5年越しのリベンジは……。

お腹がいっぱいになったところで、時間はキックオフの15時に。入場者数は今シーズンのＦ２で最多の1516人！

スタンドには、両チームのファン・サポーターのほか子ども連れの家族がずらり。夏休みということで、近隣の保育園に招待券を配布したそうです。「頑張れー」「いけー！」と子どもたちの声があふれます。

長野との対戦は、2018-2019シーズンのＦ１・Ｆ２入れ替え戦以来、5年ぶりとのこと。クラブのＦ２降格を決定づけた遺恨の相手との負けられない戦いです。

ピッチレベルで試合の実況を務めるのは、2018年まで日本女子フットサルリーグに加盟していた「アスレジーナUNIAOあいち一宮」の元選手である、巽由香利さん。もとい、アグレミーナの10番・巽優太選手と32番・巽翔矢選手のお母さま。

フットサル初観戦でも楽しめるよう、ルールやファウルの説明をわかりやすく教えてくれる一方で、巽優太選手がゴール前でシュートではなくパスを選択すると、「そこ！打たないかあ……。すみません、本音が」なんてちょっと微笑ましい一幕も。

前線からのプレスと持ち前のパスワークで主導権を握るアグレミーナは、9分、山桐正護選手からのパスを石川颯選手がファー詰めで押し込み、先制点を奪います。ゴールとともに、応援席から鳴り響く太鼓やラッパの音が、歓喜の瞬間をさらに盛り立てます。

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— nabe (@nabe_mfs) August 19, 2023

1-1で試合を折り返した浜松ですが、第2ピリオドは長野に押し込まれる展開となり、23分、24分に続けて失点を許してしまいます。1-3で残り5分を迎え、浜松がパワープレーに踏み切ると、子どもたちも通路を行き来しながらアグレミーナコールを送ります。

選手たちも声援に応え、39分には意地の1点を返したものの、パワープレー返しとPKを決められたアグレミーナは2-5で敗戦。5年越しのリベンジは、12月の最終節に持ち越しとなりました。

敗戦に染みる、麺と酒

選手と監督への取材を終え、長野の見送りを終えたどくさんと、落ち込むコールリーダこーちゃんと合流します。

「僕たちには今、麺と酒が必要だ」。

向かう先は、青木が事前にリクエストした、『一文字 結 （ゆい）』。浜松アリーナから歩いてすぐのラーメン屋さんです。

時間は18時過ぎと夜ご飯には少しだけ早い時間ですが、お店の前には順番待ちの列が並んでおり、ちょっと圧が強めな女将さんからは「先に注文を決めてください〜」と要求されます。

しかも、並んでいる途中で「今日は、今いるお客さんだけでおしまいです」とのアナウンスがかかりました。営業時間を調べると11:00〜14:00と、17:00〜20:00までとなっていましたが、売り切れ商品が多かったのか、夜の営業はまさかの1時間で閉店。そんなトラップが仕掛けられているとは。

各自注文を終え、至極の1杯が到着。青木は『春菊中華そば』を選びました。黄金に輝くあっさりスープと、春菊の香りやほろ苦さが絶妙にマッチ。ハートに切り抜かれた海苔も遊び心が満載です。

ちなみに、こーちゃんは胡椒の効いた醤油ベースの『浜松ブラック』、どくさんは静岡茶が練り込まれた茶そばを使った『静岡てっぺんラーメン』を啜り、浜松駅へと向かいます。

行きと同じく自由席で新幹線に乗り込むと、隣に座ったこーちゃんがおもむろにある物を取り出します。

「ひかさん、ぜひこれを一緒に飲もう」

いつの間に購入していた小さなカップに注がれたのは、静岡県の花の舞酒造でつくられた、日本酒『アビススパークリング』。飲むのは大好きだけど、そんなにお酒が強くない私でも飲めるのか！？

「乾杯！完敗！」

口元こそ笑顔が見えるものの、お目目はまだしょんぼりしているコールリーダーと一緒に、ごくっとアルコールを流し込みます。

「え！めちゃくちゃ飲みやすい！」

爽やかな酸味とシュワシュワの炭酸が絶妙にマッチしていて、日本酒が苦手な人や慣れていない人でもきっと美味しく飲める一杯です。アルコール度数は12%と低め。いつもは日本酒を一口飲んだ瞬間顔が熱くなってしまう私でも、へっちゃらです。

「これも食べてみて！」

お酒のアテまで用意していただき、私は何でお返しすれば良いのでしょう。

こちらは、味噌をしその葉で包んだ、静岡・遠州地方の伝統名物「しそ巻き」に浜納豆が練り込まれた『浜納豆みそ巻き』。

パクッと一口食べると、粘り気のある甘じょっぱい味噌がお口に広がります。ただ、納豆特有の味や臭みは全く感じられず、「これ本当に納豆入ってるの！？」とラベルを見返してしまうほど。初めての食感も楽しく、「もう一個食べたいです」とおねだり。なかなかのがめつさ。

ちょびちょびとお酒を嗜みながら、ポツポツと今日の試合の振り返りが始まります。

青木　「前半は浜松ペースだったし、たくさんパスが回っておもしろかったんですけどね。先制もしたけど、長野強かったですね」

こーちゃん　「いやあ手堅かった。今日の負けはけっこう凹むね。サポーターとしてはさ、やっぱり勝ちたいのよ。どんなにいいフットサルをしててもさ、勝たないと……」

青木　「今日でちょっと勝ち点差も開いちゃいましたもんね」

こーちゃん　「そうね……。でも、地力が上がってるのもわかってるから、余計に悔しいのかも。前だったら、応援はもちろん全力でするけど、終わったあと『まあよくやったか』ってなってたかもしれない。やれると思うからこそだね。もう12月に長野のホームで、優勝争いの足を引っ張るしかないな！」

そんなこんなで、新横浜駅に到着。後ろの席に座っていたどくさんとこーちゃんは東京駅まで向かうので、ここでお別れです。

こーちゃん　「ひかさん、ぜひまた来てね！」

あっという間のプチ遠征は幕を閉じ、ほろ酔い気分で帰路に着きます。

「次は『お弁当どんどん』と浜松餃子を食べなきゃだめだな。あとはアグレミーナが勝って、選手の笑顔が見れれば完璧だ」

初見でも、アイドルファンでも、他クラブサポーターがひょっこり来ても、みんなが「ONE」になれる場所。

そんな浜松アリーナに、ぜひ一度、足を運んでみてくださいね。

■アグレミーナ浜松ホームゲーム

9月24日（日）

10月28日（土）

11月18日（土）

12月16日（土）