更新日時:2024.01.13
【F1ファイナルシーズン|記者会見/湘南vs横浜】2点リードするも、逆転で大敗。横浜・鳥丸太作監督「選手権に向けてもう一度気持ちを入れ直す」|下位リーグ第27節
PHOTO BY本田好伸
1月12日、墨田区総合体育館にてFリーグ2023-2024ディビジョン1ファイナルシーズン下位リーグ・第27節が行われ、湘南ベルマーレとY.S.C.C.横浜が対戦。横浜は2-6で敗戦した。
名古屋ラウンドで勝ち点4を獲得し、勢いにのる横浜。立ち上がり4分、カウンターから相手GKと3対1の場面に。今シーズン限りで引退する田村佳翔のアシストから、最後はロドリゲス・リッツィ・ガブリエルが決め切り先制点を上げる。8分には左サイドから相手の裏を抜け出した高橋響が、ボールを相手GKの股下に流し込みリードを広げる。しかし15分にゴレイロ・井戸孔晟のパスが奪われ、失点。さらに第1ピリオド終了間際にミドルシュートを決められ、2-2で試合を折り返した。
第2ピリオド、再びリードを奪いたい横浜だが23分に逆転を許すと追いかける展開に。得点のチャンスを生かせずにいると、30分に追加点を決められ2点差に離される。残り5分でパワープレーを選択も、パワープレー返しからさらに2失点。6失点を喫す大敗で今シーズンの最終節を終えた。
試合を終え、鳥丸太作監督と伊藤玄が記者会見に出席した。
自分に怒りが湧く
●Y.S.C.C.横浜|鳥丸太作監督
──試合を振り返って。
まずはたくさんの方に見ていたただいて感謝しています。応援してくれたことは今の時期、とてもありがたいことです。
言いづらいことをお伝えすると、見せられる試合じゃなかったなと思います。振り返って気づくのは簡単ですけど、僕も含め100%このゲームに力を注げたのかというと疑問が残ります。パワープレーの準備もしてきましたし、失点は試合に付き物ですが、その時のチームの立ち振る舞いは応援されるべきチームのものではなかったように思います。
もしかしたら、あの振る舞いでもたまたま勝てる試合があるかもしれませんが、勝つべきではない。1番は自分に矢印が向いていて、選手のモチベーションを管理するのも私なので、自分に怒りが湧きます。
前向きに考えるのであれば、まだ選手権という価値の高い大会が残っているので、今日の試合をみんなでもう一度気持ちを入れ直すためのいい薬だと思って、つなげていきたいです。
──シーズンを振り返って。
シーズンを振り返ると、山と谷があったシーズンでした。一番最初のペスカドーラ町田戦は鮮明に思い出せるような試合で、そこから始まっていい試合が続きました。昨シーズンの積み上げと、田村佳翔の加入により、僕が就任する前とは全く違ったゲームモデルになりました。そこに慣れてきた選手たちの様子も見られて、少ない人数で一体感をもってやれて、自分の取り組んできたことは良かったと最初は思うことができました。
そこから難しかったのは、怪我人や累積があるなかでのチームのバランスや、選手の噛み合わせ。それは他のチームと比べて、決まったメンバーでのセット組みが僕らの特徴だったと思います。そこには根拠があって、短期間で僕が求めている連動を体現して欲しいというのと、決まったメンバーでコミュニケーションをとってほしかった。ピッチ上では僕の満足のいく連動やグループの行動が生まれたのでよかったと思います。
その反面、北野(聖夜)と矢澤(大夢)の怪我が印象的だと思いますが、そこから崩れてしまっていつもなら勝てる展開で勝てず、這い上がることが難しかったです。自信を持てた部分と、ここが難しかったなと思う部分を、両極端に感じることができたシーズンでした。
──今シーズンの課題を今後どのように改善したらいいか。
僕は退任しますが、課題を改善するとすれば今までと同じような練習が多くなると思います。それに対して、理解を深めていくこと。
伊藤選手が言ってくれたように、僕の場合は選手たちにアイデアを与えて、そこから自分で判断して欲しいという思いが根底があります。選手一人一人がレベルアップしていって、個人としてもグループとしても精度と強度を上げていく。それしかないのかなと思います。試合と同じ雰囲気や強度を出すのは不可能ですが、それに近しい強度を出すことが必要です。そのなかでボールを保持しながら優位性を作っていくとか、チームの連動をチーム全体で取り組めば、自然と自分たちもやっていて楽しく、見ている人たちも楽しい、強く魅力あるフットサルに近づくのではないかなと思います。
──祝航大選手の起用について。
祝は、名古屋ラウンドでは伊藤選手と一緒に出場することが多かったです。それには、堤がいるかどうかは関係しています。今日の試合も満点ではないですけど、押し込む場面がありました。
割とビルドアップで押し込むことができる時間帯は多いです。そこからどういう攻撃をするかで、サイドのドリブラーまたはピヴォは必要だと思っています。そこに堤の代わりに小林拓夢を入れてピヴォが2枚いるような形や、サイドでの1対1のアイデアを持っています。祝も1対1で自分の形になれば、シュートまで行ける能力を持っているので、そこで発揮してほしいです。堤と同じことは求めていないですが、堤のサイドの1対1の近しい形を、菅原健太としてほしいです。
あとは拓夢が1stセットにいると、次のセットではピヴォの役割を担う選手がいなくなることが多いです。そこを、拓夢を伊藤選手のセットに移動させると、祝選手が入るのが自然だと考えて役割を与えました。彼にはゴールが必要ですね。1対1からファーサイドに抜けるシュートができればいいのかなと思います。そういう意味ではいいところもあったし、まだ物足りないところもあったという印象です。
「このチームで試合をする意味」をもう一度考える
●Y.S.C.C.横浜|伊藤玄
──試合を振り返って。
横浜が掲げている「飾らずひたむきに」というスローガンがあります。今日はそういう試合を体現しようと話をして望みましたが、結果も内容も、それとは程遠いパフォーマンスになってしまいました。
僕らは一試合一試合気持ちを作って練習をして、試合で最高のパフォーマンスを出すサイクルを今日を含めて行っているつもりでいたはずが、蓋を開けるとこういう試合になったことは非常に重く捉えています。最後だから楽しもうというところや、優勝がかかってないから消化試合というのとはまた別の、僕たちの判断基準があります。そこに到底達していない試合をしてしまいました。
負けたことでチームメートで批判しあうのではなく、一番ベテランの僕が、若い選手に向けて声をかけていきたい。「このチームで試合をすることの意味」をもう一度考えて、選手権までにもう一度叩き直してやっていきたいと思います。そういう意味では監督からもあったように、いい薬になったと思います。
──シーズンを振り返って。
前期で連勝した時期は、鳥丸監督の2年目のシーズンが始まって、自分たちのなかにも、監督の求めるコンセプトを試合で表現できるようになって、結果につながりました。やっていて負ける気がしないくらい勢いもあって、試合後も自分たちがどんなプレーができたかを見るのが楽しかったです。人数は少数になったけれど、1年目とは比べ物にならないくらい、Y.S.C.C.横浜のフットサルの進化を感じて、表現できました。
ただ怪我人から始まって苦しい時間が続いた時に、チームとしてそこを乗り越えきれませんでした。監督が求めるコンセプトは「これをやってくれ」というオーダーではなく、自分たちがそこから何かを得て、アレンジさせてやっていくもの。僕らが表現できなかった反省を個人的に感じています。もう少しチームや個人の関係が深まれば、上位リーグで戦えるところまでいけたのかなという印象です。
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