの目標にして挑んだんですが、それ以上の結果を出すことができました。
──勝負強さという面では、準決勝も決勝も接戦で、点の取りあいになりました。
そうですね。ただそれだけでは勝てないので、とにかく得点を取ることを何よりも意識しました。失点をするのはある程度許容して、それ以上の点を取りにいった試合でした。
──10番の亀山陽士選手は、決勝でエースとしてヒーローのような展開で活躍を見せていました。
この大舞台でしっかり自分のパフォーマンスを発揮してくれて、本人にとってもチームにとっても、プラスになる経験をできたんじゃないかなと思います。
──亀山選手と一緒にベストプレーヤーに選ばれた前田真尋選手は、いいセーブもたくさんして、感情を爆発させている姿が印象的でした。
彼は普段から反応が良いGKです。普段はフットサルコートで練習しているので、ゴールの大きさや感覚もわかった上で今日も守っていたので、そこは良かったのかなと思います。
──逆転されたあとタイムアウトではどんな話をしましたか?
もうまずは、点を取りにいくぞと。あとは子どもたちも大会3日目でかなり疲労も溜まっていたので、あのタイミングで少し休みを入れないと最後までもたないなという判断をしました。
──相手のジンガはサッカーチームとはいえ、上福元俊哉監督の影響もあり、フットサルの攻め方や守り方を所々に採用しているチームでした。難しさを感じたところはありましたか?
専門的なところは難しいですが、今回の大会でいろんなフットサルのチームと対戦をしてきたので、少なからずそこで選手たちもどういう対応をしたらいいかを感じられたんじゃないかなと。だからこそこの決勝という舞台に立って勝つことができました。いろんな学びになった大会だと思います。
──この大会で優勝した経験は、今後にどう生かしていきたいですか?
ただの街クラブですし、セレクションも何もないチームなのでなかなかできない経験です。ただ、今後も集まるメンバーを生かしながら、またこういう舞台に立てるようなチームに少しずつなれたらいいなと思っています。
将来は海外リーグで活躍したい
●ヴィオレータFC|亀山陽士
──優勝おめでとうございます。決勝を振り返ってどうですか?
相手は何度も戦ったこともあるし、馴染みのあるチームでした。もともとは全国ベスト4が目標だったんですけど、昨日勝って、「やっぱり優勝しかないよな」となりました。点を取って取られての難しい試合でしたけど、勝ててうれしかったです。
──決勝でもたくさん点を決めましたが、自分が優勝させるぞという気持ちでしたか?
試合の前半から後半も、自分が点を取ってチームに貢献しようと思っていました。20分間のどの時間帯でも決めれて良かったです。
──勝ち越されてしまった時は、どんな気持ちでしたか?
負けてるんで、熱くなってしまったところはありました。逆にでもまだ時間はあったので、あと1点取ったら同点だし、もう1点取ればでき逆転できるぞと。もう早い段階で点を決めて、逆転優勝を狙おうという気持ちでした。
──ジンガという相手に対して、難しさを感じた部分は何かありましたか?
相手は前半と後半でフォーメーションを変えてきたので、そこに対する作戦をこちらも準備して臨みました。
──全国制覇という経験を、今後どう生かしていきたいですか?
この大会をバネにして、将来海外リーグで活躍できる選手になりたいです。
応援に耳を澄ませて戦った
●ヴィオレータFC|前田真尋
──優勝が決まった時の気持ちを教えてください。
もううれしすぎて泣いちゃいました。
──自分のプレーについて、コンディションはどうでしたか?
かなり良かったと思います。ただ、味方のディフェンスやオフェンスがコースを絞ってくれたからこそのファインセーブなので、仲間にも感謝しているし、それを試合中にも声を出して伝えることを心がけました。
──フットサルでゴールを守るのは怖くなかったですか?
怖かったですけど、楽しかったのでまたこういう大会があったら出たいです。
──ベストプレーヤーに選ばれた気持ちは?
すごくうれしいです。(大会2日目の)エキシビジョンマッチに出た時はみんなからちょっといじられたりもしたけど、試合ではしっかりプレーできたので表彰されてうれしいです。
── 一番印象に残っている試合は?
やっぱり決勝戦です。自分が止めた時よりも、点が入った時のほうがうれしかったです。
──勝ち越しゴールを決められた時は、かなり表情も暗くなってショックが大きかったように見えましたが、あのシーンはどうでしたか?
もう完全に負けたと思っちゃいました。でも、そのあと味方が頑張って点を取ってくれたから助かりました。それからは「ここからは絶対無失点で試合を終わらせるぞ」「絶対に日本一になるぞ」と気持ちでプレーを続けました。
──準決勝は第2ピリオドで味方の応援が近くなりましたが、決勝は逆でした。心細さもあった?
はい。相手の応援もかなりすごくて、相手の盛り上がりにも負けそうになったのでちょっと耳を澄まして、自分たちの応援を聞くようにしていました。
──この経験を今後どう生かしていきたいですか?
夢はプロサッカー選手になることなので、この経験をその第一歩と考えてこれからもがんばります。
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